Grahmzilla(以下G):僕らの共通の友人がいてね、彼女は僕をプロデューサーとして知ってて、アイシスをラッパーとして知ってたんだけど、彼女があなたたち一緒に働いたら?って言ってきたんだ。僕ら2人とも似たようなことをやりたがってたんだけど一緒に仕事する相手が見つからないって状態だったからさ。で、彼女がアイシスのマイスペースアドレスを僕にくれたんだ。それで僕がチェックして、気に入ったからアドして、今度は彼女が僕の音楽をチェックした。で、「Oh my god!これ最高!」って反応してきたわけ。それで2曲くらい曲を作ってみた。出来は最高だったんだけど、それは彼女寄りの音楽でね、もっとラップっぽいものだったんだ。CDができても、僕の名前が載るか載らないかってくらいのスタイルさ。初めから僕はそれをずっと続けていきたいと思ってたわけじゃなかったし、まぁ2人でラップっぽい音楽を作ってみようって程度だった。でも偶然サンダーハイストが生まれたんだ。僕はもともと一人で、リミックスプロジェクトとしてサンダーハイストをやっててね、ある日そのリミックスのファイルを友達にMSNメッセンジャーで友達に送ったんだ。アイシスに送るのは実は避けてた。僕らは全然違うタイプだから、それを聴いて僕が変人とか思われたくなかったから(笑)でもその友達が彼女にリミックスを送っちゃったんだ。そのあと僕がオンラインになったら、アイシスがいきなりオフラインになってさ。だから、あぁ、もう僕らは終わりだって思ったわけ。2間オンラインにもならないし。そしたら2日後彼女が返事をしてきたんだ。「何あれ!すごいクールじゃん!ああいう音楽を求めてたの」ってね。それがサンダーハイストの始まりだよ。実はね、その時彼女はリミックスを送り返してきたんだけど、それは僕のリミックスに彼女のラップが加えられたものだったんだ。途中途中のインストゥルメンタルの部分の上にね。それがすごくマッチしてたんだ。
G:もともと僕はもう一人別のプロデューサーと組んでたんだけど、その時よく彼が僕に“You were stealing thunder”(お前はサンダ―を盗んでる=人のアイディアを盗んでる)って言ってて、そこからサンダ―ってのがきたんだけど、もう世の中にはすでにいろんなバンド名が出回ってるじゃん?だからふたつの言葉をくっつけてひとつの言葉にしなきゃ!って思ったんだ。かつ、グーグルで検索してもでてこないやつね。で、グーグルでサンダーハイストを検索したら、みごとにゼロさ。で、「やったじゃーん」ってことでこの名前になったわけ。皮肉にも、僕はまたサンダ―を盗んだのさ。彼の言葉からね。彼はもうバンドにはいないのに、アイディアはいただいたってこと(笑)次誰かがバンドを作るなら、僕はオレンジ・オレンジ・パンダベアーをお勧めするね。でもワンワードにするのを忘れちゃダメだよ。グーグルでゼロにしないといけないからね。
ISIS(以下I):満足という言葉には当てはまらないと思う。例えば画家だっていくらでも色を塗り重ねることができるじゃない。ただいろいろな理由でいつまでも一つの作品には時間を費やすことができないし、完成させたという意味では満足感はあるわ。でももし時間が与えられたとしたら、もう一度手を加えたくなるでしょうね。そういう気持ちを次の作品までとっておくのよ。作品として完璧なものができたら、むしろ次に進むのが難しいと思う。ショーにしたって、ステージ前に緊張しなくなったら終わりよ。そういう気持ちがアーティストとしての活動を楽しく、新鮮にさせてくれる。じゃなきゃただの仕事ってだけになってしまう。
I:私は自分の音楽に呼び名をつけることに対してこだわりを持つ方じゃないの。でもリスナーにとってわかりやすくするとか、どういった音楽なのか想像がつきやすくするっていう目的の上では、「エレクトロ・ヒップホップ」という表現は近いんじゃないかしら。だけど、エレクトロ・ミュージックがあった上でヒップホップが誕生したっていうポイント、バンバータとかが80年代からエレクトロ系の音楽をやってたりとかっていう事実からすれば、“正確な”表現ではないのよね。だけど私は実際そんなの気にしてないの。それがオーディエンスにとって役に立つものなのであれば、クールよ(笑)
今はいろいろなジャンルがミックスされている。カニエ・ウェストっていうメジャーなアーティストがアンダーグラウンドのAtrakをDJに起用したりしてこれからもっと増えていくと思う。ただこのムーヴメントはアンダーグラウンドから始まったということをみんなには覚えててほしい。
ドナ・サマーやダイアナ・ロス、ジーザス&プリンスが、クレイジーなパーティをして、最終的に結婚しちゃうようなそんな感じ?(笑)でもジャンルにカテゴライズすることによって、行き詰まったりしたくないし、人によっても取り方が違うから難しいわ。
