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Ibiza Through RAHA’s Eyes - vol.53: SUNWAVES17 / Happy Lost


4/30 (木)

午後1時起床。5時間半睡眠だがまあ大丈夫だ。昨日までに色々終わらせておいてやっぱ本当によかった! これでスッキリと思い切って遊べる! なにしろ今日から火曜朝までだからな!

さあ、今日からいよいよ待ちに待ったSUNWAVESがスタートする。このSUNWAVESも今年で3年連続となる。勝手もだいぶ分かってきた感ある。こっちの人達も、アーティストだけじゃなくて普通のクラバーの人達も俺の事だいぶ覚えてきてくれてるから、なんかだいぶ楽しくなってきた。さて、今年はどんなドラマが待ち受けているのだろう? 期待に胸躍らせながら、いつものように待ち合わせの空港Cafeへと向かうずら。



時間通りに着くと、、、仲間達もうたくさん集まってた。すごく久しぶりの友達もちらほら、そして去年10月のイビサクロージング以来の仲間達も大勢居る。楽しい。ここら辺からはもう完全に安心だ。やっぱり本当に気の許せる仲間は本当にいい。打算ないしね。


フェスの会場はMamaia Beach。ここから約3時間の道のりだ。イメージで言うと伊豆の手前ぐらいって感じ?
今日ここから乗るシャトルは、ここ2年乗ってる主催者が周りの仲間用にチャーターしてるピストンバスではなくて、この仲間達が自分達で借りた自分達だけが乗る用のバス。だからより楽しい。まあ毎年いつも結局そうなってるけど、今年もまた行きの車内から緩やかにパーティーは始まっていった。



行きは混んでて時間かかった。3時間半でMamaiaに到着!
俺は便利だしWifiもあるからいつものホテルへ。仲間達の多くは会場近くのアパートをみんなそれぞれ借りてる。荷を解いてから彼らの部屋に集合。さっそく楽しい。パーティーはすでにスタートした!:))))

夜中一度自分の部屋に帰って体勢整え、いろいろ整理してフロントでPCやってたら、「こんにちわ」と怪しげなイントネーションで笑顔で話しかけて来たのはいきなりのRhadoo。これは幸先がいい!


さて、遅めの始動で朝6時。この行動時間のペースは過去2年で自分なりに色々学んでいる。これがほぼ正解だ。
いよいよ始まります。SUNWAVES17!!



さあ、、行こう!



VIPのセキュリティー去年と同じでもう覚えていてくれた。バックステージの形が今年もまた変わっている。悪くない感じだ。

色々みんなと再会。これが本当にエモーショナルで楽しい。やっぱ友達がどんどん増えていくと楽しさがどんどん加速していく。

初日のヘッドライナーは、去年6月にBeat In Meに来てくれた、Valentino Kanzyani。




今日のこれはPre Party。初日はだいたいこんな感じ。あまりがっつかず、来てる人もまだ余裕な感じだ。


この日は俺も軽めに。2時間ぐらい居て、みんなが部屋で遊ぼうと言うので俺も一緒に会場を後にする。パーティーは何しろこの夜から火曜の朝までぶっ続け。中2つ、外2つとあるフロアーで音が止まってしまう事はないのだ。そして1番手の人とかがうちらからするとすでにキラーブッキング。逆にこっちとかに来ないと聞けないような人達なのだ。SUNWAVESのいいところは、全ての時間が俺達にとっての超魅力的なコンテンツ。でもそれを残念ながら全て見る事は不可能。いかに効率的に、時間を選んで見る物を泣く泣く削っていって睡眠を確保するか。それがとにかく一番のテーマだ。それを去年までの2年でだいぶ学んだ。
そしてもう一つ、パーティーは後に行くほど特別な時間が出現して来る。いかにそこを見逃さないようにするか。その大事な時に力尽きてしまっていないようにするか。その体力の蓄え加減がすごく重要な事となってくる。それが分かっているから、今年は前半はとにかくあまりフルで飛ばさないように注意した。でも、かと言って前半抑え過ぎても全くつまらない。とにかく、難しいのだ!


