INTERVIEWS

Jazztronik

10周年という記念すべき年なのでJazztrronikという存在がしっかりわかる作品にしたいなと思って作りました。Jazztronikが持つジャンルの多種多様性をしっかり全面に出そうと。そういった構想自体は夏前ぐらいから考えていました。

いままで沢山の作品をリリースしてきたのですが、今回は完成したときの自分自身の満足度が、過去にないくらい高かったです。

なんでも物事を10年間続けるのは大変なことだと思うんです。仕事でもなんでも。Jazztronikとしての活動もなんとか続けられ、それならば代表作になりうる作品を作りたいなと。タイトルが「JTK」になったのはそこらへんからきていますね。

Jazztronikがどういうことをしているプロジェクトなのか、それを表現したかったです。
ジャズ、ラテン、ブラジル、ハウス、テクノ、ブレイクビーツ、ダウンビート等々ありとあらゆるモノを吸収していくのがjazztronikなので、結果様々な楽曲が収録されることになりました。

まずは昔から大ファンだというのがあります(笑)。曲を作っているうちに浮かんできたのが小泉さんの声で、それでオファーしてみました。完全に小泉今日子というシンガーを想定して作ったので、もし小泉サンに参加してもらえてなかったら、この曲は収録されていなかったと思います。

なんとなくストリングスでミニマル的な曲を作ってみたいなと思っていて、最初トラックだけできあがっていきました。実はトラックだけだとものすごいディープなんです。このコード進行がなんだかおもしろいので、こういうのに日本語のメロディーのせたらどうなるんだろう、というところから歌もの的なアプローチが始まりました。で、このトラックに声がのっても、声の存在感が負けないのは小泉サンだなと。

2人とも初めてではないので、特にこれといったことはないのですが、この曲に関してはもちろんメロディなどは作ってますが、僕はイメージを伝えてあとは好きなようにやってもらいました。

もともとドラマ用に作った曲で、ドラマサイドからのオファーがそういったものだったので。僕の好きな70年代の音楽の要素を散りばめてみました。自分の曲がドラマのテーマ曲となっているのは、すごく不思議な感じですね。このときは2時間ドラマだったのですが、全編Jazztronikの曲で。普通はドラマ用に書き下ろしたりするのですが、これは9割が昔のjazztronikの曲。僕は相当楽しかったです(笑)。

日本語がのったときのことものすごくイメージします。あとは歌い手の声域も注意しますね。 クラブの現場感は大切にしたいと思っています。その雰囲気が伝わるといいなと。ただCDなので、そこばかり重視してもしょうがないかなとも思います。あくまで聴くこと前提で作っています。 今回のアルバムに参加してくれたJUJUさんは非常に声がいいなと思います。今の時代にあまりいないタイプという感じがして。
それ以外では、まだデビューしていない人たちなんですが、MySpaceを通じて知ったりしておもしろいと思う人たちはたくさんいますね。 僕が高校生くらいのとき思い描いていた世界とはまったく違いますね。残念ながらシーンにそこまで夢がないような気がするときもあります。アーティストといえる人も減ってしまったような気がしますね。クラブシーンはよくわかんないですけど、自分のパーティーに関してはすごく盛り上がってて楽しいです。よくも悪くも音楽には流行がつきものですけど、作り手側も聴き手側も、流行に流され過ぎる人が減って、自分を強く持つ人が増えると、あっという間にシーンは変わるんじゃないですかね。

NYで初めてDJしたとき、それがゲイパーティーだったんですけど、それはかなり衝撃でした。ヨーロッパのライブツアーの際も、どの国もおもしろいことだらけでした。

ライブもDJも、まずは自分が楽しむってことがあります。それはお客さんに伝わることだし。ライブではその場の雰囲気を読んで、曲調も曲順も変えることがありますね。

「JTK」というJazztronikの名刺のようなアルバムができました。すごく楽しめる内容になってます。自信作なのでぜひたくさんの方に聴いていただけたらなと思います。