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Sety

僕のファーストレコードは父からプレゼントしてもらったイタリアの映画監督Frederico Felliniのサウンドトラックのコンピレーションで、作曲家Nino Rotaのレコードだよ。あと自分で初めて買ったのは、Michael Jacksonの"BAD"かな。当時、将来はダンサーになりたいって思っていたんだけど、最終的には考えを変えちゃったんだよね。その後は10歳でドラムをプレイし始めて、ファンクとヒップホップの世界に飛び込んだんだ。当然の流れでその背景にあるものが知りたくなって、ジャズにハマっていったなぁ。そうこうしてるうちにエレクトロニックミュージックにどっぷりハマってしまって。今、うちにいるときはなにかしら音楽を聴いているけど、エレクトロニックミュージックはさほど聴いてないかも。ほとんどジャズやファンクやブラジリアンミュージックかな。 14歳の時に、パーティーでArkとPepe Bradockがプレイしているのを見てから。グルーブが転がる石みたいにコロコロと変わっていって、みんなアポロ四号みたい離陸していったよ。僕はその時どんな顔をしてたんだろうね(笑) クラウドだね、彼らのフィードバックだよ。そしてバイブスを一緒に作りげること。 高校時代に友達とドラムをプレイしていたときじゃないかな。その時はFishbone、Bodycount、 F.F.F、Urban Dance Squad、Bad Brains、といったバンドにかなり影響されていたよ。それに90年代中期のメタルフュージョンのバンドにもかな。そのあとでEMUのサンプラーを最初に買って、エレクトロニックミュージックを制作しだしたんだ。それが1998年。Circus Companyをスタートさせる一年前だね。 最初に使っていた機材は、古いサンプラーとシンセとコンピューターが一緒になったコンボタイプのやつで、一緒にレーベルを始めたKeanとFreakと僕とでスタジオにある全ての機材を共有していたんだ。数年の間、毎晩のように僕らはそれぞれに音の旅という実験をして楽しんでいたよ。僕らはアナログサンプラーやシンセをけっこう持っていて、それをCubaseに繋いで使ってたよ。それから徐々にデジタルの機材へとセットアップを変化させていったんだけど、僕はまだサンプルは生演奏から録音してる。シーケンス面ではPro ToolsかLogicを使っているね。 90年代後半のフランスシーンはフィルターハウスの波に象徴されていて、最終的に僕や僕の友人たちはそのシーンに少し疲れてしまっていたんだ。そして僕らのトラックをリリースしてくれるレーベルを探しているうちに、一番良い方法は僕らでレーベルを始めることだとすぐ分かったんだよ。実際、パリでは僕らの音に興味を示してくれるレーベルもなかったし。フィルターハウス以外が入り込む余地なんて全然なかった。だから当時のシーンにあんまりしっくりきていない僕らの音楽をさっさと街に送りだすのには、あれがいままでで一番いい行動だったんだって今となっては確信してるよ。それで同じような状況に喘いでいたアーティスト達をプッシュする機会を得ることができたんだ。 Circus Companyは、Thomas 'Kean' Murphyと、Nicolas 'Freak' Sfintescu (Nozeのメンバー)、それに僕の三人で立ち上げたよ。はじめはほとんどThomasが音楽を作っていたんだけど、まもなくグラフィックデザインの勉強をするためにアメリカに引っ越すことになって。Nicolasは音楽に専念していて、Ezechiel Pailhesと一緒の彼のプロジェクト、"Noze"に多くのエネルギーと時間を注いでいるよ。
僕はというと、最初の二年はけっこうな時間をスタジオワークに注いでいたけど、その後はレーベルのデスクワークに費やす時間がどんどん増えていったね。アーティストを探したり、プロジェクトの準備をしたり、パーティーをオーガナイズしたり、いろいろだよね...。最近は僕らは全部のデモを一緒に聴いて、Circus Companyからどんな音をリリースするのか、全員の意見が一致するようにしてるよ。そして今もレーベルの事務的なことは僕がやっていて、レーベルに送られてくるプロモには注意を怠れないんだ。 最初はコンセプトなんて無かったんだよね。僕らはすべてのリリースから共通性が見出せるようになるまで、できる限り間口を広く持っていたかった。もちろん有意義なテイストでナマ身のミュージシャンが生の楽器をプレイするパートが組み込まれてるのも、欠かせないコンセプトのひとつだよ。結局のところ僕らは、音楽への自由なアイディア、ジャズスピリット、そしてナマ音の臨場感が大好きなんだと思う。 うーん、面白い質問だね。ちょうど僕も先日そんなようなことを考えていたんだ。僕らがレーベルを始めた頃はとてもラッキーで、レコードをプレスするのもお店に卸すのも今よりはるかに簡単だったんだ。
