Pablo Valentino
TEXT BY: Interview : Timothy Really
「FACES RECORDS」は2001年にスタートしたんだ。僕は1996年からDJとしてのキャリアをスタートさせたわけなんだけど、1999年ころから本格的にDJとしての仕事を受けるようになったんだ。そして、当時無名だったL’AroyeやInverse Cinematicsなどのプロデューサーからもらったデモを聴いて、それがトップクオリティであることを理解すると同時に、それらをリリースするレーベルが必要だと思ったんだ。僕はそのころ「Zero dB」のブッキングマネージャーをやっていて、Chris Vogado(Zero dB)に助言してもらいながら「FACES RECORDS」を始めたんだ。レーベルの名前は、覚えてもらいやすように、そしてさまざまなカラーを持っているという意味を込めて、こうしたんだ。
「MCDE」は2年前に、長い友人であるDanilo(Inverse Cinematics)が、「Motor City Drum Ensemble」というプロジェクトをスタートさせて、その楽曲を聴いたときにとても「生(Raw)」っぽかったから、「FACES RECORDS」の別レーベルとして、彼と一緒にスタートさせたんだ。
量ではなく「質」にこだわることかな。リリース数を多くするのではなく、すべての作品を傑作にするんだ。そうじゃないと時間もお金もエネルギーも無駄にしちゃうからね。
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僕が大切にしているのはガールフレンドの存在かな。常にインスピレーションを与えてくれるし、僕の気分が落ち込んでいるときも、献身的にサポートしてくれる。時間がすぐに過ぎ去ってしまうことや、大好きな人がいなくなってしまうことが苦悩ではあるけれど、それで長くふさぎこむようなことはないかな。情熱的に生きていられる人生、それを感謝しているよ。
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日本に来るたびに毎回おもしろいことが起きるね。今回の滞在では、新島で行われたフリーフェスティバル「Wonderland」(9月12日~13日)に行ったんだけど、そこは独特のバイブスが流れていて、いい経験ができたよ。東京は世界でもっとも好きな都市のひとつでもあるんだ。常に僕を驚かせてくれるし、新しい場所にも行けるし、新しい人にも出会える。だから今回のように、1ヶ月ぐらい滞在してもぜんぜん飽きないよ。
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もちろんMotor City Drum Ensembleだね。そのほかに、Medlineと彼のクルーであるPropagroundかな。彼らはパリ出身で、ラップをやっているんだけど、ヒップホップだけでなく、ブロークンビーツやジャズ、ブギーなどが融合しているんだ。彼らのアルバムは本当にオリジナルな作品だと思うよ。それにKira Nerisというプロデューサー。FACES RECORDSからセカンドアルバムをリリースしたばかりだけど、そのアルバムはメロディが美しくて、ビートラインもすごくやばいんだ。あとはDorian Concept、Mr Dibiase、Samiyam、Mono/Poly、Jazzy Sport周辺はいつも注目しているよ。
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うーん、それってずいぶんむずかしい質問だね……。4heroの「Two Pages」か、Miles Davis & John Coltraneの「Live in Seattle」かな。