会場を出てすぐ裏のみんなのマンションへ。ルーマニアは犬が多い。


部屋でのアフターは、この日はあまり深くならないように早めに切り上げた。




午後からずっと寝てた。一度8時頃目が覚めてロビーでPCやってたら、いよいよみんないっぱい到着してきたぞ。昼間のパーティーからヘロヘロで帰って来る友達もチラホラ。いよいよパーティー本番だ!


夜起きて近くのレストランSabrosoへ。ここ、このあたりで唯一24時間やっているレストラン。ホテルのレストランも24時ぐらいに閉まっちゃった後はまともなのはもうここぐらいしかないから本当にみんなここに来る。まあ味は結構悪くはない。中華もあったし!


さあ、ご飯もバッチリ食べて準備万端!
今夜はいきなりこのフェスのベストタイムの一つ、[a:rpia:r]3人の登場だ。ここは出し惜しみしないで突っ走りたい。ここはアゲていこう!

行きのタクシーもエントランスもすごく混んでたな。まあ今日が5/1だししょうがない。


中に入るとすぐに彼らの方のステージへ。もうそろそろ始まる時間だ。でも何か変。。何だこの音は??[a:rpia:r]これ?
バックステージ回ると、なんか居る人の感じも違うしそもそも知ってる人があんま居ない! すぐに気付いたけど、ここはもう一つの方のステージ。Sunriseやる事がいちいちホント面白い。去年一昨年は今来てる方のここがいわゆる第2ステージ。Ricardoや[a:rpia:r]のステージだ。なんでか知らないけど今年は逆にしてる。第1はいわゆるメジャーなアーティストの出演するどちらかと言うとコマーシャルなステージ。集客のためにもメジャーな人達を入れてる。2年前最初俺、なんだよ、と思ってたけど、実はこれすごくありがたいと痛感している。このステージがあるから、完全にツアーリストな人達はみんなこっちへ行ってくれる。リッチーやCarl CoxやSethやと、そういう人達がこっちに入ってくれてるから俺達はもう一つのDeepな方のステージで安心して、一般でもそれが好きなお客さん達とだけでパーティーできる。そうでないとフロアーの雰囲気がある程度コントロールされたクオリティーにならなくなっちゃうんだろうなあ、と思った。

すぐに移動してさて、STAGE 2。3時半。もう彼ら、始まっていた。多分今ちょうど始まったとこだろ。


今日も3人はよかったなあ、ずっとよかった。


ブースの前後にあんな地下の基地があるなんて知らなかったな。色々面白過ぎる。
この日あれ以来初めて会ったRareshにはリキッドの事、really really amazingだった、本当にありがとう、ってマジで何度も言われた。

俺的にはSUNWAVESの全ての時間の中で、この金曜日の夜の[a:rpia:r]が3人でやる時間が一番好きだ。
みんなもまだ体力余ってて元気いっぱいだしねwww

お客さんもいい感じだ。


あっ! 舘ひろし風な


去年は昼12時頃までやってた。が、今日はいつまでたっても終わらない。最後なんと3時まで。終わりはずっと何時間もPedroとTelbureのB2B。今日のPedroはとにかくDJ凄まじかった。お客さんもみんな分かっていた。Pedro、特に凄かった。





3時に終わってまっすぐ帰るはずがちょっとDAY会場へ。MihighのDJちょっと聞く。実はこの外でのDAY、トリでPedroがブッキングされてたが、途中で本人からこの日はやらないってこっそり聞いてた。だから今までその分ずっと止めないでやってたんだ。

それにしても今年もいっぱい声がかかる。DOMMUNEもだけど、先週Eden最高だったよ、って言って来てくれる人多数で嬉しい。ありがたいです。

最後、夕方5時前に撤収~。



鬼のように疲れている。帰ってまず頭洗ってきれいになった。バナナ食べ、とにかくストレッチ、体操。バナナ後、体操したらなんか急にスッキリしてきた。やっぱストレッチすごい。それにしても俺の体、ちょっと踊ってると固くなるようになっちゃったなあ。これは元々そういう体質だったけど、これ根本から何かして変える事できないか本気で検討しよう。




夜8時に寝て、8時間寝て朝4時目が覚める。なんとか大丈夫だ。1時間かけストレッチ。うん、だいぶ回復した。
例のSabrosoへ。すごく混んでたな。まあこの時間ここしかやってないわけだから当然か。すごく混んでて中は座れず。take awayして帰る。


