■Thomas Melchior. Melchior Productions (Cadenza / Perlon / Playhouse)
Thomas Melchiorはドイツで生まれ、アメリカ、スペイン、そしてイギリスと世界各地を渡り歩いてきた。彼は作曲家とボーカリスト、そしてキーボーディストとして音楽キャリアをスタートさせ、ジャズ、ファンクの5ピースバンドBlipvert Bigtopを結成し、その後エレクトロニクスとファンク、ソウルやジャズを実験的に融合させた新しいプロジェクトOhmをスタートさせる。Ohmは瞬く間にAfrica BambaataやGille Petersonらの注目を浴び、Heady Volt Experience EPは後に出現するトリップホップシーンに多大な影響を与えるようになる。ちなみにこのEPはMo WaxのJames Lavelleにして自身の青写真とまで言わしめた。そしてソフトウェアDTMの到来と共に、Peter "Baby"Ford、Mark Moore、Big Audio Dynamite、Carl Craig等のアーティストと繋がりそして素晴らしく洗練されたエレクトロニカを制作する事となる。1992年にはTim Huttonと出会いVulva/Yoniとして後に伝説となるアルバムFrom The CockpitをAphex TwinのRichard JamesのレーベルRephlexからリリースし、Armando、Aphex Twin、Black Dog (Plaid)、Autechre、Global Communication、Orbitalなどと共演し素晴らしい脚光を浴びる。年が重なるにつれThomasの音楽的趣向はミニマルでディープなスタイルのハウスミュージックに移行していき、Lady Miss Kier(Deeelite)のバンドメンバーとしてアメリカツアーを敢行したのち、ニューヨークに移住し、そして1997年にロンドンに戻り、Deepah、Sunpeople、Soul Capsule、Ifach Collective、M-core等、様々の別名でのリリースを行い、Peter "Baby"Fordと共にミニマルハウスのパイオニアとしてその名前を定着していく。そして2000年には、ロンドンスピードガレージから影響を受けたもっとパーソナルでディープ、ヒプノティックかつセクシーなマイクロハウスを自身のレーベルAspect Musicから発表し、そのサウンドはDaniel Bell、Luke Solomon、Ricardo Villalobos、Akufen、Richie Hawtin等のプロデューサー・DJたちからカルト的な支持を獲得する。そしてその楽曲はドイツの二大レーベルPerlonとPlayhouse、そしてLucianoが主宰を務めるスイスのCadenzaからもリリースされるようになる。現在もThomasは20年以上という長いキャリアを維持するために、軽薄なトレンドを避けアンダーグラウンドに徹しながら最先端の音楽を作り続けている。
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