INTERVIEWS

Shin Nishimura

うーん、音はダンスフロアーしか意識してないっす。その先にはいつもPLUS TOKYOという僕にとってかけがえのない一番大事な場所はもちろんあるんですけど、そのもっと先にやっぱり世界中のダンスフロアーで僕のトラックで踊らせてやる!と妄想してたら、たくさん曲ができあがりました。で、自分のMYSPACEに貼り付けてたら、結構な勢いで海外の人から「いつリリースすんだ?」とか「俺はレーベルやってないけど、どこどこのレーベルに送れよ!絶対いけるから!」って毎日のようにメールが来て、そのすぐ後にフランスのMezzotintのDJINXXXからメールが来て、リリースが決まって、ようやく「あ、外国人でも僕のトラック好きになってくれんだ」って思って、んで、それが凄く自信になったんですよ。で、PLUSのスタッフとそんな話しをしてたら、「世界向けのアルバム作ったらどうかな?」って。だから、基本、僕の中では「世界に向けた、僕らしさを出したアルバム」って思ってます。

曲風はね、一時期クリックとか頑張って作ってみたんですけど、やっぱ似合わないなって。そんなに真面目じゃないし。やっぱ、テクノの要素で僕解釈のアシッドミニマルって感じです。SHIN NISHIMURA毒(色)を出せたなと。

アルバムをミックスしたのは、最近似たような曲ばっかであんま面白い曲も多くないし、なんか、自分の曲と他に合うレコードもなかったりするし、僕らしさを出したいってずっと思ってたら、DJで自分の曲ばっか使うようになって。だったらライブでミックスしたCDを出した方が現場感も体験してもらえるし、頭とケツとかちょい無駄だなって思っい省いた方がCDとして聴くのは面白いんじゃないかなと。 特に考えてはなかったんですが、いろいろレーベルやったりユニットやったり、STAR-LIGHT以降、たくさん勉強できた。でも、ちょっと振り返って自分を見てみたらPLUSを少し忘れすぎてたなと。自分の居場所を離れていったい何やってんだろ?と。自分自身がいろいろと迷ってて、答えを探してたのかな?とかいろいろ考えてたら、PLUSのスタッフもみんな「お帰りなさい」って感じで今、関わってる事にすごく気合いを入始めてくれた。なので、アートワークも原点回帰でやっぱ僕はPLUSのロゴが一番似合うなっと。これからはこれで進んでくからよろしく!って感じの意味もあるかもです。 なんか、結局自分の帰る場所に帰れた時に、これが僕のアイデンティティーなんだって思ったから、アイデンティティーはつけたいなって思えた。辞書をひいたらちょうど「Identity Politics」という言葉が見つかって、なんだろー?と思ったら、「多元的で複雑な社会において,個人や集団が自分の帰属性・同一性を模索する試み。」って書いてあったから、これ、今のまんまの俺だって思って。STAR LIGHTのリリース以降いろんな自分を模索してた行為はずっとあって、結局自分とは?と模索した結果がこの「Identity Politics」て感じがするんです。だから、簡単に言えば「僕のアイデンティティーはこの中にあります」って感じです。PLUSは僕のアイデンティティーで、僕を含め、ロゴだったり、レーベルだったり、パーティーだったり、スタッフだったり、ずっと応援してくれてるお客さんとか、DJという職業だったり、全てが全部を取り巻くこの状況が僕のアイデンティティーだということがやっと確信できました。って言う、セルフ主張ですかね。 さっきも言ったのですが、PLUS TOKYOは僕のプラオリティーが一番高い僕のホームグラウンド=僕のアイデンティティーです。PLUS TOKYOとはひたすら自分の感性でかっこいい!とか渋い!とか思えるアーティストやDJ達と楽しみ、僕の独断と偏見で勝手にPLUSのお客さんに紹介するショーケース的な要素は強いかもしれません。ただ単に「一緒に楽しみませんか?」ってアプローチしてます。6年も(笑)
僕はやっぱかっこいい音作ったり、かっこいいDJをする人達にすごく憧れや嫉妬心が強いんです。負けてられないって言う。でも、あまりにもかっこいいから、だったら僕のホームグラウンドに出てプレイして、PLUSのお客さんをもっとかっこいい世界へ連れてってくれませんか?的な個人の感情でやってます。全くビジネス関係なく...あまりにもビジネスを考えてないので、実際ラインナップを上げる時に怒られたりしますけどね(笑)。