G:そうだね、皆が僕らのことをニューカマーっていうのは正しいと思うよ。聴いたことのないサウンドだからね。エレクトロ・ヒップホップに関しては、人はやっぱり何にでもタイトルを付けたがるのは仕方がないから、みんながそう呼びたいって思うんだったらそれにわざわざ腹を立てたりはしないよ。きっとアルバムがでたら、みんな僕らをカテゴライズするのが難しいって気づくと思うし。ジャーナリストは特になんでもカテゴライズしたがるよね。まぁ誰でも結局はどこかに位置しないといけないから、皆が僕たちをどこかに位置付けてくれたってのはハッピーではあるよね。でも僕は自分たちの音楽はやっぱりかっこいいドラムと、ヘビーなベース、変化するテンポとリズムでできてる特別な音楽だと思う。とにかくアルバムがでれば、みんなもっと違うアイディアを思いつくんじゃないかな。やっぱりまだみんなに自分たちの音楽を披露しきれてないからね。ライブにくるお客さんはもうわかってくれてるかもしれないけど、製品としてはまだまだなんだ。ドラム、ベース、シンセサイザーみたいにお決まりの要素はもちろん使うけど、僕は特になにかひとつのスタイルの音楽を作ろうとはしていない。僕はもう15年もDJをしているから…そう、みんなが思っているより僕は年上なんだよ(笑)31歳。ちなみにアイシスは23歳。僕らが若かったら、ここまで考えないかもしれないけど、まぁとにかく、これだけ長くDJをしていると、数え切れない音楽を聴いてかけているわけだから、ひとつには縛られないんだよ。しかも僕は飽きっぽい性格だし、いつもたくさんの種類のものを試そう、作ろうとしてる。
サンダーハイストサウンド!
I:それはお兄ちゃんの影響ね。今でもお兄ちゃんのラップは覚えてるわ。ホントにかっこよかったし、尊敬してたの。才能を持って生まれてくる人っていると思う。私は小さい頃からアーティストだったと思うし、ラップはきっかけなのよ。写真家になるときが来るかもしれないしね(笑)MCになろうと思ったのは12歳の頃ね。絶対最高のラッパーになってやるって(笑)
I:ワオ!すごく難しい質問だわ。今思い出せない人が絶対いるんだけど、でもライヴってまずオーディエンスやファンなのよ。とにかくエネルギーが大切なの。だから実際共演者は半分も覚えてないのよ(笑)それより、ステージ上の瞬間を記憶に残していきたいの。こんなこと言ったらグラハムに怒られちゃうかもしれないけど(笑)あ、でもデス・セットのことは覚えてるわ!ジョニーは本当にクレイジーよ。一緒にツアーができたらすごく楽しいと思う。私は自分のことをけっこうハイ・エナジーな人間だと思ってたけど、彼らを見たら本当に恥ずかしくなっちゃったくらいよ(笑)
G:ベガスでやったショーだね。オールドスクールっぽいやつなんだけど、そこはフランク・シナトラとか、50年代に活躍した人たちが演奏したことある場所なんだよ。ホテルなんだけど…ごめん。名前を忘れちゃった。で、とにかくライブだけじゃなくていろんなイベントが行われるんだ。ビキニコンテストとかタレントショーの合間に曲を披露するわけ。今までの中で一番変わったショーだったから印象に残ってるね。あとね、最近ロンドンでもギグをやったんだけど、外にDJスピーカーが設置されてさ。Youtubeでも見れるけど、道でゲリラライブをやったんだ。マイスペースにも載せたからチェックして!音楽のメッカのロンドンでそれをやったのはホントにクレイジーだったよ。すごく楽しかったし。ロンドンって、人に印象を残すのがすごく難しい場所だからね。しかも選り好みがすごいし。ニューヨークも他の大きい都市もそうだけど、やっぱりたくさんバンドやアーティストがいるからね。共演したアーティストは・・100以上ものショーをやってきたからなぁ・・・カナダのDandi Windはよかったよ。バンクーバー出身のエレクトロニック・パンクの子。彼女のライブパフォーマンスはマジで最高だった!天井から何かはがして、それを観客の男の頭に載せて、そこに向かってジャンプしたんだ!アイシスはそのショーに出る他のアーティストを見るのを楽しみにしてたんだけど、彼女を見たとたん釘付けさ。他はどうかな。サントゴールドもよかったし、あとは…僕もデスセットだね!
G:え?彼らのこと知ってるの?マジで!それはクールだ。こないだのショーは超クレイジーでかなり気に入ったよ!
G:一緒にプレイはしたけど、まだ遊びにいったりしたことはないんだ。でも共通の友達はいるし、そのうちまた絶対会うと思うよ。彼らが僕らの曲のどれかをリミックスかカバーなんてしてくれたら最高だね。
G:ステージでは、常にオーディエンスのみんながちゃんと自分自身を楽しんでるかを考えてる。僕らのギグはクレイジーだよ!
I:アイ・ラブ・ユー!アルバム買ってね!あとは…コンニチワ!!ショーにも絶対きて!
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