幾つかある灰野のバンド(ユニット)のなかで「不失者」は1979年結成と歴史も古く、彼の活動のなかで最も重要な位置を占めるロックバンドである。サイケデリック、実験音楽、ノイズ、ジャズ、アヴァンギャルドなど様々な要素を含みつつ、灰野自身の考える新しい「ロック」を体現している。90年代初頭からニューヨークやヨーロッパなどで頻繁に活動。多数のフォロワーを世界各地に生むこととなる。灰野の長年のパートナーであったベーシスト小沢靖の体調悪化、急逝により2005年以降、活動休止を余儀なくされていたが、2011年1月14日、大阪・心斎橋クラブ・クアトロで復活ライブを行った。2012年に「不失者」としては待望のニューアルバムを発表した。