E-NAUT 〜エレクトロニクスを乗りこなす、宇宙飛行士たち〜
前回は700人以上の動員を記録した、東京電子音楽xアートショーケース“E-NAUT”。今回は「トウキョウ・ミニマリズム」をテーマに、地下で蠢くアーティストたちを、海抜250mのマドラウンジで紹介します。ヘッドライナーとして、フランスからベルリンに拠点を移し、坂本龍一主宰のレーベルcommmonsからのアルバムリリースが決定したAOKI takamasa、田中フミヤ主宰のレーベルop.discよりアルバム“ditch weed”を発表したditch、そしてコーネリアスREMIXコンテストでインターネット+音楽の新しい表現方法を提示し高い評価を得たMerce Deathなどの出演が決定。未知の表現を探索するヴィジュアル・スタイリストたちとのコラボレーションによるオーディオ+ヴィジュアル・パフォーマンスを繰り広げます。そして、毎回異常なテンションにまで盛り上がるスモーキン・ラウンジでの、アンダーグラウンド・パーティ・ショーケースも充実のラインナップでお届けします。21時から来てください。サンライズまでいてください。あなたは、きっと、未知の音楽と出会う。そして、恋に落ちる。
TECHNO REBELS NOT DEAD.
(門井隆盛、サウンド・キュレーター)
■AOKI takamasa
1976年大阪府出身、現在はフランス・パリ在住。2001年初頭に自身にとってのファースト・アルバム「SILICOM」をリリースして以来、コンピューター/ソフトウェア・ベースの創作活動を中心としながら自らの方法論を常に冷静に見つめ続け、独自の音楽表現の領域を力強く押し拡げる気鋭のアーティスト。
主にコンピューター・ベースでの創作をメインとしながらも、彼が創り出す実にフィジカルで活き活きとした躍動感と有機的な透明感に溢れたサウンドは大きな驚きに値する。近年では自身のヴォーカルを全面に取り入れた作品やFat Cat RecordsよりリリースされたTujiko Norikoとのコラボレーション・アルバム、op.discでの4/4リズムを用いたミニマルトラックへのチャレンジ、英国BBCのラジオ・プログラム[One World]への楽曲提供(The Beatles 'i will'のカヴァー)、YCAMでのコンテンポラリー・ダンサー/映像作家との共同制作など、その活動のフィールドはさらなる拡張を見せているが、青木孝允自身の表現が持つ存在感は常に確固たるものであり寸分の揺らぎも感じさせない。様々な表現手法・様々なソフトウェア/ハードウェアを意欲的に試行し、CPUを極限までドライヴさせる一見過激とさえ思えるそのスタイルの中にはリズムとグルーヴ、つまり音楽という芸術表現の最も根源的な存在に対する敬意と探究心が脈々と流れ続けており、そのことこそが青木孝允という傑出した1人のアーティストが創り出す音楽をさらに魅力的なものにしていると言えるだろう。
彼自身がその創作活動と同様に不可分なものとして重きを置き精力的に展開しているそのライヴ・パフォーマンスは国内外でかねてから高い評価を得てきているが、そのクオリティと強度は年を追う毎にさらなる進化を続けている。いまやコンピューターをメインに用いてライヴ・パフォーマンスを行なうアーティストは数多いが、彼らの大半が単なるコンピューターの機能的な利便性のみに頼ったパフォーマンスに終始しているのと対照的に、青木孝允は「何故コンピューターを用いてパフォーマンスを行なうのか」「コンピューターだからこそ表現し得ることは何か」という事柄を冷静に見つめ続け、自らのライブパフォーマンスの中でそれらを実践し続けている。
http://www.aokitakamasa.com
text : Kohei Terazono
■ditch
本名コウノ・シンイチロウ。2001年以降、都内の各クラブでDJとしてミニマルハウス/テクノをプレイ。トラック制作をスタートさせてまだ間もない2006年、Cabanne主宰のレーベルMinibar(FR)から [Kimidori EP] でデビュー。トラックメイカーとしてのキャリアの浅さは全く感じさせないミニマルで豊かなグルーヴ、柔らかなテクスチャーはリリース後瞬く間に多くのDJから注視を集めた。以後Microcosm(US)、Goosehound(US)、Safari Electronique(UK)、Kalimari(CA)といったレーベル群から目覚ましいリリース群を重ねる。2007年8月にはop.disc(JP) から1stアルバム「ditch weed」をリリース。
その自由な発想、ユニークで鮮やかなサウンドには今後のさらなる飛躍を予感させる。
myspace.com/ditchshin
■TAKAMORI K.
