アレキサンダー・コワルスキーは、これまで長い道のりを辿ってきた。1997年よりテクノプロデューサー・ライブパフォーマーとして、彼は4枚のソロアルバムと数え切れないほどのシングルやリミックスワークを世に送り出している。それは90年代初頭のベルリンですべてが始まった。コワルスキーはデトロイトとニューヨークからの最初のテクノリリースを汲み取り、すぐさまオリジナルの音・マテリアルを製作し、ベルリンを代表する伝説のクラブ「Tresor トレゾア」でライブデビューした。最初のリリースは変名義のDisX3でトレゾアから、その頃にはSender BerlinのStassyと一緒にコラボし、Double Xとも呼ばれていた。まもなく彼自身最初となるフルレングスリリースが2001年のKanzleramtより登場した。だが大躍進したのは2002年に発表したアルバム"Progress"でのクオリティの高さが起爆剤となった。同年、Raz Oharaをフィーチャーした"Hot Spot"でスマッシュヒットを記録、この曲は10年経った今でも様々なアーティストからリミックスされ続けているコワルスキーを代表する名曲である。そして2003年の3rdアルバム"Response"以降は、世界中のライブギグとAgoria, Dave Gahan, Funk D'Void, Sascha Funke, Paul Kalkbrennerなどのアーティストのリミックスを提供することに焦点を移した。2006年にはアルバム"Changes"と共に新しい音楽へのフォーカスを示し、その後大胆にジャンルを横断し、Fritz Kalkbrenner & Barca Baxantとの楽曲やKhan"House of Hell"も生み出した。コワルスキーのアクション満載のライブセットは常に力強く激しい。ベース重視のテクノサウンド、ディープハーモニーとストレートなビートを武器にダンスフロアを揺らすプロのパフォーマーである。ラブパレード、I LOVE TECHNOなどのフェスティバルアンセムとなったクラブヒット曲"Speaker Attack"も彼の手によるもので、その功績が称えられ栄えあるジャーマン・ダンス・アワードも過去二度受賞している。そして以前にも増して第六感を研ぎすました彼が2009年に満を持して立ち上げた自身のレーベルDamage Music Berlinは、自身が水を得た魚のように泳ぎ続けるための活力源であり、これから彼のオリジナルトラックはここからか、あるいはライブでしか聴くことは出来ないであろう。