30年以上にわたるエコーの連なりをこの国の音楽シーンに響き渡らせ続けてきた男、こだま和文。還暦を迎える、現在もそれは継続した響きの連なりを持っている。ミュート・ビート、世界初のライヴ・ダブ・バンドとして東京の音をひとつ、1980年代に前進させた。これを発端にして、そして”レゲエ”や”ダブ”という言葉を外しても、彼がいなければ、果たしてこの国のアンダーグラウンドからポップ・ミュージックにいたるまで、それらがいまと同じ形になっていったかというのを考えるばかりである。ソロ・アーティストとしても数々の名作を残し、1990年代以降から現在にいたるまでの中心的プロジェクト”DUB STATION”での、ある種、ヒップホップやベルリンのリズム&サウンドやミニマル・ダブへの回答のような、そのスタイルは唯一無二の存在感を放っている。そして、フィッシュマンズのファーストなど、プロデュース作においても、やはりその動きはこの国の音楽シーンに消せない刻印をくっきりと残している。新作が待たれるばかりだが、ライヴや客演での活動は、いまだ活発だ。
先ごろ、ミュート・ビート以前の、これまで謎の多かった、その若き半生を綴った近著『いつの日かダブトランペッターと呼ばれるようになった』が刊行されたばかりだが、こだま和文がこのたび還暦を迎える。
この日、これまで共演や客演などでそのリスペクトを示してきたEGO-WRAPPIN'、bonobos、ORESKABANDなど、その遺伝子を持つアーティストたち、そして後期ミュート・ビートのメンバーでありこだま和文の朋友、故江戸アケミ率いるじゃがたらでもキーボードを務め、先ごろ円熟のソロアルバム『遠近(おちこち)に』をリリースしたばかりのキーボーディスト、エマーソン北村も出演。
この宴、祝う。
日時:2015年1月29日(木曜日)開場 18:00/開演 19:00
会場名:リキッドルーム
前売券(12月13日(土曜日)発売):3,500円(税込・1ドリンク代(500円)別途)
前売券取り扱い箇所:チケットぴあ[Pコード 250-653]、ローソンチケット[Lコード 74120]、イープラス
問い合わせ:リキッドルーム 03-5464-0800 http://www.liquidroom.net
---
▼EGO-WRAPPIN'
1996年 中納良恵(Vo、作詞作曲)と森雅樹(G、作曲)によって大阪で結成。2000年に発表された「色彩のブルース」や2002年発表の「くちばしにチェリー」は、多様なジャンルを消化し、エゴ独自の世界観を築きあげた名曲として異例のロングヒットとなる。以後、作品ごとに魅せる斬新な音楽性において、常に日本の音楽シーンにて注目を集めている。2014年5月には、オダギリジョー主演テレビ東京系ドラマ24「リバースエッジ 大川端探偵社」の主題歌・劇中歌、エンディングテーマの3曲を収録した、New Single「BRIGHT TIME」をリリース。
http://www.egowrappin.com
http://www.youtube.com/watch?v=SsiAV9hs_bU
▼bonobos
2001年結成、2003年「もうじき冬が来る」でメジャー・デビュー。レゲェ/ダブ、ドラムンベース、エレクトロニカ、サンバにカリプソと、様々なリズムを呑み込みながらフォークへ向かう、天下無双のハイブリッド未来音楽集団。ROCK IN JAPAN、FUJI ROCK FES、RISING SUN ROCK FESなど、毎年数多くの野外フェスに出演し、ライブバンドとしても確固たる地位を築いている。他アーティストへの楽曲提供、演奏サポートなど、それぞれのソロ活動も精力的に行われ、2010年にはvo.蔡、dr.辻ともにソロアルバムも制作/発表。2014年3月5日には6thアルバム「HYPER FOLK」をリリース。さらに8月20日には初のライブアルバム「HYPER FOLK JAMBOREE TOKYO.1/2」をライブ会場限定販売にてリリース。
http://www.bonobos.jp
▼ORESKABAND
2003年に大阪・堺にて結成し、ライブを中心に活動するガールズブラスロックバンド。3Rhythms&3Hornsの楽器構成。The Specials から絶大な影響を受けており、結成当初からスカバンドとして活動してきたが、活動を続けていくにつれて、2トーンをより精神的なものとして捉え、音楽のスタイルやジャンルをさまざまな方向に広げ、より自分たちらしい音楽を追求するようになる。2008年に全米46都市ツアーを行ってから、精力的に海外と日本での活動を続けている。
http://www.oreskaband.com
▼エマーソン北村
ミュージシャン。オルガン・シンセを中心とする鍵盤演奏及び作編曲を行なう。ニューウエーブのバンドで音楽活動を始め、「ワールドミュージック」全盛の’80年代末、JAGATARAとMUTE BEATに参加。’90年代前半にはライブハウス「代々木チョコレートシティ」及びそのレーベル「NUTMEG」においてあらゆる個性的な音楽、特に初期のHip Hopやレゲエの制作に関わる。その後忌野清志郎&2・3′sを皮切りにフリーのキーボードプレイヤーとして活動。ロック畑からオルタナティブな分野まで、音数は少ないが的確な演奏と音楽を広く深く理解する力によって、インディー/メジャーを問わない数多くのアーティスト・バンドをサポートしてきた。また、レゲエの創成期からジャマイカで活躍したミュージシャン、ジャッキー・ミットゥーの音楽を出発点としてリズムボックスと古いキーボードによるインストゥルメンタル音楽を作っており、「エマソロ」と呼ばれる一人ライブを全国各地や海外で展開している。2014年7月、オリジナル曲を中心としたソロアルバム「遠近(おちこち)に」を、自身のレーベルからリリース。
http://www.emersonkitamura.com
▼こだま和文
1981年、ライブでダブを演奏する日本初のダブバンド「MUTE BEAT」結成。通算7枚のアルバムを発表。1990年からソロ活動を始める。ファースト・ソロアルバム「QUIET REGGAE」から2003年発表の「A SILENT PRAYER」まで、映画音楽やベスト盤を含め通算8枚のアルバムを発表。2005年にはKODAMA AND THE DUB STATION BANDとして 「IN THE STUDIO」、2006年には「MORE」を発表している。プロデューサーとしての活動では、FISHMANSの1stアルバム「チャッピー・ドント・クライ」等で知られる。また、DJ KRUSH、UA、EGO-WRAPPIN’、LEE PERRY、RICO RODRIGUES等、国内外のアーティストとの共演、共作曲も多い。現在、ターン・テーブルDJをバックにした、ヒップホップ・サウンドシステム型のライブを中心に活動してしている。また水彩画、版画など、絵を描くアーティストでもある。著述家としても「スティル エコー」(1993)、「ノート・その日その日」(1996)、「空をあおいで」(2010)「いつの日かダブトランペッターと呼ばれるようになった」(2014)がある。
http://echoinfo.exblog.jp
EVENTS