ほら、やっぱり一流の場所でやるにはある程度、それ考えないといけないでしょ。でも、それは僕のパートナーがやってくれるので、僕は好き放題名前を上げるんですけどね...なんか、知名度とかやっぱ気にしたりするじゃないですか。ビジネスを考える人達は。僕の中ではね、「そんなの関係ねー」なんです。知名度よりもどれだけかっこいい曲を作りDJをするか。それが当たり前の基準だと僕は思うんです。実際、お金かけて呼んでも、「フロアーがん引き」のDJもいますからね。僕はそれが自分の中で最強に寒い行為なので絶対にそこだけは曲げられないんです。それはPLUS TOKYOのダンスフロアーは他でも負けてないって思う気持ちと、かっこよくない人呼んで信用を失うのもヤだし。その為にも、僕ももっと世界へ出て、自分の背中に説得力をつけないと、口だけになっちゃうし(笑)

PLUSは今、「CHIMAERA CRAFT」っていう空間演出するチームが手掛けてくれてます。ぶっちゃけ名古屋あたりの出身の元ヤンなんですけど(笑)すごく支えてくれて、内装とか「こんなんええんちゃうん!」って感じで勝手にデコレーションしてくれるんです(笑)。そのデコに合うVJも選んでくれる。それが今はかなりいい感じで、ビジュアルと音がかなりマッチする様になってきました。お客さんからもかなり評判良いみたいです。ほんと今は素直にいろんな人に感謝してます。32歳目前でやっとまるくなったんで...(笑) 12月にTOKTOK(その名の通りTOKTOKが運営するドイツのレーベル)から「GERPAN EP」ってのが出ました。結構、大作のサンプリングとかを使わせてもらっています。なんか、AKUFENっぽいカットアップなもの作りたいなって思って、イジくってたらできあがって、TOKTOKがサンプル主体のレーベルなんで、送ったら、出す!って言ってくれました。

あと、フランスのDJINXXのMEZZOTINT RECORDSってレーベルからも1月に出て、3月にもう1枚出ます。1月のはドイツ人とのカップリングで、「サイケデリック・テクネリックっていうめちゃくちゃ名前の(笑)。実はイギリスのiDJ MAGAZINEっていう雑誌の2月のBEST TECHNO TUNEに選ばれました。iDJはイギリスの高校の寮で定期購読してた雑誌で、いつも毎月送られてきて見てたので、めちゃくちゃビビりましたよ。3月のRock The Houseはかなりの自信作かもしんないです。どういうリアクションが来るかすごく楽しみです。

出るキッカケになったのは、さっきも言ったんですけど、MY SPACEに貼付けてたら、ライセンスのない曲送ってきてよ!ってメールが来て、渡したらその日に決まったっていう…リリースってそんなものでしょう。そういえば僕もmanukan(沖縄在住のアーティストでShin Nishimuraが運営するレーベルDEKA TRAXXXからEPとアルバムをリリース。)とかすぐ電話しましたし(笑)「うちから出して!」って。来週、2月29日にPLUSの6周年があるんですけど、そこにレーベルオーナーのDJINXXが来ます。彼は「出したんだから呼べ!」って感じじゃなくて、せっかくの縁なので「来ませんか?」って感じで、一緒にお祝いして下さいって感じで来てもらいました。音もめちゃくちゃ渋いですし。 MixmagはiDJ MAGAZINEと一緒で、イギリスにいた時はこの雑誌しか買わなかったです。イギリスを離れてからも、イギリスに行った時は必ず、この2冊を買って、レコード情報とクラブ情報を調べてました。それぐらい思い入れの強い雑誌です。そんな雑誌からインタビューしたいって言われて「嘘だろ!」って最初は信じられなくて、すぐイギリスの頃の友達やLYOMAに電話して「聞いてよ!MIXMAGからインタビュー来たよ!」って大はしゃぎしました。ほんと嬉しかったです。LYOMAは寝てて「え!叩き起こした理由がそれ?」って怒ってましたけど(笑)