DJ&音楽評論家。現在は六本木ヒルズ52FのマドラウンジでのE-NAUTを中心に、YELLOW、UNITなどで活動中。さらに甲府のJUJUで「utopia」、岐阜のUluluで「Naked Train」をレギュラー開催している。2006年〜2007年にはジェフ・ミルズ、DJ Krush、ケンイシイとも共演、全国5都市のツアーも成功を収めた。07年春より音楽配信サービスNapsterにアーティストプレイリストが掲載されている。その卓越した審美眼には定評・実績がある。また数多くの新しい音楽を日本に紹介しており、音楽レーベルW+K東京LABの立ち上げに参加、HIFANA、高木正勝をリコメンド。07年には沖野修也にデトロイトのアーティストDivinitiとPirahnaheadを紹介+ブッキング。沖野氏のソロアルバム「United Legends」にDivinitiが参加し、楽曲”Shine”がiTUNES Music Storeのチャートで2週連続一位を飾った。音楽評論家・門井隆盛としてはミュージックマガジン「年間ベストディスク(ハウス・テクノ部門)」のセレクターをつとめている。さらに、NYハウスのドキュメンタリー映画「MAESTRO」、ジェフ・ミルズのDVD「BLUE POTENTIAL」、メル・シェレン著「パラダイス・ガラージの時代(下巻)」の字幕監修・翻訳を行うなど、その活動は多岐に渡る。
http://http://www.napster.jp/music/playlist/library/100001825.html
■Merce Death
2002年から東京都内を中心に活動をしている未来派ギター・サンプリング・ インプロヴィゼーション・ソロ・ユニット。ギターとループマシンを操り、即興で作り上げる音楽はジャンルを特定する事ができない、が、彼が好きなポストロックや、エレクトロニカ、70sロック、ファンク、AOR、若干のプログレ的な要素と、さらに微量のメタル的な要素を感じ取る事ができる、はず。2007年サンレコ主催のコーネリアスミュージックビデオコンテストにて、Google MapやYouTubeを使ったリミックスwebコンテンツを制作し、優勝。2008年頭にはオンラインカルチャーマガジンShiftのカバーアーティストに。また、現在『Merce Death World Tour from My Room』という、オンラインワールドツアーを敢行中。マドラウンジでの演奏にて、ワールドツアーはファイナルを迎える。下記サイトにて演奏の様子をおさめたYouTube動画を多数見る事ができる。
http://www.mercedeath.com
■TOMOMI(is-ness)
7月17日[ノアの箱舟がトルコのアララト山に漂着した日、つまり人類の始まりの日]
生まれ。かに座。
http://www.is-ness.com
■dextrax(dxtx-music)
東京・西荻窪〜吉祥寺在住のトラックメイカー/DJ2名と、金沢在住のマッドエンジニアから成る海賊トラックスチーム、酔いどれのグルーヴ探検隊。レーベルdxtx-music主宰。2000年、東京在住のkei of dextrax(DJ/beat make)、ryo of dextrax(DJ/beat make)、金沢在住のDr.KK(beat make/mad engineering)が、金沢のグルーヴマフィア"MR.CB"を介して出会い結成、活動開始。初期には東京のテクノ・クラブを中心にライヴを行いsuburban knight、dave tarridaなどと共演。その後、日本産ゲットー・ハウス・コンピレーション盤『Ghetto Beat Pushers』への楽曲提供などを経て、2007年に主宰レーベル『dxtx music』を設立。現在、junodownload、wasabeatなどのサイトで〈黒太ワークなトラックス/エディット〉作品を配信中。
■no*mad (SEXSEXSEX)
