新たな意志を掲げたDJ Nobuを中心に、日本を拠点に国内外様々なシーンやコミュニティで活動するDJたちが集結するパーテイー『GONG』が始動。
UNITフロアには、2017年も『Dekmantel』出演やOval Spaceでのレジデンシーなどヨーロッパでの益々の活躍が期待されるDJ Nobu。現在と過去のハウスを紡いだ音像に、90年代初期から活動する中で自ら体験してきたアンダーグラウンドのあらゆる情況や文化を投影するDJ Sprinkles a.k.a. Terre Thaemlitz。東京拠点ながら、主にヨーロッパのフロアを見据えた逃避的かつ越境的な「非ヨーロッパ人の音楽 (Samo DJ談)」を、〈Born Free〉や〈ESP Institute〉といった海外レーベルからリリースし注目を集めているPowder。現在のヨーロッパと日本のダンスミュージックシーンを繋ぐ三者が交わる。
さらに視覚演出には、色彩と流動が持つエネルギーを用いて、「生きている絵」を出現させるペインティングアーティストの中山晃子が参加。ジャンルを超えたアーティストとの共演や海外ツアーなどの幅広い活動によって空間を熟知したパフォーマンスにも注目していただきたい。
Saloonは、上階よりもフレッシュで濃い混沌に満ちる空間となるだろう。Contactでの不定期開催イベント『LSI Dream』を通じてShedや〈Giegling〉クルーをサポートしているasyl cahier。各地からアンダーグラウンドの猛者が集う幡ヶ谷forestlimitを拠点に、卓越したディグスキルに裏打ちされたプレイで年間100本以上をこなす超現場型DJのAKIRAM EN。さらに同地と同氏共に所縁あるDJで、独特なアシッドヴァイブを武器に空間を巻き込むS-LEE。東京の新世代電子音楽コレクティヴ 〈IN HA〉の核であり、Boiler Room Tokyoにも出演を果たした才媛Mari Sakurai。
プレイの中で志向する細かな音楽性はもとより、各々が唯一無二の個性を放ちながら、協調の保たれた幅広く濃密な音のグラデーションが一夜の中で創り出されていくだろう。
Hiromi Matsubara
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3月から新しくパーティを始めます。
ここ2年ぐらい東京で活動していて感じてきた変化、ぼんやり頭にイメージしていた事が確信に変わり、やっと自分が東京でやりたい事が見えてきました。
東京では毎週末たくさんのパーティーが行われています。ひっきりなしに世界中からDJが東京を訪れています。でも、自分を含めた多くの国内のDJや関係者を取り巻く状況は決して恵まれたものではなく、なぜか非常に厳しくなって来ているというのが実感です。減少していく夜遊び人口、若者のクラブ離れ、景気の悪化、風営法とその改正の影響など、複数の要因が絡み合い、僕にはこの街のクラブ・カルチャーがこれまでにない危機に瀕しているように見えます。
かつてないくらい多くの国外DJが毎週東京にやって来ますが、そこから何かが生まれ、次に繋がるような意味のあるものは多くないように思えます。若手DJに求められるのはDJプレイの質以上に集客力だったりします。一時的な話題作りと消費の為の退屈なパーティに終わってしまいがちで、これが悪循環を生んでいるのではないでしょうか。
でも実際には、日本国内にも魅力的で個性溢れる素晴らしいアーティストが沢山います。なのに彼らが活動する場は自らがオーガナイズしないかぎり少なかったり、世界で活躍していても国内では殆ど知られていなかったり、せっかくの才能と創造性がパーティの現場で活かされていないと思うのです。
いつの間にか歪になってしまった、こうした現実を見て、国内アーティストの魅力を伝えるパーティを作りたいと考えるようになりました。小さな一歩ですが、今こそ必要なこと。
幅広くオルタナティブに音楽を楽しみ。新しい発見を得られる、そしてそこから何かが育っていくような場になればいいと思います。
よろしくお願いします。
DJ NOBU
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