ですね。8作目なんで「MOTIVAITON H」ってタイトルにしました。
アルファベットで8番目がHでしょ?
去年スタートさせたパーティーで、"No Peak, More Music"ってテーマがあるんだけど、いまクラブって全部が全部とはいわないまでも、割と縦ノリっていうか、ずっとテンションの高いピークが続くようなプレイが多いじゃないですか。流行とかもあるから、それが悪いとはいわないんだけど、僕としてはピークチューンだけじゃなくて、もっと幅のある選曲が楽しめる場があってもいいんじゃないかなと思ってたんです。僕がニューヨークでDJを始めたとき、夜11時から朝5時まで1人でプレイしてたんですね。
で、それだけ長い時間やるとなると、最初はボサノヴァとかレアグルーヴとかでスローに始めて、お客さんが入って来て徐々に踊る人が増えて来たら少しずつ上げていきながら、カーヴを作って一晩をコントロールしてたわけです。TPOっていうか、やっぱり時間帯とかお客さんの様子とかを見ながら雰囲気で曲を選んで、結果、いろんなジャンルの音楽をかけてたんですね。そんな僕のDJをバックに成就した恋を、ブースから見てたりもして(笑)。
クラブってそういう側面もあったよな、って。で、そういう話を表参道のmontoakとか駒沢のBOWERY KITCHENとかをプロデュースしてるカフェ界のヒットメーカー山本宇一さんとしてたんです。そういう場を作りたいよね、って。
いろんな幅での選曲を楽しめるって部分と、社交場としての空間って部分と。いろんな文化が生まれる場というか。
そうですね。このシリーズは元々「MOTIVATION」に来てくれるお客さんとかから「●曲目にかけたあの曲、好きでした! 何て曲か教えて欲しいです!」みたいなことをよく聞かれてたんで、全部に答えることはできない代わりに、僕が最近よくかけてたのはこの辺の曲ですよ、っていうお裾分けとして始めたんですね。なんで、途中1枚はMOODMANのミックスCDっていう変化球もありつつ、基本的にはフロア映えする曲が多かったと思うんです。でも今回は同じハウスでも、鉄板系のフロアキラーだけじゃなくて、朝方かけるようなアフターアワーズ系だったり、ピーク前にビルドアップでかけるようなテッキーでミニマルっぽい曲だったり、あと最近気に入ってよく聞いてる8ビットレゲエだったりいろんなエッセンスの曲を選んでて。
そう。JAHTARIっていうドイツのレーベルがあって。JAHとATARIで。
もちろん鉄板系も入ってるけど、いま言ったあたりは、「MOTIVATION」で朝方もう1回DJするときとか、「HOTEL H」とかでけっこう重宝している曲で。
頭に2曲、終わりに2曲入れてますね。1曲目の「Milky Way」は、まりん(砂原良徳)がある企画用に去年リミックスしてくれてたんだけど、それをこのコンピ用にもう1回手を加えてくれてて。なんで完全には全世界初お披露目のバージョンですね。大沢伸一と一緒にリミックスした「Mind Wall (SO TT Remix)」と「Lyricist (ajapai Remix)」、「Taste of You (Zickzack Remix)」は配信限定リリースだったのをCD用にマスタリングし直してます。
全然アリですよ。来てもらえばわかると思うけど、ピークチューンを禁止してるわけじゃないんです。キャッチコピーにはそう書いちゃってるけど、ピークオンリーが禁止って意味なんですよ。要は抑揚のある選曲をしたいというか、情緒のある一晩を作りたいっていうか。
「MOTIVATION」と「HOTEL H」が隔月であるんですけど、その都度DJの仕込みをするわけじゃないですか。今までは買って聴いてはいたけど、「MOTIVATION」だけだったからかけなかった曲もたくさんあったんです。でも今はそういう曲が「HOTEL H」で活躍したりするんですよね。で、そうすると今まで使ってなかった体内アーカイヴが開かれたっていうか。だから、今回は2つのパーティーの最大公約数的な選曲をしてみたかった。ハウスミュージックという軸はあるんだけど、その軸を中心に、どこまで幅を広げられるか。
おもしろいコンピになったと思いますよ。1枚と言わず、2枚買えば、誰でもDJ TOWA TEIになれるんで、ぜひ2枚以上買ってください(笑)。
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