2021年に国内最大級のクラブ・ageHaでローンチし、2023年にはWOMBで開催されたSPECTACLE。過去二度にわたり“屋内型テクノフェス”をテーマに展開してきた同シリーズが、ついに2年ぶりに帰還する。
今回は「オーディオビジュアル」にフォーカスし、モダンアート的な新しいテーマを掲げてアップデート。数年先を見据えた東京発の新たな祭典として、新生SPECTACLEが幕を開ける。
UNITフロアの注目は、実験的エレクトロニックの最高峰レーベル Raster-Media から招聘するハンガリー出身の革新者 Gábor Lázár(ガーボル・ラザール)。
既存の音楽構造を解体し、超精緻な形へと再構築する独自の手法で知られる彼は、最新作 Reflex (2024) でも進化を証明。今回披露するAVライブは、Max/MSPで自作したインターフェースを用い、サウンドと映像、ストロボを統合。ダンスフロアを包み込む圧倒的なオーディオビジュアル体験を創出する。
さらに、日本のアンダーグラウンドを象徴する孤高の存在 DJ Nobu がヘッドライナーとして登場。
加えて、UKを拠点に活動し東京とも深い縁を持つ Lynne のDJ Set、そしてモジュラーシンセの名手 O-MA がタッグを組んだHybrid Setが披露される。
映像演出には、DOMMUNE創始者にしてVJ界のパイオニア UKAWA NAOHIRO がついに登場。また、東京の多様なベニューで活躍する Tsujita Naoto も参加し、SPECTACLEの世界観に彩りを加える。
SALOONフロアでは「無骨でストレートな表現」をテーマに、ヨーロッパ最前線から2人の実力派アーティストが登場。
まずは、ベルリンのBerghainに頻繁に出演し、ベルギー名門クラブ FUSE のレジデントを務める Altinbas。
彼は Fuse Imprint や Ostgut Ton、Token などの名門からリリースを重ね、ダークで重厚ながらも内省的な音世界を構築するプロデューサー/DJ。クラブ空間を圧倒するドライブ感と、浮遊感のあるミニマリズムを同時に体現する彼のプレイは、ヨーロッパのシーンで急速に存在感を増している。今回の来日は2度目となり、SALOONのテーマに呼応する無骨さに加え、情緒的な奥行きを持つセットを披露するだろう。
そしてスペイン・マドリードからは、Semantica、Non Series、Timeline といったアンダーグラウンド・テクノを牽引するレーベルで活躍する Aiken。
彼の音楽は、静寂と緊張感を伴うビルドアップから、闇を纏ったグルーヴィーなキックへと展開する独自の構成力が特徴。アナログに根差した深みのあるサウンドデザインは、レコード収集家でもある彼のスタイルを如実に表している。今回が初来日となり、SALOONフロアを静と動の対比で揺さぶる彼のセットは必聴だ。
この2人のフロントライン・アーティストに、ローカルから Shinsuke Goto と YUTA がテーマに沿ったスペシャルセットで応戦。日本とヨーロッパのアンダーグラウンドが交錯する特別な一夜となる。
SALOONの空間演出には、Mirrorbowlerのコアメンバー Taiki Kusakabe によるソロプロジェクト KUKAN、さらにアンダーグラウンド・パーティー axiom で知られる fuwatty(レーザー演出)と moonrisedrop(インスタレーション)が参加。
音楽・映像・空間が三位一体となり、唯一無二の体験を生み出す。新生SPECTACLE。
アートとテクノが溶け合う、東京発の未来的祭典を見逃すな。