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French Fries

ClekClekBoom

Valentino Canzani aka French Fries のストーリーは、1975年に彼の両親が当時の独裁的な政治から逃れるためウルグアイよりアルゼンチンに亡命し、パリへ行き着いた場面から始まる。彼の父 親である Pajaro Canzani はウルグアイのマルチ演奏者として、そして自身のグループ “Los Jaivas” のプロデューサーとしてスーパースター的な地位を築いていた。パリに辿り着くと、ドラムや様々な種類のパーカッションを備えたスタジオを再建したが、これ がのちに Valentino や彼の妹のリズムセンス、レコーディング技術を幼い頃から習熟させるきっかけとなった。Valentino は、14歳になる頃にはドラマーとしてその最初の音楽的才能を身につけることとなったが、他の都会の子供と同じように、バスケットボールやアメリカのラッ プ文化にも親しんでいた。またその頃、Jonathan Chaoul (aka Ministre X, のちのClekClekBoom の創設者) が、彼にハウスミュージックをはじめシカゴハウス、NYC ハウス、ニュージャージーハウス、バルチモア、ゲットーハウスなど様々なジャンルの音楽の知識を与えていた。また同時期には、その後彼のプロデュースパー トナーとなる Bambounou と出会い、彼の制作に大きな変化を与えることとなった。二人がコンスタントに作業を共にすることで、お互いに新たなアイデアや技術を与え合い、各々のサウ ンドを進化させていくようになると同時に、当時人気だったハードエレクトロのような音楽とはかけ離れた、独自のクラブミュージックを確立することとなっ た。2010年には、French Fries として自身初の EP “Arma” を若きペルシア人が運営するレーベル Youngunz よりリリース。この経験は、Adrien Creuse (aka Mr Boo) や Jonathan Chaoul と共に自身のレーベル ClekClekBoom を創設するにあたってインスパイアを与えることとなった。この最初のEPにはサウスアメリカの音楽からヒントを得た ”Senta” が収録されていたが、そのミニマルかつパーカッシブなゲットートラックは、アンダーグラウンドで支持を得ながら、Girl Unit や Bok Bok、Hot Natured、Ben UFO、Justin Martin らをはじめ様々なアーティストから賞賛を得た。2011年には、ダンスミュージックにさらに焦点を当てた EP “Champagne/Hugz” をリリースし、レーベル Dance Mania に代表されるようなゲットーハウスへの嗜好をより強く主張していった。これは Nightslugs や Hessle Audio などのUK ベースミュージックシーンに影響を与えることとなる。また、これが ClekClekBoom からの最初のリリースとなった。B面には盟友 Bambounou との初コラボレーショントラック “Hugz” が収録されたが、若き2人のプロデューサーの切磋琢磨し合った日々が形となったトラックである。Claude VonStroke は French Fries の才能に早い段階で気づき、自身のレーベル Dirtybird のために彼にトラック制作をするよう依頼した。ニューヨークのボールルームに影響を受けた最初のシングル “”Yo Vogue” は、セクシーかつフロアライクな曲調で、幅広いジャンルのDJ達にプレイされた。この成功によって、彼は自身初の北アメリカツアーを成功させる。一方、 ClekClekBoom からもBambounou や Manare、Coni、Jean Nipon、Chaos in the CBD らのリリースを続け、フランスのクラブシーンに新しい風を吹き込んだ。また、”What to do / One Thing” では、Amerie をRnB スタイルに、Bangalter を独自のハウスミュージックに落とし込み、UKガラージ的なアプローチを試みた。そして2012年には、Dirtybird とのコラボレーションとして ”Space Alarm” EP をリリース。制作にはアナログ機材を積極的に用いて、彼にとってエレクトロニックミュージックに対する姿勢に変化を与える非常に重要なリリースとなった。 この頃には、伝統的なゲットーハウスの色を残しながら、SFに影響を受けたようなサウンドを取り入れるようになる。2013年には “Everything” EP をリリースし、クラブ的な要素を残しつつも乾いたサウンドの印象をより強めた。そして ClekClekBoom 初のコンピレーションアルバムとして、”PARIS CLUB MUSIC VOL 1” を CD/vinyl でリリースし、レーベル所属のアーティスト達と共にヨーロッパツアーを敢行。このコンピレーションより ”Drums / Traxx” をシングルカットしたが、これには Minimoog Voyager や Drumtraks が使用されるなど、新たな試みが取り入れられた。B面の”Traxx” は Chaos in the CBD との一晩のジャムセッションによって生まれた一曲である。2014年には、若干22歳にして1st アルバム “Kepler” をリリースし、彼の音楽的進化の一つの集大成を提示した。全13曲から成るこのアルバムは、全体を通してシンセサイザー界のケプラー 62e という一つのテーマのもと創作され、ディストピアの中でオーガニックな何かを生み出したいというアーティストとしての欲求を投影した。本アルバムに収録さ れた2曲 “Machine / Bug” は2013年12月にEPとして、翌年2月にはLPとしてリリースされた。2014年6月には、現状の四つ打ちベースのダンスミュージックに独自のミニマ ルなベースサウンドとアンビエントなアルペジオ、乾いたビートを落とし込んだ一曲 “Shift” がModeselektor のコンピレーションアルバム “Modeselektion Vol.3” に収録された。本トラックは Jimmy Edgar によって BBC Radio 1 Esseantial Mix のハイライトとして使用され、世界に紹介された。今年1月にリリースされた ClekClekBoom の二作目のコンピレーション “PARIS CLUB MUSIC 2” には、同レーベルから厳選されたトラックをはじめエクスクルーシブなトラックも集められ、French Fries - “Got It” が収録された。9月には Jimmy Edgar 主宰レーベル Ultramajic より Bambounou とのコラボレーショントラック “What’s Up Evan” がリリースされた。2015年には Len Faki による “Journey To Kepler” のリミックスがリリースされたほか、”Various Cuts #1” EP には NSDOS との楽曲が収録、RBMA のために制作された Bambounou とのコラボレーション曲、Paris Club Music の第三弾もリリースされた。