日付け的にはもう日曜の朝だが、土曜夜のプログラムの会場へようやく朝10時に着く。思ってたのよりちょっと遅いけど、でもだいたいこんな感じで動き的には大丈夫。他の人もその感じで、みんな分かってるんだなという感じだった。去年も一昨年も着いたのだいたい4時くらいだった。それも楽しかったけど、このSUNWAVES、本当にもっと面白いのはこの後からだからね。こっから後は、後になるほどamazingになっていく。本当の本番はこの土曜夜のInsideが終わって外に移ってからなのだ。みんながこのフェスのRhadooとかRicardoとかの様子をYou Tubeでよく見るのもそっちの映像の方が多いでしょ? 要は "アフター" なのだよ。

ともかく朝10時到着。
着いた時のフロアーはこんな感じ。


俺が着いた後のRicardoはメロウな昔の唄モノ中心になってた。多分2時くらいまでやってたのかな。


この日のSTAGE 2は、Ricardo, Sonja, Praslea。俺が着いた途中からはこの3人のb2Bになってた。そして、やはりとにかくPrasleaはすごい! あのMixはやはり素晴らし過ぎる。やっぱりこの人、俺の中で間違いなくトップ3に入る人だわ。



ここで、昨日今日の友達とのショットを。みんな本当に最高な人達だ。

ViennaのAlec。2年前のIbizaでValentinoの家で一緒だった超ナイスガイ :))


仲良しのAndrei Ciubuc。この翌週にBucharestでDJした時に自分のUvarからの最新EPをわざわざ届けに来てくれた嬉しい友達。俺の事が大好きw


この人はいつも素敵だ。外見のみならず中身が。


この翌週にプレイするクラブTemplumのオーナーCristian。去年はAlohaと言うクラブをやってた。この人マジで最高。クラブのオーナーにして、他の誰よりもずっと最前線で踊ってる。本当に心から音楽が好きなのが分かる。


Londonの女の子


仲良しのRoma, Goa ClubのColicchi。彼ほどお洒落で素敵な男は世界でもあまり類を見ない。


Body PartsのOlgaとは気が合っていっぱい遊んだな。本当にセンスがいい。7/3にSolfaでやるLiliumというパーティーで初来日するみたいだね。俺、6/16から7月終わりまで日本また出ちゃうからここに居れないのが心から残念。これ読んだみんな、是非彼女のDJ聴きに行ってみて下さい! 最高のパーティーになる事を祈っています!!
https://www.facebook.com/events/763992363700138/


Praslesh。素晴らし過ぎるこの2人。夢を実現させたい。。




ここで一つ言いたい事がある。上の写真のCristianで書いたように、彼は、例えばアフターのこのPedroの時間、DJ前の最前線のスペースで、最初から最後まで激アガリで本当に一生踊り続けていた。1曲1曲に反応してPedroの素晴らしいプレイに心からの賛辞を送りつつ、手を挙げ頭を振り、この会場にいる他の誰にも負けないぐらいガンガンに踊っていた。5時間ぐらいの間ずっと。彼クラブのオーナーだよ。歳は50超えてる。
また、その時Pedroの回している真横にずっと居て踊っていたのは、ルーマニアのトップディストリビューターOur Ownのオーナー。彼もまた最高のクラバーの一人。彼もまたPedroが回している間、その絶妙なMixに1曲毎にウワー、と頭を抱えながら、最初から最後まで満面の笑顔でガン踊りしていた。誰よりも楽しんでいるように見えた。共にクラブのオーナーとエージェンシーのトップである。これを見た時に、日本のなんと言うか感じとの間に存在する決定的な違いを感じてしまった。すごく本質的な事だと思う。
海外には彼らみたいなポジションで年齢で、それでいて他の誰にも負けない最高のバイブスの行動を自然のものとして続けている人達がたくさん居るのを見ている。いつも素晴らしいと感じる。表現の方法には色々あるのは分かるが、日本のそう言ったクラブ・音楽関係に携わるその中で相当な上のポジションに値する人達の中で、クラブで本当に楽しく踊り続けていたりと言った、そのような行動を見せてくれる人は、この国に果たしてどれだけ居るのだろうか? 腕を組んでDJの音をふんふんと聞いて批評するだけなのもまあいいし、フロアーの中の方まではまず足を踏み入れないでいつもBarに居て飲んで喋ってるだけというのもまあそれぞれの個人の事だから別にいい。でも俺はそうじゃないよ!っていう人があまりに少ないように思うよ、僕の生まれ育ったこの日本は。。。俺らの携わってるの、ダンスミュージックだぜ、それでなんで全然ダンスしないで細胞が済むんだろうか? ホントに好きなの? 俺には分からんよ。どうしてようが各個人の自由だから別にいいけど、そういうとこからしてなんかつまんないなあこの国、と日頃から正直思っている。




