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Cabaret Feat. Daniel Bell

過去、Daniel Bell、CASSY、ATA、FARBEN a.k.a Jan Jelinek、Barbara Preisinger、Jan Krueger、Vera等、全くぶれのない視点でゲストを招聘し、一級のクオリティパーティを提供してきたCABARET。今回はクルーが最も信頼する不動のグルーヴマスターDANIEL BELLを招待。8年連続8回目の絡み。


Daniel Bell(Accelerate / 7th city / ELEVATE)
90年代から現代まで続くミニマルハウス/テクノというタームを語る上で、決して避けて通ることができない唯一無二のイノヴェーターにして孤高のグルーヴマスター。
デトロイト出身のDaniel Bellは90年代初期にDBX名義を名乗り、Richie HawtinとのプロジェクトCybersonikでシーンに登場。1992年に自身のレーベルACCELERATEを立ち上げて以降は極端なまでにストリップ・ダウンした最小限の音と構成で最大限のファンクとグルーヴを生み出すという独自のスタイルを確立する。ACCELERATEの初期作品群において展開されたその実験は1994年にリリースされた [Losing Control] でついにひとつの結実を見る。
シンプルきわまりない4/4ビーツにフィルター処理されたDaniel自身のヴォイスを延々と重ねたこの作品は、当時のヨーロッパにも絶大な影響を与え、現代ではごく当たり前となった「レコードを曲としてではなくミックスのためのパーツ/ツールとして扱う」という基本的なアイデアのルーツは、間違いなくこの [Losing Control] がひとつの端緒になっているはずだ。また、[Losing Control] の強烈なインパクトの陰に隠れがちではあるが、ELEVATE(Theo ParrishとDanielが共同運営していたハウス・レーベル)からリリースしていたKB Project名義での [The Symphony (Can You Feel It)] などもまたサンプリング・ベースのハウスグルーヴをひとつ先の次元に押し進めたイノヴェイティブな名トラックとして今も根強く支持されつづけている。
Daniel BellというDJにおける突出した資質を敢えてひとつ挙げるとすれば、(逆説的な物言いになってしまうが)その異例とも言えるほど自我を抑制したプレイスタイルだ。もちろん、それは自身の持つ技巧とグルーヴに対して絶対的な自信があるからこそなせるものなのだろうが、それにしても彼のDJにおけるエゴという要素の不在には毎回のように驚かされる。おそらく、彼にとっては自身の存在を声高にアピールするよりも、その場(パーティ)における固有のムードをどのようにキープし、その場をどのような選曲とグルーヴで満たしつづけていくかということについてフォーカスするほうが遥かに大事なのだろう。そうでなければ、あのDaniel独特の「グルーヴそのもの」が主体となって時間が流れ続ける、魔法のようなDJは説明がつかない。
じつはこうしたスタイルは、本来のハウスDJ然とした忠実なアプローチに過ぎないという見方もできるのだけれど、どうやら彼はそこだけには留まらないものも持ち合わせている。とくにロングセットでのDanielのDJを体験するとよくわかるはずだが、ハウスマナーでひたすら滑らかに紡がれていくグルーヴを追っていくと、そのジェントルでスムーズな表面下にうごめく狂気すら孕んだワイルドななにかが次第に湧き出てくる。この名状しがたい感覚こそ、Daniel BellというDJ/トラックメイカーの核心にあるものなのかもしれない。
text by kohei


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