■Bodycode aka Portable (Spectral Sound, Sud Electronic, Perlon):南アフリカ・ケープタウン出身。本名Alan Abrahams(現在ベルリン在住)はディープミニマルテクノ、エクスペリメンタルテクノなど当時斬新なスタイルでクラブシーンの一角を担っていた Background、~scapeからPortable名義でのアルバムリリースで、その巧みなトライバルリズムとモダンマイクロハウスの融合でヨーロッパクラブシーンの普遍的な評価を大きく得る。2002年、同じ南アフリカ・ヨハネスブルグ出身のLerato Khathiと共にSud Electronicを設立。現在世界中で活躍を見せるAkiko Kiyama(op.disc,context error)やKai(Alphahouse)などがリリースし、当時から日本人アーティストにも注目を注いでいくなど精力的に彼の思う音楽を探求し続けた。そして2006年にSpectral Soundから発売された彼のもう一つのプロジェクト、Bodycodeとしての初のアルバム "The Conservation of Electric Charge" では、彼の強い音楽的心身相関への信念からPortable名義とは違い、よりダンスフロア向けの局面に焦点をあてた力強いアルバムをリリースした。 Bodycodeの作りだす高揚感のあるパーカッションのアレンジメントと繊細な旋律の装飾、揺るぐ事の無いダンスビートは常に刺激を求めるクラウド達を魅了し着実にクラブシーンへと浸透していった。今年6月にSpectral Soundから新しく発売となるジャッキングシングル "What Did You Say?"では共にレーベルオーナーであるLeratoがヴォーカルで参加、さらにシングルからフィーチャーされたヴォーカルを織り交ぜた壮大かつ複雑なハウストラックのフルアルバム "Immune" を続けてリリースと彼の新たな追求は留まる事なく続いていく。また昨年に遂に念願であったPerlonからPortable名義での「Knowone Can Take Away」のリリースも記憶に新しい。ニューアルバムのリリース直後となる今回のライブセットはタイムリーなBodycodeが感じる音楽をリアルに体験する事となる。
■Kate Iwanowicz
ピッツバーグ大学で人類学、副専攻で音楽を学びながらガムラン合奏団に参加するなど彼女の飽くなき音楽への興味はバイオリンを弾き始めた幼い頃に始まり、ピアノ、ギターなどを経て現在のサンプル技法が主体となる電子機器に至る経緯を持つ。地元となるピッツバーグでクラブのレジデント DJとしてキャリアをスタートし、現在のスタイルのベースとなるディープなミニマルハウス、テクノをかけ続けるうちに徐々に数多くのパーティーでDJとして活躍、そして自身の大きな変化が訪れる2001年夏、フィラデルフィアに移ることを決心する。移転後、Pitchsporkというマンスリーパーティー(Magda、Matthew Dear、Sammy Dee、Geoff White、Jeff Milliganなどを招聘)をオーガナイズ、さらにsomeone elseと共にレーベルfoundsoundを立ち上げ、2004年5月、"Rip It Cookie Muenster" (foundsound01) で遂にトラックメーカーとしてのデビューを果たした。以来、foundsound、Microcosm、Alphahouse、Roman-Photo、 Karloff、Einmaleinsなどから数々のレーベルからヒットを飛ばし、瞬く間に各国のDJ、プロデューサーに彼女の名を轟かした。また自身のレーベルのfoundsoundからリリースされている他のアーティストの曲の中には彼女の歌声がヴォイスサンプルで使用されていて、DJ、プロデューサーのみならず彼女の多才な才能が垣間見れる。湾曲の様な彼女独特の怪しげなハウスグルーヴにエッジを効かせたタイトかつシャープなミニマルビート、予期せぬサンプルサウンドを巧みに操るライブセット。ミニマルハウスという単純なジャンルのくくりでは表現し得ない彼女唯一のダンスミュージック、今回が初来日、初披露となる。
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