中が午後の2時くらいに終わって外へ。すると昨日とは違ってもう外のフロアーも全然始まってしまっていて、今はVeraが。すごくよかった。回している時のあのなんと言うか態度も見習いたいところが非常に多い。


そして4時過ぎからZIP。これは最高だ。かけるトラックトラックがヤバい。おととし一番前の方で7時間踊りっ放しだったあの最高の時を思い出した。う~ん、でもこの後半からさすがに疲れでヘロヘロになってた。


何とか頑張ってたが続くPrikuが22-24。これが限界だった。次はBarac, Cezarだったが断念した。Baracとか聞かなくてはいけないのは分かってるがあれはもうムリだ。限界。


俺のパーティーのジャッジとして、笑顔が出なくなったらもう一度ダメだ。休息を入れるべし。
帰って体だけシャワーしきれいになって、音聞きながらそのまま寝てしまっていた。多分夜中2時くらいだった。




朝7時に目が自然と覚める。だいぶ戻った。これならいける。残りのパスタ食べ切る。何とか補給。いい天気だ。


ロビーでPCしてたらValentino達が帰って来た。続いてRhadooが! 後で回すよ、って言ってた。
今9時でまだCezarが回してたって。次はDubtil。ああ、Baracからのこの3人全て行くべきだったけどダメだったなあ。でもRhadooはまだまだっぽい感じだ。昼過ぎに行けば良さそうな感じもする。

が、30分後にRhadooが出て行った。戻るんだって。これはもうすぐ回すのかもだな。
続いてPedroが。なんか動きが出て来た感じだな。もうちょいしたら行っといた方が良さそうだ。


昼前に会場へ。


special fresh juice


昨夜のBaracの5時間セットすごかったって。すごく悔しい。。

そしてなんとまだCezar+Dubtilのb2B。朝5時から結局夕方6時ぐらいまでやってた。


この日の昼間は最高だった。最高な人と最高な時間を過ごしたよ。




Cezar+Dubtil の後に続いてRhadooかと思われてたが情報が錯綜。やると言う人と帰ったと言う人と。そこでどうなるのか誰も分からなくなったところでいきなり登板してきたのがまさかのPedro!
これにはお客さん全員大喜び。

今回のSUNWAVES17のMVPはこのPedroだったと思われる。金曜夜から、特に土曜午後にかけての彼のプレイは圧巻だった。他の人みんなよかったが、彼は特に秀でていたように思うし、話す人話す人ほぼみんな同じように言っていたようだ。そして、プレイが終わった翌日のRicardoが回してる日曜の朝からの彼、いつもあまり見ないぐらい昨日はアガっていた。彼女が、「今日の彼はなんだかとてもハイね」と笑っていたぐらいでww、 特に踊りたい気分にもなったらしく、RAHA, フロアー行こう!と言って俺の手を引っ張っていってフロアーの真ん中で一緒に踊ってたのは実に楽しい時間だった。

そんなPedroがアフターでみんなが期待していなかったところにいきなりDJ始めたからお客さんは超盛り上がった。みんなRhadooまだかよ~やらないのかよ~と正直ずーっと思ってたから、あそこであの空気の中で出て来て同じぐらいの満足度をお客さんに与えられたのはPedroをおいて他には居なかったな。(Ricardoは今回アフター居なかったから)


