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CHAOS feat. Sammy Dee

田中フミヤによるCHAOSが遂にUNITで初開催!!ミニマル・シーンの老舗レーベルPerlonからHalf HawaiiやPantytec名義でも活躍するSammy Deeが、CHAOSに2回目の登場。さらに、今年11月に始動した新レーベルSundanceから、田中フミヤ名義としては実に7年ぶりとなる3rdアルバム「Unknown 3」をリリース。CHAOSを含めた全国13都市を巡るリリース・ツアーも終盤に迫り、久々となる東京でのプレイに期待が高まる。



●Fumiya Tanaka

自らのセルフレーベルであるTOREMA RECORDS、半野喜弘と共同で主宰するop.disc、そして東京・大阪で10年以上に渡りオーガナイズしているレギュラーパーティ'CHAOS'を活動の基盤とし、独創的な音楽表現の拡張を実践し続けるテクノDJ/アーティスト。とりわけミニマルな指向を持ったテクノを媒体としながら、サウンドそのものから導かれる自発的な空気と濃密なグルーヴの厚みを生み出すそのプレイスタイルはキャリア15年以上を経た現在もなお傑出した存在感を示す。2007年にリリースされたDVD作品"via"ではフィジカルな反射と途切れることの無い明確な思考の結実としての音楽を自らのコメンタリーも交えた画期的なパッケージで提示してみせた。op.discでは半野喜弘 aka RADIQとのユニットDARTRIIXとしても意欲的なリリースを展開中。2008年11月に新レーベルSundanceを始動し7年ぶりとなる3rdアルバム"Unknown 3"をリリース。

FumiyaTanaka.com



●Sammy Dee (Pantytec/Half Hawaii, Perlon)

ベルリン出身、ベルリン育ち。Zipと共にGet Perlonized @ Panorama Barのレジデントを長く務めながら、名門レーベルPERLONを取り仕切る辣腕DJ/プロデューサー。DJとしてのキャリアは非常に長く、80年代後半にDJを始め、やがてベルリンのパーティ・シーンが激動していく90年代前半にはTresorやE-Werk、Ostgutといったクラブでレジデントを務めるようになる。1997年にオッフェンバッハのPeak ClubでZipことThomas Franzmannに出会いすぐに意気投合した彼らは、翌1998年にはZipの旧友Markus Nikolaiやグラフィック・アーティストのChris Rehberger (DOUBLE STANDARDS)らと共にPERLONを立ち上げる。同時にZipとの共同プロジェクトPANTYTECとしての制作もスタート。以降Ricardo VillalobosやDandy Jack、Thomas Melchiorといったアーティスト達の優れた作品群をリリースし、Rehbergerによる統一された秀逸なアートワークやごく家族的なムードを保ちながらレーベル設立10年を経た現在でも比類のない存在感を放ち続けている。プロデューサーとしては自身のソロ名義やZipとのプロジェクトPANTYTEC以外にもHeiko LauxやGuido Schneiderなど他アーティストとのコラボレーションに対し積極的に取り組み、2007年以降はBruno PronsatoとのプロジェクトHALF HAWAIIでの制作に集中している模様。比較的ストレートなハウスグルーヴ的趣向を持つSammyの音をBrunoが加工や変調を施しながら作り上げて行くミニマルトラック群は実に独特で、悪辣なムードと奇妙な刺激に満ちている。HALF HAWAIIとしてのファースト・アルバムもすでに完成済みで、Hello? Repeatからまもなくリリースされる見込み。ベルリンのパーティ・シーンを現場の視点で長年見つめ続けてきたSammyのDJはまさに筋金入りのものと言っていい。選曲・音域の組み合わせ、ミックスの配分などを状況に合わせて巧みに構成しながらフロアーのムードを自在に操っていくそのDJセットは圧巻。昨年のCHAOSにおける来日に続き、ほぼ1年ぶりの再来日。



○Release Info

Fumiya Tanaka「Unknown 3」(11.8 on sale)

田中フミヤ名義としては2001年の「Unknown Possibility vol.2」以来、実に7年振りとなるニュー・アルバムはTOREMA / op.discに続いてかれが立ち上げた新レーベルSundanceからのリリース。DJとレーベル運営、パーティ「CHAOS」を密接に繋ぎ合わせた活動を展開する一方、半野喜弘 aka RADIQとのユニット'DARTRIIX'をはじめ、今後SundanceからVinylでのリリースが予定されているRicardo VillalobosやBruno Pronsatoといった海外アーティスト達との共作など他アーティストとも柔軟かつ意欲的な活動を繰り広げるなど、近年そのDJ/プロデュース両面での活動がさらに濃密さを増している田中フミヤ。久々のソロ名義、しかもアルバム形態でのリリースとなる本作にはその充実した活動から得たフィードバックがいっぱいに詰め込まれている。

[Unknown 3]と題されたこのアルバムに収められた8つのトラックはすべて田中フミヤの2008年現段階でのDJスタイルとダイレクトに繋がるミニマルなクラブ・とラック。入念に形作られた低域のグルーヴを土台に様々なアイデアを随所に散りばめた、とびきり質の高いミニマル・トラックが並んでいる。Tr.2[VVV]には旧友でもあるディジェリドゥ奏者のGoma、Tr.7[fur Elodie]には半野喜弘やハナレグミ、エゴ・ラッピンなどの作品への参加でも知られるピアニスト/アレンジャーの中島ノブユキが参加。ディジェリドゥやピアノといった楽器の演奏をフレーズ然としてトラックに載せるというよりは、それらに田中フミヤ自身が繊細なエディットを加えることによって演奏という行為そのものを抽象化してミニマルなトラック構造の中で有機的に溶け込ませているあたりに、固定規範化された音楽形態をするりとかわしながらその根本から考え直そうとする田中フミヤの鋭い感性が光る。

低域から立ち上がって中低域に繋がり、さらにそこから中高域~高域までダイナミックに広がって行くグルーヴの素晴らしい立体感、巧妙かる奥行き感に満ちた音色の配置などもこのアルバムの特筆すべき点で、クラブ・トラックとしての際立った機能性以外にも、ホール・リスニングなど幅広い環境でも興味深い発見や楽しみ方が見つかるはず。世界でも最も濃密なDJ活動を繰り広げるアーティストの一人が作り上げた、パーソナルで端々しい魅力に溢れたアルバム。