とはいっても最も重要なポイントは、そこに強力なアイディアがある良い音楽があることだ思うよ。それらはレーベルの格別な個性を生み出すのを助けるし、レーベルの顔として一番大事な部分だよね。あとは、もしもレーベルのトップだったら、レコードコレクターを捕まえるためにアートワークにもこだわるべきだね。 次回のリリースはJohn Shananigans。もちろん彼の本名、Mike Shannonは聞いたことあるよね。このリリースにはSkat Man Dooというシンガーとのコラボレーショントラックも含まれているよ。そのあとすぐ、Homewerkersが素晴らしいディープハウスの"with attitude"をリリースするよ。彼らはドイツのコンボでTrus'MeやFirecracker Recordingsに通じるバイブスがあるね。
そしてその次のメインプロジェクトは10月末。Circus CompanyのファーストコンピレーションCD"Snuggle & Slap"が二枚組でリリースされるんだ。Noze, Ark, dOP, Guillaume & The Coutu Dumonts, Oleg Polikakovや他にもたくさんのアーティストが盛りだくさんだよ。このコンピレーションのコンセプトはそれぞれのアーティストの隠れた一面を紹介することなんだ。"Slap"サイドではダンスフロア指向のいつものような音が聴けて、"Snuggle"サイドでは彼らのもう少しイージーリスニングな方向性を聴くことができるよ。最近、レーベルにはこの方面の楽曲のリリースが少ないと僕は感じているんだ。特に、数年前と比べて、"ダンス"という企画の上で成り立っているアーティストのことが会話にのぼる機会が多いときとか…。だから、このコンピレーションは音楽のちがった素敵な一面を見つけることができる、とても良い機会になると思うよ。たとえそれらのトラックをクラブでプレイすることが出来なくても、また違ったシチュエーションできっと楽しむことができるんじゃないかな。
それからそのまた次のLPのプロジェクトは2010年2月でdOPのファーストアルバムだよ。 僕らのパーティーは素晴らしいよ。いつも友達がたくさん集まるいい機会になってるし、みんなで良い音楽を楽しんでいるよ。次の開催は10月24日で、さっきも話したコンピレーションCD、"Snuggle & Slap"のリリースパーティーで、dOPのライブ、Zip、それに僕がプレイするよ。 DJならば無条件にZip、Vincent Lemieux (Musique Risque)、Daniel Bellだね。だけどZipだけはいつもいつも、いつでも僕をクレイジーにさせてくれると言わなきゃいけないな。彼は本当に音楽への旅路を実現させるんだ。彼で退屈することはないだろうね。彼は男の中の男だよ!!それからライブセットならdOPで、彼らは本当にユニークだよね。それにBaraccaレーベルのAFFKT、彼もまた素晴らしいトラックを作っているよ。 Montreux Jazz festivalでのPrinceのショーのチケットを探していたよ。いや、信じてほしいんだけど心底骨の折れる作業だったんだって!それに加えて、来年出すEPの準備に多くの時間をかけているよ。 Cadenzaのレーベルマネジャーをすることになったから、今年の三月にスイスに引っ越したんだ。 チューリッヒのDachkantineが僕のお気に入りスポットだったんだけど、残念ながら数年前にクローズしちゃったんだよね。ベルリンのPanorama Barよりもクレイジーな場所だったのにな。上手く伝えられたらいいんだけど…。でも同じオーナーが新しいクラブ"Zukunft"をチューリッヒにオープンして、そこもすごくいいよ。パリならやっぱりRex Clubは外せないでしょ。 僕はよきフランス人だから食べ物にはまったく目がなくて、この機会を活かして日本の食文化を探求したいんだ。当面の僕の好奇心は、世界中の料理に向かっているんだよね。最高のお好み焼き、コロッケ、カツ丼、シャブシャブ、ラーメンを見つけたいし、それに温泉にも行きたいな。僕は日本に行くのは今回が初めてだし、UNITでプレイするのはとても光栄で嬉しいな。待ちきれないよ。 このまえdOPに会ってね、彼らといろいろと話していたら、彼らはUNITでプレイしたんだって。とても素晴らしい場所でクレイジーな夜だったと聞いたんだ。僕がプレイする時もそうあることを望んでいるよ(笑)それじゃ8月14日にUNITで会おうね!!Sayonara。