Pedro結局5時間ぐらい回したかな?すごくよかった。メロディアスなスムースな感じ。




そんでこの間なんか新しい出会いとか色んな事が多々あって、この次は結局誰がやるのかもう分からない感じになっていたら、、、
そしたら夜10時半からいきなりのRhadoo!!!!! これは上がった。千両役者的な登場だった。いやあいい時間だったな。みんな待ってた感じだった。

かなり素晴らしい時間が流れた。抑えめにやってた。Rhadooやはりよかったなあ。ステージの端っこでみんなでずっと踊ってた。仲間達がいつも周りに居て楽しかったなあ。


最高の時間だった。かなり。。  ここまでは。。。 そう、ここまでは。


Rhadooのプレイもたけなわの時に、一人トイレに外に出た。そもそもこのタイミングが適切ではなかったんだろうと後になって思う。ここの簡易トイレ。ここのトイレは酷過ぎる。人のものとは思えないレベルがある。あの中に少し入っただけで気絶できるレベルと言えた。あれはムリだ。他の男達と同じように、俺は男だから外でチャッチャと小用を済ませようとした。

普通にいつもしている腰に巻いているポーチを外し、何故だか分からないが自分のすぐ脇じゃなくてホンの数メートル横に置いといた。するとちょうどその時、同じように用を足しに来た男が一人。後から思うとそいつはまさにそのポーチの脇に行ってしてたんだ。俺より先に用を足し終えたその男は先に立ち去る。ゆっくりと身だしなみも整えた俺がさて、とそのポーチを取ろうとしたら、、、、

ない!!

やられたのか? とすぐ思った。だけどやはり一瞬状況がよく分からず、そこに今置いたわけだからないわけがないので周りをよく見直したりしてた。だけど何度見直してもそこには俺が置いたポーチはどこにもないのだ。

そう、簡単な事。やられたのだ。今の今までそこに居たやつに。

後から思えば、とにかく気付いた瞬間すぐに追いかければ捕まえられたかもしれなかった。でも俺はその瞬間機転の利かぬノロマだった。

そう、見事にやられたのだ。初歩中の初歩。なんたるつまらんミスを犯した事か。ああぁぁ、昔から何年かに1回こういう事をやってしまうなあ、と我を呪った。しかしもう全ては手遅れだった。ヤツはそこからとっくに立ち去ってしまったし、現金だけ抜いて都合良くそこらに捨ててくれる事もなかった。


ちょうど俺が血相を変えて探している時にDJ仲間のCharlieとVlad Caiaがやってきた。ただ事でない様子の俺の話しを聞いて同じように血相を変えてくれ、自分の事のように周りを必死に探してくれた。残念ながら出て来る事はなかったが、彼らのあの時のあの態度、何よりも偽りのない本当の暖かさがあったし、彼らの友情には本当に心からありがたく思った。本当にいいヤツらだ。だからBadだったけど悪い事ばかりではない。俺のポーチ盗ったのおそらくルーマニアンかもしれない。だけど俺はルーマニア人大好きだよ。


失くなったのはこのポーチ。


俺の事見た事がある人だったら多分みんな知ってると思う。1999年にたしか春風だったみたいなのがあった日に代々木公園でフリーマーケットで買って以来、俺がパーティーに行く時でこれを身に付けていない時はひと時としてなかった。この16年、俺が行った本当に全てのパーティーに一緒に行って来たいわば戦友。海外でも俺が見てきたものは全てこいつは見てきたんだよ。そいつが失くなってしまった。

不思議な事に、実はこの日の昼間、友達とちょうどこいつの話しをしたんだよ。
今言ったように、「このポーチはこの16年間、国内も海外も全てのパーティーに一緒に行って来たんだ。こいつは俺の遊びを全てを知ってるんだよ。もしこれが失くなったら俺もうどうしたらいいか分からないよ」って。

