青山のクラブLOOPで開催しているパーティーで、ジャンルは「若い世代が作るClub Jazz/Cross Over」って感じです。今、このシーンの第一線で活躍しているのは、30代、40代の先輩達だと思うのですが、(KYOTO JAZZ MASSIVE、松浦俊夫氏など)若い世代から新しいメッセージを発信したいな、というのがコンセプトで、
音に関しても、メインストリームのものではなく、イギリスやヨーロッパで、リアルタイムに流行っている若い音楽・・・ブロークンビーツ、ダブステップ、ビートダウンハウス、ビートジェネレーションと呼ばれる音楽が中心ですね。その辺の海外アーティストを積極的に招聘したりしてます。
元々は、僕がロンドンで、CO-OPっていうIG CULTUREやBUGZ IN THE ATTICが出演しているブロークンビーツのメッカみたいなパーティーに遊びに行って衝撃を受けたんですよ。フロアとDJブースの距離感だったり、お客さんの音楽に対する知識だったり・・・そこでたまたま、ヨシヒサ(現absolute!!のオーガナイザー)や、ロンドンで活動している日本人KAY SUZUKIと出会って、「これ日本でやろう!」って話になって、東京帰ってきてから始めました。
MONO(以下M):
サンフランシスコに留学していて、向こうでFrescoっていうイベントをやってました。日本人だと、沖野修也さんや、Mitsu the beatsさんを招聘してました。あとはDweleとかSa-Ra Creative partnersとかとイベントやってましたね。基本はパーティーアニマルです。(爆笑)
KEY-M(以下KEY):
ヒップホップをメインで制作してますね。元モンドグロッソのMCでB-BANDJ、KaijinのYuichi Isakaのソロアルバム、Val、Prophet 21に楽曲を提供したりしてます。だから僕にとってこのabsolute!!はちょっと異色なんですが、制作する上で新しいイマジネーションは大切なので、色々吸収させてもらってますね。
JOHN
僕は元々KYOTO JAZZ MASSIVEの沖野さんのパーティー「TOKYO JAZZ MEETING」にDJで参加させてもらっていて、その後absolute!!の制作をしたり・・・あと最近はダブステップや、フィジット、エレクトロなど、かなりレンジ広くやってますね。僕にとっては全て繋がっているんですよね。UKのベースラインカルチャーっていう括りで。
KEZ-YM(以下KEZ):
デトロイトハウス系の音楽を制作していて、「4lux」というロッテルダムのレーベルからアナログをリリースしたり、YORE(Alton Millerなどが所属する)と3年契約したんで、そこからリリースが続いたり、秋にはヨーロッパツアーにいく感じです。あとは、「redbull music academy」に2007年に日本代表で参加しました。あとはポッドキャストで「cosmopolyphonic radio」っていう番組をやってます。
J:
考えてみると、2006年(AROOP ROY)、2007年(KEZ YM)、2008年(SAUCE81)って3年間連続でabsolute!!のDJとスタッフが「redbull music academy」に選出されているんだよね。
*redbull music academyとは、redbullが主催する音楽学校で、毎年世界中から50名程度の若手アーティストを一箇所に集めて音楽制作について学ぶ短期スクール。講師にはQuest Love、Amp Fiddler、Derric May、Adrian Sherwood、A-trakなどが教壇に立つ。
absolute!!のイベント内で、CDRっていうコーナーがあって、家でコツコツと音楽を作っているけど、クラブにも普段行かないようなマニアックなアーティストを集めて、クラブのサウンドで彼等の音楽を視聴するっていうコーナーがあるんだけど、多いときで40人くらいが、自分の作った音楽を持って集まるんですよ。しかも皆クオリティーがすごく高い!!クラブって、DJやライブミュージシャンじゃないと出演するの難しいじゃないですか。プロデューサー業だけやってる連中にも機会を与えたのはうちのイベントの功績ですね。だから自然とクリエイティブな人が集まって、「redbull music academy」にも選出されたのかなって思います。アーティスト同士の交流って日本のクラブシーンは特に閉鎖的だから、海外みたいなノリで交流が生まれればいいなっていう。
M:
まあ「鑑賞会」っていえば面白くない響きになっちゃうんだけど、まだ作品を出してない新進系のアーティストが集まる・・・ってだけでもかなりメリットがあると思う。集まってくれた名前も知らないアーティスト同士が繋がって、「一緒に音楽作ろう!」とか、「今度ヴォーカルでお前の曲に参加したい!」とか、そこで新しい創造の芽ができるから。
