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mint condition

今回、シカゴハウスを愛するSOLID TOKYOの2人をフィーチャして、いざこうして文章を書こうと思った時にそういえば自分の初めて買ったヴァイナルはKaskadeだったなと思い出しました。僕がDJを始めた2004年くらいに活躍していたKaskade。ここあたりからシカゴハウス第2〜3世代の大御所も次々メジャー化していった中で甘いヴォーカルハウスのトラックが溢れていったように今思います。当時は、今でいう美メロハウスは好きだったのですが個人的ブームも終わり残ったものは、偏った先入観でした。例えばシカゴハウスを象徴するOM RECORDなどのレーベルは当時の印象から避けていました。

ただ、仕事でたまたま行ったSOLID TOKYOでその偏った先入観が払拭されたのを覚えてます。

その時、DJをしていたのが今回のフィーチャーするKai Ishikawaさん。彼のDJでシカゴハウスのリアルな側面を見ることができました。一概にどうとは言えませんが、小手先のテクニックでも真似の出来ない不規則さの中に心地よさをはらんだファンキーなグルーヴ。そして音に没頭すると下を向きがちですが没頭しても顔を上げて踊れるパーティ性。弾むベースは国や土地のイメージは描きたたせつつも土着的過ぎずフロアにいる人に平等感を与えます。

こうして、後にMEGUMILKさんのDJを見るのですが、今日のGIRLS DJブームの中では少数派な気がする現場から叩き上げられてきたタイプの印象を持ちました。一定のカテゴリーには居続けずとも丁寧なミックスでグルーヴを壊すことなく、少しずつ蓄積していき体が徐々に敏感になって来るのを感じます。彼女のピアノ講師という音楽の専門的知識と場数がなせるプレイだと思います。

クラブミュージックの源流を辿っていけば、そのほとんどはシカゴハウスに辿り着くのではないでしょうか。それを考えると、この2人のプレイはクラブミュージックのルーツを感じ取れる夜になるのでは?と楽しみにしています。個人的にはMarshall JeffersonのMove your bodyが流れたら両手をあげちゃいます。そしてヒューヒュー言います。みささんもヒューヒュー一緒に言いましょう。 text : yanma



■MEGUMILK

(SOLID TOKYO / HotHouse TOKYO)

2002年にDJをスタート。bullet'sやbonoboで開催されていたパーティーでレギュラーDJを務める。ハウスミュージックを中心としたブログ'HOUSE OFMEGUMILK'を2007年に開設。現在はピアノ講師、映画やウェブシネマ、CMなどの音楽制作、渋谷LaFabrique最長レギュラーハウスイベント、『SOLIDTOKYO』のレジデントDJとして活動している。'08年活躍する女性DJとして、雑誌'DJ 100 Girls 2008LimitedEdition'に掲載される。ハウスを中心に時にはジャンルの垣根をいとも簡単に飛び越える自由な選曲は正に『音楽的』。ハウスの聖地、シカゴの重鎮DJ Heatherから絶大なる信頼を受けるその笑顔は一見の価値あり。



■DJ Kai Ishikawa

(SOLID TOKYO / HotHouse TOKYO)

東京をベースに活動するハウスDJ、オーガナイザー。ネットラジオHotHouse TOKYOでは木曜日のDJ、MCを務める。La Fabrique最長レギュラーパーティーであるSOLIDの5年に亘るオーガナイズの中で、世界中よりトップクラスのDJ達を次々に日本初招聘し、東京のクラブシーンに紹介すると共にグローバルなネットワークを築く。ここ数年は国外での活動も精力的に行い、'05年より四年連続でマイアミにて開催されるダンスミュージックの祭典、WMC及びM3に出演している。USシーンを中心に世界中から洗練されたパーティーミュージックを紹介していくことをコンセプトとし、シカゴから産まれたハウスミュージックの影響下にある、新たなダンスミュージックを日々探し続けている。