ステフ・ポケッツはペンシルバニア州フィラデルフィア出身のラッパー兼プロデューサーである。9歳にして家族や友だちに初めてラップを披露したステフは、やがて曲作りを始め、プログラミングの手法も身につけている。近所に暮らしていたウィル・スミスは、ステフの音楽的な成長に重要な影響を与えた(ウィル・スミスは、ステフが5年生だった年のキャリア・デイに彼女の学校に招かれ、ほかの父兄たちと同じように自身の職業について説明している)。テキサス州はオースティンのSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)、マサチューセッツ州はボストンのNEMO(ノース・イースト・ミュージック・オーガナイゼイション)、ペンシルバニア州はフィラデルフィアのPMC(フィラデルフィア・ミュージック・カンファレンス)、バージニア州はリッチモンドのルート・ワン・ミュージック・カンファレンスーーステフは、こうしたさまざまなフェスティヴァルに参加し、そのパフォーマンスを披露してきた。また2001年には「Bum Bum Bum」の作曲とプロデュースを担当、これは高い評価を得た映画『O(オー)』(ジュリア・スタイルズ、ジョシュ・ハートネットらが出演)に使用されている。
2004年、1stアルバム『MY CREW DEEP』を発表、翌2005年には立て続けに2ndアルバム『FLOWERS』がリリースされた。この2枚のアルバムはここ日本でも、タワー・レコードやHMVなどの外資系ウィークリー・チャートの上位にランク・インしている。また『FLOWERS』は日本のタワー・レコードの2005年の年間チャートでもヒップ・ホップ部門の5位をマークした。『MY CREW DEEP』と『FLOWERS』の成功によって、ステフ・ポケッツは日本の音楽ファンから注目を集め、プロデューサーとして多くの日本人アーティストと仕事をすることになった。AIもそのひとりで、ステフがプロデュースしたトラックを含むAIのアルバムは日本で50万枚を超える売り上げを記録している。他に、カルカヤ・マコト”Can'no”、レゲエ・アーティストのMinaoらと共演し、藤原ヒロシ氏の手によるRemix盤もリリースしている。『MY CREW DEEP』と『FLOWERS』にはインコグニートのメンバーやピート・ロックが参加した。2007年2月に3rdアルバム『Can’t Give Up』、11月には初期ベストとなる『The Early Works』を発表し全国19箇所となるクラブ・ツアーも成功におさめる。2009年3月には現時点で最新作となる『Friend』をリリース。また2011年にはVolta Mastersの「Fight The Power feat.土屋アンナ, Sadat X from Brand Nubian, Steph Pockets, Sonny Cheeba from Camp Lo」(avex)にも参加している。
ステフは彼女自身のスタジオでレコーディングを行っている。そこには年代物のマイクやキーボードからデジタル機器まで、ありとあらゆるものが揃っている。今もまだ男性を中心に動いている音楽業界で、ステフ・ポケッツは何よりも音楽そのものを大切にしながら活動を続けてきた。彼女は特定のジャンルに縛られることなく作曲や編曲を行う。また彼女はアメリカのテレビで放送されるCM音楽の作曲も手がけている。また彼女は、ペンシルベニア州フィラデルフィアのテンプル大学で、機械工学の理学士号の資格を取得している。
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■ステフ・ポケッツ / ニュー・アルバム『フォーエヴァー』:
Steph Pockets『Forever』
VICP-65034 ¥2,625 (tax in)
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フィラデルフィア出身。現在進行形のブラック・ミュージック/カルチャーを体現する彼女の通算5作目のオリジナル・アルバム。力強いラガマフィンのスキルと、ヒップホップ新世代によるタイトなフロウ、フィラデルフィアという土壌で培われたソウルフルな唄声を武器にまさに唯一無二の存在としてシーンに異彩を放っているフィメール・ラッパー/プロデューサー。
メロウなメロディー&ビート、鳴きのリリックで他ヒップホップ・アーティストとは完全に異質なヴァイブスを放ち続けるステフ・ポケッツのニュー・アルバム。いわゆる他のヒップホップ・アーティスト群が唱えるリリックとは異なり、ファミリーや友人、恋人等自分の大切にする者達に向け、決して飾らない“等身大の女性”としてのパフォーマンスが魅力のひとつでもあるアーティスト。
長めのドレッドに小柄な体型というある種キャッチーなキャラクターとは反し、一度マイクを握るとストロング・スタイルなフロウを披露する他のラッパーとは一線を画すパフォーマー。日本との関わりも深く、過去AIへの楽曲提供をはじめカルカヤマコトとの共作、藤原ヒロシ氏による限定Remixアナログをリリースし評判を得る。また2011年にはVolta Mastersの新作にも参加。
今作では、聴く者が常に抱える悩み、不安、困難などステフ自身も全く同じ経験をし、が故にこのアルバムを聴くことでそれらの悩みを解決できるようポジティブなメッセージを込めることに注力したという。サウンド面では彼女のデビュー・アルバム『My Crew Deep』の発展的音作りになったとのこと。
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