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TERRENCE DIXON

Terrence Dixon(テレンス・ディクソン / a.k.a. Popuration One)は活動歴20年以上に及ぶミシガン州デトロイトのテクノプロデューサー。彼の作り出すサウンドは、不穏でありながら催眠的かつトライバリスティック、真摯で記名性の高いミニマルなサウンドデザインで広く知られている。20年以上におよぶキャリアの中で、TresorやMetroplexといった数多くのレーベルから、多数の傑出した作品をリリースし続けているにも関わらず、2017年夏にAaron Coultateによるロングインタビュー(https://jp.residentadvisor.net/features/3075)がResident Advisorに掲載されるまで、彼の存在は長らく謎に包まれてきた。
 
テレンスのキャリアは90年代初期位スタートし、1994年にデビューシングルをリリース後、Claude YoungのレーベルUtensilからいくつかの作品を発表。90年代後半に入るとJuan AtkinsのMetroplexからPopulation One名義で作品をリリース、1998年にリリースされたJuan AtkinsによるInfiniti名義でのアルバム "Skynet" の制作に携わる。2000年、Tresorよりデビューアルバム "From The Far Future" をリリース。 Dixonは本作にについて「先人たちへのリスペクトを基軸に、かつてのテクノの古い要素を少しずつ取り除き、再び新しいものへと生まれ変わらせたんだ」と語っている。 その後も表舞台に姿を現さないまま散発的にリリースを続け、2012年に"From The Far Future" の続編となる2ndアルバム "From The Far Future Pt. 2" をTresorより突如リリース。 その時代性を超越したプロダクションは多方面で絶賛され、2014年にFact Magazineが発表した "Best Albums of the Decade So Far" (2010年代の現時点でのベストアルバム)のトップ10の中に本作が選ばれている。2017年夏にはOut-erよりこれまでのリニアな作風から一線を画した、アーリー・エレクトロニック・ミュージック的な音響テクスチャーが横溢するエクスペリメンタル色豊かな最新アルバム "12,000 Miles Of Twilight" をリリースしている。
 
彼の言葉によると、彼の作るテクノ・ミュージックは “Forward thinking ghetto electronics”(フォワード・シンキング・ゲットー・エレクトロニクス)だという。

Terrence Dixonは近年、イベント、ツアー、アーティストエージェンシー、レコードレーベル、アパレルブランドなど地域社会を組み込んだプラットフォームとなるべく [Minimal Detroit] をローンチした。ここでは彼はデトロイトの街を再活性化するためのキャンペーンと世界的な輸出の使命を組み合わせた明確かつ前向きなビジョンを持っている、という。
 
2017年5月に行われたデトロイトのエレクトロニックミュージックフェス [Movement Festival 2017] では "Population One" 名義でキーボードとドラムを加えた3人編成でのライブで出演、このライブはResident Advisorでの " Five Key Performance" に選ばれるなど話題を呼んだ。
 
2018年以降はあらたにアンビエントミュージックのプロジェクトやThomas Fehlmannとの新プロジェクトなどが予定されている。