KEY:
集まる「場」があるっていうのは、作る側(音楽を)にしてみたら大きいと思うんですよね。陽の目を浴びてない人たちにとってキッカケやモチベーションになるからね。実際それがキッカケでデビューした人や、新しいユニットもたくさんいるしね。
J:
単純な話で、俺たちが呼ばなかったら日本に紹介できないカッコイイアーティストって世界中にたくさんいるんですよ。このシーンの先輩方が見てるものと、俺たちが見てるものにもギャップがあるんで、先輩方が呼ばないなら僕等がやるしかないな!っていうそれだけです。
J:
もちろん僕等のパーティーだけでは経費はまかなえないので、東京以外の都市で同じような志をもっている人たちと一緒に複数公演を組んだり、アーティストにもコンセプトを理解してもらって、ギャランティーを抑えたりしてやってます。ビジネスではなくて、みんな音楽に対するモチベーションだけやってる感じですね。でもそこから得られるものは大きいです。
M:
あれこそがabsolute!!なんですよ。アルバム自体これまでabsolute!!に出演してくれた、SIMBAD、KARIZMA、KAY SUZUKI、replife、SCOTTなどのアーティストの楽曲や、CDRに参加してくれたメンバーの曲、absolute!!メンバーの楽曲を集めたコンピレーションだから、「うちらが何処を見ていたか?」ってのが解る内容だし、「まだ知られていないアーティストの作品を世に送り出した」って意味でもabsolute!!らしいかなっていうね。
J:
嬉しかったのは、うちらが必死に営業して「CD出してください」っていうスタンスでリリースが決まったんじゃなくて、たまたまゲストで呼んだMr. BONGOっていうUKの老舗レーベルで働くGrahamっていうアーティストが、僕等のパーティーに共感して、「うちで一緒にCD出さないか?」っていう話をもらえたから、「海外でも通用するんだ」っていう自信になりました。
*リリースはGrahamが運営するもう一つのレーベルUnique Uncutから。
absolute!! SOUND FROM TOKYOっていう名前の通り、「今」の東京の音が詰まっているって事でいろいろ注目されて、ジャイルス・ピーターソンが興味を持ってくれて、彼の有名なラジオ番組BBC RADIO ONE Worldwideで曲流してくれたり、absolute!!のメンバーAROOPが ジャイルスの番組にDJ ミックスで出演したり、知らないところで話が大きくなって、日本では松浦俊夫さんが気に入ってくれて、全国のLevisショップのCD視聴機に選んでくれたりしましたね。
KEZ:
色々理由はあるけど、ネクストステップに行く準備ってのが大きい理由かもね。
J:
個人的な活動も激しくなってきていて、当初の「きっかけ」ブロークンビーツのシーン自体もかなり落ち着いてきて、みんなも新しいサウンドに飢えてるからね。
KEY:
まあ「停止」じゃなくて「休止」なんで、僕等は一緒に色々やっていくし、3年間の歴史で築いた仲間の絆は大きいから、今後も当然一緒に何かしらやるだろうし。今後はワンオフでオファーもらえば全然absolute!!として他のイベントとかにも参加していくつもりです。
「個々のモチベーションの高さ」「海外と繋がり&アーティストを招聘」「CDのリリース」など・・・今後、若い世代でイベントに携わる人たちに向けたメッセージを一言ずつもらえますか?
JUNYA:
ひたすら動いてアピールすることですね。
人の繋がりを大事にすること。
J:
芽が出るまで、音楽をやり続けることですね。
それから「制限しない」ってのは大事。自分達がやりたいと思ったことに対して動いてみる・・・それが無かったら、CDも海外との繋がりも無かったからね。一人で出来ないことは人に聞いたりチームで動いたりして実現させる。結果を出していけば自然に人は集まってくるから。
KEY:
やり続けること、アピールすることはイベントでも、音楽プロデュースでも一緒だね。
KEZ:
前例無いことでもやりたいなって思ったらやっちゃう。
やったもん勝ちこれに尽きる。
M:
先輩方がやってきたことは大きな道しるべだし、後輩が動いてくれるから僕等が活きてくるってことを忘れずにそれぞれのゴールを目指してもらいたいっすね。僕等がやってきたことが正しいかどうかはわからないけど、楽しんでやってたら結果がついてきたから、楽しんでください。
そんなabsolute!!最終回7/3(金)@LOOP・・・レギュラーDJに加えて、スペシャルゲストも多数参加予定なので、皆さん遊びに来てください。
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