みなさまは覚えていますでしょうか、チリでこれほど大きな地震が起きたのは初めてのことではありません。いまから約50年前、1960年5月にマグニチュード9.5の巨大地震が起きました。歴史上観測された最大規模の地震でした。
その地震はあまりにも強く、22時間後その振動で日本に6メートルの津波がぶつかり142名の方々が亡くなりました。当時のチリの直接的な犠牲者も1743名で国全土が壊滅状態になりました。復興するにあたって、若者から老人まで、みな自分のことよりも隣人のサポートに専念し「団結」して乗り越えました。そのときの若者が今回、年配者として二回目の大地震を経験したのです。
地震災害を比べるのは罰当たりな気がしますが、2010年のチリ地震でさまざまなことを感じたので書いてみたいと思います。
今回のマグニチュード8.8のチリ大地震も約800人の犠牲者、200万人以上の被災者、2.7兆円の公共被害を与えました。チリという国は今年1月17日に南米初のOECD加盟国になり、「先進国」の仲間入りをするぐらい、80年代から急成長をしたのですが、国というのは物資を持てば持つほど、失うものも大きくなってきます。50年前にはなかったチリ南北にしかれたアスファルトの国際道路、高層ビル、細長い地形に並ぶリゾート地などが、ドミノ倒しのように崩れていってしまいました。
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