今までこの事を口に出して言った事はなかったんだよ。それを口に出して言ってしまった俺が悪かった。不思議な事だけど、みんなもこれは覚えておいたほうがいいよ。何か本当に大切にしている物があったら、いつもいつもその事を口にしているようだったらまた違うのかもしれないけど、普段その事について全く口にしないような事なのだったら、その大切だって事は心に止めておいて口に発しない方がいい。ましてや、うっかり、もしこれが失くなったら本当に大変だ、なんて事は絶対に口にしてはいけない。それを口にしてしまうと、なぜか本当に失くなる事が多い。これ、結構本当によく起こると思うよ。なんなんだろうねえ、神様みたいなのがいるとすると、その神様ってのは結構妬きもちだったりするから、普段口にしないそれを口にするとその大事なものをその人から取り上げたくなっちゃうみたいなところがあるのかもしれないね。もしくは言葉には言霊ってのが多分これは絶対にあるから、何かを口にするってことはやはりそれに関わって何かが起こり易くなってしまったり、言ったその心配事が本当になってしまうのかもしれないね


それか思うのは、これまでそんな事を口にした事がなかった俺が口にしたって事は、どうあれそれが俺の元から失くなる運命の時が来たって事だったのかもしれない。いずれにしても、俺が初めてと言っていいぐらいにそれを口にしたその日にそれが失くなってしまった。これはもうそういった何かなんだろうな、と心の中で思っている。


失くなってすぐから1時間ぐらいの俺はそれはBadだった。同じ所を30回ぐらい探したか。納得の落としどころがないから同じ所を万が一の可能性でまた見直すばかりだった。もちろんそこら辺も探しまわった。申し訳ないけどスタッフに事情話して事務所に運良く届いてないかも何回かチェックしてもらったし自分でもチェックした。だが、手を尽くしたけど運良く出て来るという事はなかった。

あのポーチ自体が大切な物だけど、中にある物、同じように自分にとっては代え様のないものもあった。お金はどうでもいい。それはいくらでも替えが効く。一番キツかったのはドイツの携帯だった。2007から使ってたプリペイド。俺、スペインの携帯もあって、ヨーロッパ全土でのメインではそっちを使う事が多いけど、ことドイツ国内では全てがそちらだった。つまりドイツの友達の電話番号は全てそこに入っていたと言う事。ごく一部の人は控え取っていたけど、多くの人のは控え取ってはいなかった。それが全て無くなった。今も友達でよく会う人のはまた聞けばいいからいいとしても、何年も会ってないような友達のはもうこれで二度と交わる事がなくなってしまった、と言うような人も大勢居ると思う。電話だけでもいいから返してくれよ、とずっと祈っていたけど、まあ現在まで戻って来る事はない。これは痛手だった。



相当なショックだったけど、だけど、俺は大丈夫だった。それは俺がこの言葉を知っていたから。

「Happy Lost」

これは2006年か7年にイビサで世話になっている友達のバシーリに教わった言葉。

「大切なものを失くしたり、壊れてしまった時は、たしかにすごく悲しい気持ちになる。だけど、失くなってしまった事には必ず意味がある。何か他の大切なものの身代わりになってくれたのかもしれない。もしくは、それを手放して次のステップへ進むタイミングだったのかもしれない。だからいつまでも探し続けたり、何とか直そうと執着し過ぎてはいけないのだ。キリのいいところで諦めを付け、気持ちをフレッシュにして "新しい自分" が気に入るものを探しに行くこと。次の出会いにワクワクする気持ちに目を向ける。前を見よう。」
『太陽とハグするイビサ島ガイド』より俺の言葉だけど逆に引用:))


当時大切にしていたサングラスを壊してしまった時に直るはずもなさそうなそれをいつまでもうらめしそうに直そうとしている俺に言ってくれた言葉。そして、「RAHA、明日センターに新しいの一緒に買いに行こう!」って。その言葉を聞いていきなりスカッとした事は今でも覚えている。数年前にやはりイビサのアパートで今度は泥棒に入られて一部の大事な想い出のものを盗られた時もこの言葉が俺をすぐに救ってくれた。

きっと、そういう時だったんだろうなあ、と思えた。昼間口にしなかった事を口にしてたって事も自分の中でそれを確信化させてた。それで、もしこれでこの大切なポーチが盗られてなかったら、多分この後俺、楽しくて知らないうちに調子に乗ってて、帰り道にでも強盗かなにかにさらわれるかボコボコにされてるかのどっちかだったんだろうなあと真剣に思った。多分マジでそうなってたんだろうなあ、と半分確信している。命にすら関わるもっと最悪の事が起きるのを防いで俺の代わりにあいつはなくなったんだろうなあ、と思うのである。
俺は思い込みの激しい方だから本当にもうそう思ってるし、多分そうだろう。そう思うと、あのポーチには思い切り救ってもらった。ありがとうと心から言いたい。


