Chemical BrothersやThe Prodigyが成し遂げた数々の功績。ロックとテクノの融合、サンプリングミュージックの可能性の拡大、ロックリスナーをエレクトロミュージックへ誘発などなど……は、このMeat Beat Manifestoというユニットから端を発しているといっても過言ではない。
87 年、Jack Dangersが中心となりMBMは結成された。彼らの音楽は、それまで無機質なビート一辺倒だったダンスシーンに、バンドサウンドというオーガニック爆弾を投下し、ヒップホップ経由のサンプリング地雷をじゃんじゃん配置。生音の感触を強めれば強めるほど、その攻撃力がアップすることを世に知らしめ、ダンスとロックの融合を果たす。また、Nine Inch Nailsとの交流からインダストリアルシーンにもブレイクビーツの要素を頒布。あらゆる音楽シーンに革命をもたらした。おそらく、彼らがいなかったらデジタルロックやビッグビーツといったシーンは生まれなかっただろうし、それは多くのミュージシャンが公言してはばからないことからも明らかである。