IG Cultureは西ロンドンが生んだ”Broken Beat”ムーブメントの創始者であり、このシーンを先導してきた中心人物だろう。2000 BlacksのDego, Bugz In Atticら他のDJ達と共に”Bruk Boogie”シーンは築き上げられた。ヒップホップ、アフロミュージック、ジャズ、ファンク、ドラムンベースなどを融合しつつ、新たなビートを創造する過程で生まれたこのムーブメントを象徴し、核とも言えるパーティが「CO-OP」だ。IG Cultureはその「 CO-OP」を主催。イギリスのAcclaimed Awardでベストパーティ賞を受賞するなどし、ロンドンを代表するパーティと言えるだろう。 日本での最後のギグは、ルーツであるアフリカでの旅を終え、フィルム制作やアルバム「Zen Badizm」をリリースした後に来日している。このアルバムは、ここ日本での評価も非常に高く、モータウンやジャズの名曲のカバーも披露。まさにブラックミュージックの歴史を集約したかのような作品と話題になった。彼はNew Sector Movements, Likwid Biskitなど様々な別名義でも制作活動を行い、近年ではデトロイトのTheo Parrishの作品『TRAFFIC』にフィーチャーされたことは記憶に新しい。
現在はAlex Phounzi (bugz. neon fusion) とタッグを組みNameBrandSoundとして活動の幅を広げている。このプロジェクトは、ジュークフットワーク、レアグルーブ、ダンスホール、そしてテクノのエッセンスを加え、重層的なビートと凄まじい音圧のあるサウンドを創り上げているのが特徴だ。最初のEP『NOWADAYS PRESSURE』は、ロンドンの老舗レーベルNinja Tuneよりリリースされ、Gilles Peterson, Annie Mac, Alex Nut, HyperDub, DMCチャンピオンのJon1st やBBCラジオの人気DJ MonkiやToddler Tからサポートをされ話題となる。NameBrandSoundは、ロンドンのラジオ番組のためにも多数のミックスを制作。Toddler T, Solid Steelと共に Boiler Roomにも出演。NameBrandSound名義での新しいEP『Spaceship 』をリリースしたばかりだ。