サウスロンドン出身のHenry Wuは今年最も面白いプロデューサーの一人と言える。今年はじめ、Alex Nutが運営するHo Tepからリリースした曲群はハウスとビートダウンの中間とも言えるBPMで制作され、ファンキーな音楽を楽しむことができる。また、彼の音楽へのアプローチはBerlinのレーベルOdd Socksをも魅了し、そこからリリースされたレコード、Motions of Wu Vol 1もWuの持ち味に溢れたもので、12インチを回すDJなら誰もが欲しがる、両サイド共に多様なムードとテンポの曲が収録されたレコードだ。A面の粗く輝くトラックMidtourは甘くて深いトラックSummer Roadとカップリングされ、B面の117 Careplanでは打って変わった素晴らしいハウスが奏でられる。さらに、ぐにゃりとしたブロークンビーツのBack to Brukkaはソウル/ファンクレーベルである2000 black recordにも通じるトラックである。
Henryの音楽の多様性は彼のDJセットにも共通する。丁寧に上げ下げされるBPMの中で、知識に裏打ちされたファンクやジャズ、さらに今最も現代的と言えるハウスを楽しむことができる。UKやヨーロッパでは、すでにたくさんのギグが予定されており、今後ビッグになるアーティストの一人である。