[ The Cubes ワンマンライブに寄せて ]
ベイエリア在住 音楽ライター・牛山丑蔵
2010年4月2日、秘密裏に進められていたThe Cubesワンマンライブがようやく代官山で決行されるらしい。あらゆるクラブサウンドを包括した総勢13人+αのBIGBAND地下組織がついに本気を出すそうである。昨年の結成から注目し続けてきたqbsが様々なゲストを招いて総力戦を展開するという報を聞き、私は正直期待せずにはいられない。正に多面体と呼ばれるに相応しい形態である。
DJ、ダンサー、ラッパー、シンガー、といった異なるファクターを全て押し込めて作り出す彼らの音楽は、他に類をみない独自性と圧倒的なパフォーマンスで一瞬にしてフロアを興奮の坩堝と化してしまうだろう。
「プレイヤーサンプリング式ユニット」としてスタートしたThe Cubesはそもそも「本来的一罪」の様な判断を下されるよりも、個体が掛け合わされる可能性を堪能すべきなのである。彼ら自身が「群像音楽」と称するように、このユニットは一個体ではなく、あくまで集合体として機能する。瞬間のあらゆる側面を感じ取り、個別の力が作用しながら一つのサウンドとして積み上がっていく様を観客全員に是非味わって頂きたい。統率されずに絶妙なバランスで屹立して生みだされる音楽こそがqbs最大の魅力なのだから。今回のワンマンライブではそんなThe Cubesの真骨頂が観られる事を期待している。
2010.03.09 牛山丑蔵 記
EVENTS