Valentino Canzani aka French Fries' story begins in 1975, when his parents escaped from Uruguay, which had just come under dictatorial rule, and fed frst to Argentina, then to Paris. French Fries' father Pajaro Canzani had been a superstar multi-instrumentalist and producer in Uruguay with his group "Los Jaivas" (think psychedelic Beatles). Once in Paris, his father reconstructed a fully-equipped studio complete with drums and various percussion instruments, which enabled Valentino and his sister (Piu Piu) to familiarize themselves with rhythm and recording techniques at a very young age. So began Valentino's musical education, he exercised his talent as a drummer until the age of 14. Like a lot of city kids, he was a big fan of both basketball and American rap. It was at this time that Jonathan Chaoul (aka Ministre X and co-founder of ClekClekBoom) introduced him to house music and all its sub-genres: Chicago House, NYC House, New-Jersey House, Baltimore, Ghetto House, the sound of Brazil's favelas... It was also at this time that French Fries' production work underwent a major change when he met Bambounou, who would become his new writing partner. Their musical complicity permitted the two friends to constantly improve their production skills and refne their sound, with each of them bringing new ideas and techniques to the table to create their own brand of club music, which was far removed from the hard electro style popular at the time. French Fries is back in 2015 with an edit Len Faki did of his track “Journey To Kepler” (out on Figure on Jan 19th) and a new various EP “Various Cuts #1” featuring a track he produced with fellow ClekClekBoom-affliate NSDOS. A brand new EP, a collab with Bambounou for RBMA and the 3rd edition of Paris Club Music are also in the pipeline. At only 23 years old, we certainly doubt this will be the last you hear from him.