INTERVIEWS

Masia One × DJ Sarasa

Masia One(以下M):へー!知らなかったよ!その店員、誰?どこのお店? M:曲を聴いたら当時の状況とか思い出す事ってあるよね!でもまさか自分の曲が人にそういう影響を与えていたとは知らなかったよ。あのアルバムって本当にマイク握る事さえ初めてだったし・・・ M:3年間パーティーのプロモーションに専念していたから。そもそも私がファーストアルバムを地元“Missasauga”と名づけた理由は、アルバムを完成するにあたって支えてくれた皆のことを忘れたくなかったからなの。そんな皆に少しでも恩返しがしたくてさ。地元で支えてくれたアーティスト達にパフォーマンスできる場を作りたいと思って、ずっとやっていた。 M:M1 Academyは音楽家がショーケースできる場を作るだけではなく、画家、DJ、ダンサーも一体になってトロントのヒップホップシーンを皆で作り上げる企画だったよ。ロックやアフロビートをヒップホップと混合したり、トロント周辺を取り巻いた楽しいパーティーをオーガナイズしたよ。
自分のパーティーで自分も一緒になってパフォーマンスしていたんだけど、その間フローと言葉の伝え方について成長したと思う。前はバックパックヒップホップ(アンダーグラウンド)が特に好きだったんだけど、ショーをこなすごとに「凝った詩も良いけどに一般のお客さんにもっと理解してもらえるようにならなきゃ」と気づいたんだ。だからもっとシンプルに自分が言いたい事を伝えるのも大切なんだと分かったんだ。
M:アルバムを制作する前に自分が生まれたシンガポールに始めて帰ったんだ。その際に周りの島国に行ったりもした。衝撃的だったよ。幼い頃に覚えていた風景や自分と似た人が歩いていて。インスピレーションを受けて筆が進んだ。PULAUはマレー語で島国という意味なんだ。だから今回のアルバムは島国の影響が強いよ! M:始めてやったんだけど、日本は独自のペースを持っているよね。他の国では酔っ払って騒いて楽しむところ、日本は箱によっては音楽を大人しくしっかり聴いて楽しむのが好きみたい。それを知らないとライヴ中不安になる外人アーティストは多いんだと思うよ。例えば最近Q-Bertの日本のインストアライヴの映像を見ていたんだけど、この世のモノとは思えないぐらいすごい事をやっていて・・・でもお客さんは腕を組んで静かに見ていたの。後のインタビューでQ-Bertが自分の何が良くなかったのか分かんないって話していたのだけど、何も悪くなんかなかったんだよね、皆すごく好きで見入って楽しんでいたのだったと思うよ! M:そう、Ngomaと!すごく楽しかった!後から映像みたけど、大爆笑した!だって、すごく疲れている顔と同時に嬉しくてたまらない表情でバンドと一緒にフリースタイルしているのだもん。ラッパーが太鼓にラップできるのは日常茶飯事ではないからね。やっぱり色んな国でセッションするのが大好き。それぞれの国の楽器や人によってセッションのヴァイブスも違うからとても刺激になるし、セッションをやる事によって自分がもっと上達すべき点ややりたい事も見えてくるから。 M:最高だったよ!素晴らしいのは、これはただの始まりであるという事。国が離れているから実際一緒にすごした時間って何気に少なかったし、来日してから急いでリハやったりしたけど、すごく一緒にやりやすかったよ。SARASAって私の年上の妹って感じだね! M:責任感があるからじゃん!あと音楽的にすごくSARASAのセンスを尊敬している。音楽すごく知っているし。仕事のやり方も好き。スクラッチもどんどん上手くなっているし、言ったこと守るよね。 M:印象が変わったと言うより発見がいっぱいあった。日本の人は考えが深いね。音楽に関してとてもまじめに考えている。ほかの国なら「Yo!ビート良かったぜーい」と言って全然分かっていない人が沢山いるのに対して、日本は「あの楽器を使ってこういう雰囲気をかもし出そうとしているのが良く伝わって・・・」みたいに分析してパフォーマンス後フィードバックしてくれた人が多かった。あと日本人は夜遅くまで良く働く!Ngomaが朝の4時にリハやっていたり、朝の3時までレーベルとミーティングやったりしたね! M:日本は他のアジアの国とは違って、アメリカンポップカルチャーをそのままコピーしてないで要素だけ取り入れて自分なりの解釈をした後、新しいものを生み出すのがとても上手いとおもうよ。日本のヒップホップは更に枝分かれして、ポップからアンダーグラウンドまで、ちゃんとシーンがそれぞれ確立されているところがリスペクト! M:Shibuya NUTSはツアー最後のパフォーマンスだったから印象的だったけど、たまたま映画RIZEの出演ダンサーや日本のアーティストも遊びに来ていて、前に出てノッてくれたのもよかった。音質がよかったのはYellowで最高だった。全体的にすごく良いリアクションだったと思うよ! M:えー、全部好きなんだけど、一曲目のPulauかな。ビートはシンガポールのプロデューサーが作りマレー語で歌っているシンガポールのアーティスト(Lady E)が入り、普段歌わないThunder Heist のIsisがバックで歌って騒いでいてSARASAがスクラッチし、色々なところで育った人達が集結してこの陽気な島国っぽい曲を祝っている。冬に聴いたら心が温かくなと思うし、夏に聞いたら大音量で聴いてライムをドリンクに入れたくなると思う。あれは変わったヒップホップだけど、ヒップホップが進化するにつれ、この曲や日本のヒップホップの曲みたいに各国が自分の国の要素を入れたものが今まで以上に盛んになっても良いと思う・・・アメリカンヒップホップを真似するだけで無く。特にヒップホップが始まったばかりの東南アジアに関して。 M:色々な国に旅する度に影響を受けるけど、各国のアーティストと一緒に、その国特徴が現れる曲をつくり、新しいスタイルを築き上げたい。例えばMIAも彼女の国の音と現代のポップカルチャー・ヒップホップコンセプトを取り入れ、彼女独自のスタイルを築き上げたでしょ?自分が生まれた東南アジアが成長し、メインストリーム色が強くなって来ると思うけど、私は責任感のあるアーティストとして、ポジティブなアジアンアーティストの模範となって皆を引っ張って行きたい。世界中の人とのコラボレーションは続けていくよ!現在ジャマイカのライヴバンドとアルバムも制作しているし、もっとインターナショナルなレベルでヒップホップの文化を作り上げたいと思っている。 M:ファッションと言う「形」が大切なのは分かるけど、音楽には意識を持って聴いてほしい。スタイルは、自分と自分が聴いているアーティストが築くものであって、企業があなたに教え込むものでもなんでもない。そう考えればいい音楽、文化、アイディア、そして芸術にオープンになれる。 M:違うね!皆にだった!(笑) M:日本の皆はヒップホップを日本人の需要にあわせて築き上げ、オープンマインドでヒップホップに取り組み、さまざまなスタイルを開発した。それってすごい事であり、誇りに思うべきだとおもう。Big Ups Japan!! まだ東京しか行ってないからまだまだ日本の勉強をしなければいけないけど次は地方も行って沢山学びたいと思っているよ!宜しくね!