[L.B.S]
ロラン・ガルニエ最新アルバム、「Tales of Kleptomaniac」ライヴツアーを終え、たどり着いた 新たなるコンセプトがこのL.B.Sである。
L.B.Sは Live Booth SessionやLoud Bass & Samplesを意味し、
そして、ステージを構成するアーティストの頭文字、Laurent , Ben , Scan Xでもあるのだ。
『18ヶ月に及ぶライヴツアーの中で、DJをするときにしかえられなかったような 楽しみを得ることが可能なのだということがわかったんだ。
ツアーを進めるう ちに、僕たちは非常にオープンなスタイルのパフォーマンスをデベロップして いった。
双方向的で、即興的、そして自分たちの表現 力を最大限に発揮していく…。
それらはDJをするときにしかできないと思っていたんだ。ライヴで大きなフェスティバルばかりで演奏していくうちに、
押さえきれないほど、ルーツに (クラブとレコード)戻りたくなった。
だけど、自分ひとりでターンテーブルの間でプレイするのには抵抗があった。
自分の曲いがいにも他の人の曲をプレイできないものか、別の曲を組み合わせて一曲にしてしまうのはどうだろう…。
20年以上のDJ キャリアの後、僕はさらに先に進む必要があったのだ。
今、DJたちをみると退屈しているかにさえ見える。L.B.Sのアイデアがでてきたのは ごく自然なことなんだ。
自分の作品の新たな1ページにするだけではなく、クラブにきている人たちにまた新しく、
これまでと違うエクペリエンス を与えることができたら、と思っている』。
世界中のベストクラブで、L.B.SはDJセットにみられる多様性と柔軟性をライヴ 演奏の表現力と融和させる。
二つのターンテーブルと、フェンダーローズやそ の他キーボードやその他の機材を用いた、
有機的な4時間セットはダンスフロア をきっちりとロックする。
『DJとライヴのフィーリングを行き来するような何かを創りたいと思っている。
但し、フェスティバルよりはもっとお客さんに近づきたい。 L.B.Sではクラウドに未来のライヴスタイルを
魅せていくつもりだ。ダンスフロアは正直だからね。
ベンジャミンとスキャンXと3人で、次の ツアーの楽曲や、リリース前のトラッ クなどを演奏するつもりなので期待してほしい』。
●Laurent Garnier
アシッドハウスがヨーロッパを席巻した1987年に伝説のクラブ、マンチェスターの"ハシエンダ"でキャリアをスタート。以来20数年以上に渡り、エレクトロニック・ミュージックのシーンで常に重要な役割を担い、現在では世界3大DJの一人とも称される。長期にわたりレジデントパーティを行っているパリのREXクラブでは、彼がプレイする夜に長蛇の列ができるのはもはや日常的なこと。。
ロランはデトロイト・テクノの巨匠からも、ラジオやDJセットで獲得してきた若いファン達からも、同様にリスペクトされる数少ない伝説のDJであるといえる。DJとしての輝かしいキャリアとは別に、これまで彼はプロデューサーとしてもその才能の奥深さを証明し、フレンチ・ハウス、テクノの第一人者として、1994年にファースト・アルバム『Shot in the Dark』をリリース。
続いてリリースしたセカンド・アルバム『30』では一つのターニング・ポイントを向かえ、これを機に多忙なDJとしてのスケジュールを減らし、自身の音楽制作に集中するようになる。'98年にパリで初めて開催されたテクノ・パレードでは実に10万人が集ったメインステージで、後世に語り継がれる伝説のセットを披露。
2000年にリリースした3rdアルバム『Unreasonable Behavior』ではさらに成熟したサウンドで、これまでよりも更に幅の広い音楽性を打ち出すことに成功、シングル『The Man withThe Red face』は2000年度のベスト・シングルにも選出される。
耳の障害による一時休業という、最悪の時期を乗り越え、カムバックとなった2001年のエレクトラグライド以降 日本全国を回って、自分の音楽を通じて、日本のダンス・ミュージックシーンの育成に尽力したい、という本人の強い希望により
毎年行っていたジャパンツアーでは、日本全国を廻って自分の音楽を通じて、日本のダンス・ミュージックシーンの育成に尽力したいという本人の強い希望により、比較的小さなクラブを中心に出演し、彼がこの20数年間において培って来た集大成を日本のファンに細かに伝え、各地で成功をおさめる。2005年にはアルバム『The cloud making machine』がリリース。ダンスをまったく意識しないシネマティックな大作を仕上げ、同年のフジロックフェスティバルへ出演も果たす。
2006年の来日では、常に開拓者としてのスピリットを忘れない彼らしく、WOMBでDJ MARKYと、ドラムンベースセットでのバトルも披露し、ファンの度肝を抜いたのは記憶に新しい。
2007年にはJazzミュージシャンを引き連れ、ニューリリースされたアルバム"Public Outburst"を引っ提げ国内初のライヴツアーを行う。Techno、Drum n'Bass、ElectronicそしてJazzの融合は新たな反響を呼ぶことになった。
自叙伝『ELECTROCHOC』は日本でも翻訳され、80年代末のサマー・オブ・ラブからラヴ・パレード、そしてURやジェフ・ミルズへと続くダンスミュージックの熱い季節を忠実に描いた。
ここ数年はライブを中心に活動を続けていた彼も、昨年、ドイツのInnervisionsより、12インチ"Back to my roots"をリリースし、 その夏のアンセムとなる。今年に入りニューアルバム 『Tales of a kleptomaniac』を完成させるなど、彼のクリエーションは休むことをしらない。今では伝説となったYELLOWクロージングナイトでのプレイを経て、ダンスミュージックの新たなるチャプターで彼が我々に伝えるものは一体何なのか?
2010年の幕開けとなった恵比寿ガーデンホールのカウントダウンイベントでは4500人のオーディエンスを熱狂させたのも記憶に新しいところである。
http://www.myspace.com/laurentgarnier