INTERVIEWS

DAMIAN LAZARUS

2年前に音楽制作に力を入れようと決めたんだ。歌詞を書いて、曲のアイディアを紙に書き留めておくようにして。それでメロディのアイディアが浮かんだときに、そういったアイディアを合わせて曲を完成させていったんだ。歌詞を書き始めたころからダンス・フロア仕様の音楽ではなく、歌を聞かせるための曲を書きたいと思っていた。今作ではそれを形にすることができたと思っているよ。自分がアルバムを作るとしたら、どんなものになるのか最初は自分でも検討がつかなかったから、今まで制作した全ての音源を、コンピレーションアルバムのように一緒にして、何ヶ月も聴いたんだ。音
楽の流れやアイディアを掴む為にね。アイディア、歌詞、そしてメロディ、サンプルに関して色々なアイディアがあってそれらを形にするために誰か一緒に働く人を探したいと思ったんだ。それでアーサー・ジェフズを見つけたんだよ。 最初はアーサー・ジェフスと一緒に仕事をしていたんだ。彼はペンギン・カフェ・オーケストラのサイモン・ジェフスの息子でね。ただアーサーといざ一緒に仕事をしてみたら、彼はクラシックの教育を長年受けてきた人ではあるけど、ダンス・ミュージックに関しては全く経験がないことがわかってね。それでルークをスタジオに誘ったわけだけど、一番最初に彼と出会った頃は少し問題もあったんだ。僕らは二人ともレーベルを持っていたし、オフィスも隣同士で、僕らは仲の良い友達という訳でもなかったからね。でも僕らには共通の友人がいて、彼等が『君たちは音楽性にしても共通点が沢山あるんだから一緒になにかやるべきだ』という事をずっと言っていたんだ。だから僕とルークが組んで、一緒にこのアルバムを作った事は、僕ら自身驚いていることでもあるし、自然なことでもあるような気がするんだ。ルークはとても頭が良いし、音楽の知識も素晴らしく、なにより素晴らしい才能を持っている。アーサーはクラシックの音楽の知識を豊富に持っているしね。僕ら3人で組んだ事で、とてもユニークな作品を作り出す事が出来たと思っているよ。彼等と一緒にやる事はとても面白かったし、心地よく仕事ができたね。 そうだね。僕が個人的に好きな音楽が表れていると言っていいかな。僕はこのアルバムを出来るだけ私的な感じにしたかった。皆に僕という人間、そして僕の音楽の好み、そういう僕個人としての人間を知ってもらいたかったんだ。このアルバムでは僕が影響を受けてきたものが沢山現れている。いくつかは直接的な形で、いくつかは間接的な形でね。このアルバムで僕は自分自身のことについて、僕が今まで経験してきたことについてたっぷりと書いた。だから歌をとっても、僕はシンガーじゃないけど、自分で書いたとても個人的な詞だから、自分で歌いたかったんだ。 もちろんだよ。曲を書き始めてから、僕は様々な曲やアイディアについて考え、実験を繰り返していたんだ。LAZPODを始めてわかったのは、僕を知っている人やファンは僕にダンス・フロア・ミュージックを期待していたということ。だから、LAZPODは僕がクラブでやっている事と、アルバムでやろうとしていることの橋渡し的なものにしたいと思ってやっていくことにしたんだ。LAZPODでは僕が影響を受けた音楽や個人的に好きな音楽を沢山流しているよ。大体3万人から4万人の人がアクセスしてくれている。 このアルバムは不思議の国のアリスを参考にしてみたところもあるんだ。不思議の国のアリスはアダルトなテーマが隠されている典型的な子供向けの童話なんだよ。子供に向けて作られているのにドラッグへの言及が盛り込まれていたりね。子供向けの話なんだけど、暗い世界が子供の童話に扮しているとでも言えばいいのかな。映画を見終わったような感覚になったって君が言ってくれたことについてなんだけど、僕は映画が大好きだから嬉しいね。映画音楽を作るのもいいと思っている。それに自分自身でも、このアルバムはなかなか映画的だと思っている。実はいろいろな映画を参考にしていたりもするんだよ。どの曲がどの映画を参考にしているとは言えないけどね。僕は映像を音楽に合わせることについても興味があるんだ。 もちろん。アーティストと一緒にスタジオに入ったり、色々な人と音楽について話し合うことはとても素晴らしいことだと思うよ。僕は今まで演奏や楽曲に対しての感想や意見を求められることが多かったんだけど、みんな僕のアドバイスを喜んでくれていたと思うしね。この経験は僕の音楽作りに大な影響を与えていると思うよ。 奇妙でそして素晴らしい (Weird and wonderful) 不思議の国のアリスから取ったんだ。(We'll smoke the blighter outの歌詞より。) とても良かった。正直、行く前はそこまで期待していなかったんだけど、実際行ってみたらすごく良かった。僕はLAのとても綺麗な地域、エコーパークっていう所に滞在していたんだけど、そこは緑が生い茂っていて、野生動物がたくさんいて、とても魅力的な所だった。ハリウッドからも程よく離れていて、うるさくなかったしね。今LAにはとても強いハウス、テクノシーンがあるんだ。クラブ、パーティ、人々がとても素晴らしかったと思う。基本的に、天気が毎日すばらしかったしね。 アンダーグラウンドとは、大衆向けの音楽でなく、やりがいがあり、ひねり、エッジがある音楽の事を指す。僕は自分のことをアンダーグラウンドのアーティストだと思っているんだけど、アンダーグラウンドの音楽シーンに根ざして活動を続けることは僕にとって、とても重要な意味を持っているんだ。 きちんと最初から最後まで聴いてもらいたいというのが一番かな。環境といったことに関しては、仕事先でも良いし、ヘッドフォンをつけながらでも良いし、ハウス・パーティの時、パーティやクラブから帰ってきて家で聴いてもらってもどこでも良いと思っているよ。バックグラウンド・ミュージックとしてではなく、集中してきちんと聴いてもらえれば嬉しいよ。 今はライブの準備をしているよ。良い感じに進んでいる。プロジェクトに関しては僕のレーベル、Crosstown Rebelsから良い音楽のリリースの予定も沢山あるし、セカンド・アルバムにも取りかかりたいな。