ナズ(Nas)と並んで、Queensを代表する2人組みMCグループ。93年にリリースしたデビューアルバム、"Juvenile Hell"はあまり話題にならなかったが、95年の名盤"The Infamous"で歴史にその名を残すこととなる。このアルバムに収録された"Shook Ones, Pt.2"は緊張感あふれるトラックとハヴォック(Havoc)、プロディジー(Prodigy)のディープな声とリリックにより、リリース当時からクラシックとして評価されてきた。
この傑作に続き"Hell On Earth"、"Murda Musik"とハードコアな路線を貫き通していった90年代の終わりに、プロディジーが黒人特有の血液関連の病気(TLCのTボズ(T-Boz)も同じ病状で有名)に悩まされることになるが、それを克服、ソロアルバム"H.N.I.C."をリリースし、プロデューサー、アルケミスト(the Alchemist)を世に紹介する。
そして迎えた2001年、アルバム"Infamy"からカットされた"Hey Luv(Anything)"は、なんとR&Bグループ112をフィーチャーしたメローかつキャッチーな曲で、従来のファンを仰天させた。拒否反応を示す一部のファンを尻目にこの曲は彼らの最大のヒットとなり、"Shook Ones, Pt.2"に並ぶチャートアクションを見せる。
一方でハードコアな路線は維持し続けながら、Loudを離れ、Landspeedからの"Murda Mixtape"、"Free Agent"をリリース後、Jiveに移籍し、2004年、アルバム"Amerikaz Nightmare"をリリース、硬派な内容とキャッチーなサウンドの間のギリギリのバランスをキープしている。