ジャズ・ロックからアコースティックまで、ギターの可能性を広げたスーパー・ギタリストが話題の新作を携えてオルガン・トリオで登場
ギターの可能性を広げ続けるカリスマ・プレイヤー、ラリー・コリエル。ニュー・アルバム『Impressions』も話題の彼が、新ユニットで登場する。1967年、ゲイリー・バートンのグループに参加。ジャズとロックを融合した大胆不敵なプレイで、ジョン・マクラフリンと影響力を二分した。今回、コリエルと共演するのは、気鋭オルガン奏者ジョー・バッグと、ドラムスの名手アルフォンス・ムゾーン。ウェザー・リポートの初代メンバーでもあるムゾーンは、'70年代にコリエルと双頭バンドを組んだことがあり、このステージは待望の再会となる。超絶技巧が生み出す白熱のグルーヴに、すべての音楽ファンがノックアウトされるに違いない。
●ラリー・コリエルは、1943年4月2日、テキサス州ガルベストン生まれ。独学でギターを修得し15歳でプロ入り。'60年代中盤にニューヨークに出て、自己のグループ"フリー・スピリッツ"を結成。チコ・ハミルトンやボブ・モーゼスのバンドにも加わり、ロックとジャズの融合をはかるユニークな演奏を展開。ゲイリー・バートンとハービー・マンのバンドで頭角を現した。すると、'69年にNYにやってきたばかりのジョン・マクラフリンと意気投合し、ふたりを軸にした『スペイセズ』を録音。ジャズとロックの間に橋を架けるクロスオーヴァーのイニシアティヴとして、大きな反響を巻き起こした。'70年代は、その路線を押し進める"イレヴンス・ハウス"を結成して、"ウェザー・リポート"や"リターン・トゥ・フォーエヴァー"と並ぶプレゼンスを確立。その間は、バンド・メンバーに日野皓正を擁したことがある。その一方、70年代後半からアコースティック・ギターによるソロやデュオにも熱を上げ、『Standing Ovation』や『European Impressions』などのソロ・アルバムを発表。これを機に、エレクトリックとアコースティックを両輪にした多彩な活動を繰り広げていく。'80年代は、ラヴェルの〈ボレロ〉やストラヴィンスキーの〈火の鳥〉をギター・ソロで録音。'84年は、クラシックの山下和仁や渡辺香津美と日本で共演し、『ギター・オデッセイ~四季』を発表。さらに、'80年代中盤になるとストレートアヘッドなスタイルのアルバムを何枚も制作。円熟したプレイでギター・シーンの一翼を担ってきた。'89年にブルーノート東京に初出演。'92年にはブラジル音楽にも取り組み、創作の間口を広げた。'97年に『スペイセズ』を振り返った力作『Spaces Revisited』を発表。次にふたりの息子さんとの『The Coryells』をリリース。マーク・イーガンとポール・ワーティコとのトリオでは、'02年に『Tricycles』を録音。以来、不定期ながらクラブ・ギグを軸にしたトリオ演奏で注目を浴びてきた。'06年の『トラフィック』(ユニバーサル・ミュージック)に続く最新作は、本公演と同じオルガン・トリオによる『Impressions: The New York Sessions』(Chesky/海外盤)。来日するのは'07年6月の当店公演以来約1年ぶり。オフィシャル・サイトは「http://www.larrycoryell.net/」。
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