あと、Mezzotintからリリースした作品をいろんな著名DJがコメントをよせてくれたみたいで、フランソワKだったり、ローラン・ガルニエだったり、ジョシュ・ウィンクから良いコメントをもらった時はめちゃくちゃ嬉しかったです。特にJOSH WINKは僕の一番の人ですからね。今でもJosh Winkの「HIGHER STATE CONCIOUSNESS」はずっと永遠のクラシックですから。夢はJOSH WINKのレーベルOVUMから出す事だったりするし。 なんかこの前、三茶で僕幹事のDJ飲み会を開いたんです。CISCO閉店とか暗いニュースばっかだったんで、さーてインディーのDJで何かしませんかー?って感じで。じゃあ、キャパオーバーぐらいの感じで、みなさん来てくれてワイワイと朝まで盛り上がりました。せっかくみなさん何か思うところあって来てくれたんだと思えたし、みなさん初めて会う人達も各個人で何かやろうよって感じで話し合ってたりで、何かやれるなって思って。で、そのメンバー中心に声をかけさせていただきました。じゃあ、みなさん「やるやる」って、めちゃ嬉しかったです。

REMIXERには、KO KIMURAさん、DJ SODEYAMA、LYOMA、OMBさんやA.MOCHI君とかREBUSTAPEやDJ TAKAMI、manukan、ATT君、YAMAOKAさんなど。他、後輩の子達とか。YAMAOKAさんは北海道からしょっちゅうデモCDを送ってきてくださるので、ぜひやって下さい!ってお願いしました。これは今のところBEATPORTのみで発売されるんです。こういう事こそデジタル配信で出せる醍醐味って言うんですかね。CDじゃまずお金かかって無理でしょ(笑)しかもデジタル配信レーベルって腐る程ありますからね。そんな中でこういった面白い企画のみに使用するのは、デジタルの面白みだなって僕は最近思って。たくさん売れたらアナログ切ろうって思います。その先にアナログと言う理想はずっとありますからね。これ書いておいて欲しいんですけど、Q'HEYさんには頼んでないんですよ...実は(笑)頼めばやってくれると思うんですけどね、Q'HEYさんもレーベルやってるから、かなり詳しいんですよ、ライセンスの事とか。で、騙す事は絶対にしませんが、あの人隙がないんで、ちょっとプレッシャーだなと思って(笑)これ読んでそんな事言わずに頼めよ!って言われたら、是非やってもらいますけど(笑)

あと、余談ですが、リミックスお願いしたけど、時間がなくて無理になっちゃったんですけど、SALMON君ってよく飲みに行くバーにDJやってるバーテンでおもいしろい人がいるんですけどね、その人は日本発レーベルのW.C RECORDINGSっていうレーベルやってるんですけど、毎週リリースしてるんですよ。すごいリスペクトしてます。そういう思い切った事するレーベルとか今後面白いですよね。デジタルの醍醐味ですね、これは。 おもしろエピソード...うーん、実はライブレコーディングの最後の曲が変わってたり...ずっと音楽作ってないと心配になるんです。だから、毎日ループ組んだりはしてます。良い曲できたから差し替えたぐらいかな。あと、これを機に対談をしようってことになって、それで海外に住んでたLYOMAとPLUSを立ち上げた北京に住むKIKOさんと対談しました。やっぱね、僕は海外への移住とか憧れってすごく強いかもしれない。トミイエさんの生活とかすごく理想なんです。かっこいいですよね、海外に住んで世界中を飛び回るのって。なので、その話も聞きつつ、海外への再出発も含め、やっぱ原点回帰だなって思って。KIKOさんは3年前ぐらいにPLUS TOKYOは都合上できなくなっちゃったんですけど、それ以来ゆっくり話せたんで、なんか楽しかったなと。
今回のアルバム・リリースをきっかけにPLUSのサイト(http://www.plustokyo.com/)でその対談とか、みんながくれたコメントとか特設ページ作ってあるんですけど、改めて見ると色々感じるものがありました。 僕のアイデンティティーを覗き込んで、共感できたらPLUS TOKYOへ足を運んで下さい(笑)と。ただ、それだけです。あと、やっぱりテクノで踊る事ってめちゃくちゃ気持ちいいので、このCDを爆音でかけてソファーに座りつつ、足踏みを始めて、最後は踊ってくれたら面白いです。