Louie VegaとKenny Dopeによる史上最高のユニットMASTERS AT WORK。あらゆる音楽スタイルを吸収してダンスミュージックの最先端を走り続けてきたDJ、そしてプロデューサーチームである。ラテンやアフリカン、ジャズやダンスクラシックを背景に持つLouie Vega、ヒップホップやレゲエなどストリートミュージックがアイデンティティーのKenny Dope。この両者の持ち味をハウスミュージックに、たっぷりと注入したサウンドこそがMASTERS AT WORK最大の魅力だろう。93年に1stアルバム『Masters At Work』を発表後、ヴォーカリストにLuther Vandrossを迎えた「Are you using me」、そして「Beautiful People」や「Love&Hapiness」などMAW初期の代表曲とも言える作品を立て続けにリリース。96年にはセルフレーベルMAW Recordsを設立。翌97年には彼らの多才ぶりを遺憾なく発揮した集大成とも言えるNuyorican Soul名義での『Nuyorican Soul』を発表。大御所Roy AyersやJocelyn Brownなど豪華なゲスト陣の参加も大きな話題を呼んだが、R&Bやソウルに、ラテンやジャズを大胆に吸収した豊潤なサウンドはダンスミュージックシーンに多大な影響を与え、名盤として愛されている。圧倒的な評価を得たMAWのもとにはリミックスの依頼が絶えまなく届き、Madonna、Michael Jackson、Janet Jackson、Jamiroquai、Bjork、Daft Punk、Misia、Tei Towaなどを含め、数え切れないほどの作品を手掛けている。02年にリリースされたMAW名義での2ndアルバム『Our Time Is Coming』は世界中で大ヒットを記録している。ソロ活動も精力的で、06年にはLouie Vegaが過去幾度となくノミネートされた第48回グラミーでベスト・リミキサー賞を受賞。トップ・オブ・トップへと登り詰める快挙を成し遂げた。Kenny Dopeは全編インストゥルメンタルのオリジナル・アルバムを発表。ストリートのカリスマとして君臨し続けている。2014年と2015年にはMAWとして2年連続でUKトップレーベルの人気コンピレーション『House Masters』を手掛け、計8枚のディスクにクリエイションを詰め込んだ。その内容は永久保存盤とも言える内容で、輝かしいNYハウスの調べを奏でている。90年代のデビューから今も天頂で光を放ち続けるMASTERS AT WORK。既に音楽界の至宝と言える存在だろう。