聴く者の五感と脊髄に作用するno*madの生み出す空間は実に多くの発見に満ち溢れている。研ぎ澄まされた閉塞感のなかに躍動感を、重厚な狂気のなかに 恍惚を、硬質でありながら柔らかい相反する繊細な世界観。そこへ自身のトラックを織り交ぜ矢継ぎ早に紡いでいく卓越したDJプレイはまさに必聴の一言である。 (Photo by http://http://www.6co.fr/)
■MASATO TSUTSUI
アートマネジメントカンパニー「Dance and Media Japan」においてソフトウェア「Max/MSP/Jitter」のワークショップ講師として所属。その後、六本木のオルタナティブイベントスペース「Super Deluxe」に技術スタッフとして勤務中。VJとしての活動の他、上記ソフトウェアを使用した映像演出・空間演出、PVの制作など手がける。2004年以降、毎年世界各地でワークショップ、パフォーマンスなど行っている。VJとしての活動コンセプトは、「HDVJ」。リアルタイムに生成されるその高解像度は、フルHD(1920×1080)はもちろん、フィルムサイズにまで拡張することが可能。テクノロジーの恩恵を最大限に利用する先駆的なアプローチで、映像表現が不変とするものの良さを追求。
■SHANE LESTER (W+K東京LAB)
シェーン・レスターはグラフィック、モーション・メディア、そしてインタラクティブのデザイナー。太陽に満ちあふれたカリフォルニア州オレンジカウンティー出身のポスト80‘s世代で、超一流のブリトー・ジャンキー、ビデオゲームおたく、コンピューターミュージシャンたちに囲まれて育つ。いつしか敬虔なハイテク信者となり、若くして難解なフラッシュアニメや多様なデジタルメディアを使った実験に熱中し始めた。
■onnacodomo
ミュージシャンのDJ Codomo,アニメーション作家のせきやすこ、
イラストレーターの野口路加の3人による異色のVJユニット。
コンピューターグラフィックスや、録画素材をいっさい使用せず、
ビデオカメラの下で、水、キッチン用品、文房具、おもちゃ、印刷物
など、日常にある様々なものを用い、リアルタイムに色鮮やかな映
像をつくり出すライブパフォーマンスを展開中。
http://http://www.myspace.com/onnacodomo
■COTTON
COTTONは、エリカ ドルン(http://www.erica-dorn.com)とマレック オコン(http://www.marekokon.com)の二人組。東京の音楽レーベルに勤務中に知り合った二人だが、一日12時間にもわたる勤務をこなしながら、二人のビジュアルにおける実験的な試みに対するあくなき情熱と、大都会のエネルギッシュなグラブカルチャーに対する愛着とを組み合わせるためにVJをスタートした。仕事としてのデザインワークにとどまらず、二人の活動範囲はイラストレーション、モーショングラフィック、写真などにも広がっている。現在は東京とロンドンを往復。
http://www.markokon.com
- DATE:
- 2008-07-05 SAT
- OPEN:
- 21:00
- VENUE:
- TOKYO CITY VIEW
- PRICE:
- ¥3500
- LINE UP:
- [VJ]Visual:Masato Tsutsui,Shane Lester,onnacodomo,Cotton,[LIVE]AOKI takamasa(op.disc/commmons/cirque/fatcat/PROGRESSIVE FOrM),ditch(op.disc),Shuta Hasunuma(HEADZ / PROGRESSIVE FOrM),Takamori K.(utopia),Merce Death,Dex Trax(dxtx-music),Takashi(down low),KJ aka DJ PATROL(CIE),Tomomi(is-ness),no*mad(SEXSEXSEX),

