DJ Grandmaster Flashと彼のグループであるFurious Five は現在においてもなお、ヒップホップ界の伝説のイノヴェーターとして人々の心に刻まれ、パーティミュージックとしてのヒップホップの可能性を無限に高めた張本人である。人類はこの才能を約50年前のバルバドス島にて神から授かった。ブロンクスに移り、10代の頃からブロックパーティやダンスエリアでパファーマンスをするようになり、今ではごく普通となった、ターンテーブリストとしての画期的なテクニック、"cutting"(ビートにあわせトラック間を行き来すること)、"back-spinning"(手動でレコードをもどし、トラックを断片的にリピート再生すること) "phasing"(ターンテーブルのピッチを変えること)を発明した。簡単にいえば、現在DJが行っているごく普通のことはすべて、彼が生み出したテクニックなのである。その後、 Kurtis Blow、Melle Mel(Melvin Glover), Cowboy(Keith Wiggins),Kid Creole(Nathaniel Glover), Mr. Ness aka Scorpio(Eddie Morris),Rahiem(Guy Williams)等のラッパー達とコラボし、Flash のDJとしてのテクニックだけではなく、リリックの質の高さとトラックへの絶妙なブレンドが、即座にニューヨーク中の噂となっていった。 Sugarhill Gangのスマッシュヒット「Rapper's Delight」を受けて、デビュー作「Superappin」をレコーディング。その後、レーベルSugar Hillでのデビューとなった「Freedom」はナショナルチャートを駆け上り、その後も立て続けに「Birthday Party」や「TheAdventures of Grandmaster Flash on the Wheels of Steel」などをリリースしていく。1982年発表の 『The Message』では本領を存分に発揮し、ヒップホップをただの言葉の遊びから、痛烈に社会的メッセージを伝える手段としての音楽に昇華させた。初期のパートナーであるラッパーの Melle Melの激しいラップはゲットーの厳しいリアリティを伝え、大きな話題をよび、ラップがただの音楽という領域さえ超えることができた瞬間だった。コカイン問題についての曲「White Lines」以降、FlashとMelle Melは袂を分かち、80年代中頃からFlashはソロ作品を立て続けにリリースしたが、'88年にはマジソンスクウェアガーデンでのチャリティコンサートの為にグループを再結成し、『On the Strength』をレコーディングした。'94年に再度グループとしてRun DMCらとツアーをすると、翌年、デュランデュランの「White Lines」のカバートラックにMelle Melとゲスト参加するなど話題をよんだ。 21世紀をむかえてからも、ミックスアルバムを精力的にリリースし、昨年はFUJI ロックフェスティバルにも出演し、多くのファンを魅了した。and more cast!!
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