そしてもう一つ。俺があそこでつまらん不注意をしていなければそこに来たヤツもふと盗ろうとなんて思わないで済んだかもしれない。どうあったってどうしようもないクズだったかもしれないけど、普通のヤツが目の前にちょうどあるもんだから急にふと悪い心が生まれてしまったのかもしれない。そうだとしたら要らん悪さをさせて悪かったな、とも思うのだ。そこに財布を置き放しにしてるヤツが居たから本当は泥棒なんてする気も持っていなかったヤツが思わず犯罪犯してしまった、って話しは普通に落ちてるからね。そっちの目だったとしたらそいつにも手汚させてしまって悪い事したな、と半ばもう悟りを開いた仙人みたいな事も思ったりするのである。




ともあれ俺の相棒は無くなってしまった。これはもう事実。その後の俺はBadと戦いながらも、言ってても仕方がないので残りのRhadooの時間をできる限り楽しんだ。そこに居てBadな気持ちを発散してたら周りはいい迷惑だからな。まあKingのおかげで最後はいい気分で終われてよかった。

気付くと3時半頃、RhadooからHelodotに代わった。いい潮時だった。なぜかって言うと、ここMamaiaからBucharestに戻る俺のバスが朝9時半ホテル発。だからこれぐらいにはボチボチ戻らないといけないのだった。
友達に事情を話してお金を借りる。なんとかこれでタクシー乗ってそこらでご飯も食べれる。
外に出ると、いい塩梅の月夜だった。ああ、ちきしょう、最後にやっちゃったなあ。大ボーンヘッドだったな、と大いに反省をしつつホテルへの岐路に着くのであった。


最後はともかく、それまでは今年は最高の一言だった。ありがとう、SUNWAVES!!





部屋帰って頭洗ってきれいになり落ち着く。疲れとあまりの眠さに気絶しそうになりながら耐えた。
packin'も終え、ギリギリだけどなんとか9:30のBusへ。だが、、、、。負の連鎖はここでも続いていた。俺の乗るべきバスがもう居ない。。そこに居るおじちゃんに聞いてみると、なんとBusが5分前に出てしまったと。これはひどい。フロントに確認したが本当だった。もう踏んだり蹴ったりになってきた。う~ん。聞くと、今年のバス会社は去年までのと違う新しい会社だとの事。とはいっても。。。まあ俺にも大きく原因はある。こんなギリギリに来てはホントはいけないのだ。荷物とかも乗せるからホントはもっと余裕持って集合しなくちゃいけない。それは書類に一文書いてはあった。でもそれにしても時間前の発車はそれはあり得ないだろw

居ねえじゃん、バス!!



結局次のバスが運良く定員割れになり(みんな起きれずに寝続けたようだw)それに乗車、事無きを得たが、これも一歩間違えたら本当に面倒な事になるところだった。
ともかくこれは全てに気を付けなくちゃいけませんよ警報が発令されているのは間違いがなかった。最後の前までは今回は最高と言えるSUNWAVESだった。この最後に来て、何かの理由で運気が180°変わっている。こういう時はこのバスのように、普段起こりえない事も平気で起きたりするなど色んな事が連鎖する。注意度100%。とにかく心から気を引き締め直して、Bucharestへ戻ろう。
滞在は延ばしたからあと1週間。そして3日後にはTemplumで2度目のDJがある。それまでに運気もきちっと正常に戻しておかなければならないし、しっかりと足元支え直していこう、と心に強く誓うのであった。

*ちなみに、この連鎖。この乗り込んだバスが出発したのはいいが、なんか調子が変だと言う事で他の乗客からのクレームもあり、このまま高速に乗るのは危険だと言う事で、発車20分後には停車、代わりのバスが駆けつけそれにみんな乗り換える、と言う顛末もあったと言う事を付け加えておかなくてはならない。

ともあれ、バスは一路Bucharestへ向けてGo! なんとか無事にBucharestへと到着しました。続きはここから!