INTERVIEWS

Milton Jackson

エレクトロニックミュージックを聴き始めたのは90年代中盤から後半にかけてからだね。ドラムンベースやハウスが好きだったんだよ。若いころはKerri ChandlerとかLTJ Bukemとかが好きだったんだけど、歳をとるにつれてSteven Tangみたいなディープでメロディックなテクノに惹かれていったよ。多分、初期のドラムンベースは現在の自分の楽曲に影響していると思う。(初期ドラムンベースが持っていた)ヴァイブスを見習おうとしているし、自分のインスピレーションはそういった古い楽曲から導き出されることが多いよ。 グラスゴーはスコットランドで一番大きな街で、すばらしいエレクトロニックミュージックのシーンがあるんだ。"Sub Club"や"The Arches"といったクラブもあって、ハウスやテクノのすばらしいパーティーが行われている。それにThe RevengeやGary Beck、Sei Aとか新しいアーティストもでてきているし、SlamとDJ Q、そしてStevie Soleが運営する"Tronicsole""Sole"というレーベルなどすでに確立されたものもあるしね。すばらしいヴァイブスがそこにあるし、確実に100点満点の都市だよ。ハウスとテクノのシーンがすごく力を持っているんだ。"Sub Club"は世界中でもお気に入りのクラブのひとつだとSteve Bugが言っていたけど、彼はよくわかっているはず。 制作にはLogicとAbletonを一緒に使っているよ。たくさんのサンプルとピッチをシンセの代わりに使っていて、そうする方が暖かみのあるサウンドになるんだ。あとたくさんのアウトボード、サミング・ミキサー、Oberheim MatrixとAkaiの古いサンプラーだね。オークションでシンセを買うのが好きで、何曲かに使ってまたすぐ売ってしまうんだ。常に新鮮でいるためにね。あとはドラムをサンプリングするのに昔のレコードとかをたくさん買ったりするよ。アナログからサンプリングすると音に暖かみが生まれる。もちろんノイズも一緒に取り込むことになるんだけど、サンプルCDからサンプリングしたようなきれいすぎるキックよりすばらしいことはたしかだ。だからアナログからサンプリングするのが一番いい方法だと思っている。それに最近はみんな一緒の機材を使って一緒のサンプルCDを買っているだろ? 自分の音にはそれと違った独自の風合いがあると思う。 EPを頼まれたとき、日本に向かっていくときの雰囲気をつかみ取ろうとしたんだ。だからタイトルも「Destination」にしたんだよ。それにこのトラックのメロディーには多様な動きがあって、旅行をしているような雰囲気を持っている。日本に向かう飛行機に乗るとき、いつもすごく興奮しているんだ。だからその気持ちを音楽にも再現しようとしているんだよ。それにヨーロッパから日本へ向かうときは、北を通るからロシアの上を通って北極圏の近くを飛ぶだろ。タイミングが良ければ、そこにすばらしい景色が広がるんだ。そんな気分を当てはめたかったんだ。 James Blakeの作品は興味深いと思うな。"R&S"からアルバムがリリースされる予定なんだけど、彼の音楽はショッキングだよ!Skudgeも好きだね。疾走感があって僕好みだな。次の「Tokyo House Underground」では、彼らやShur-i-kanをフックアップするべきだね!彼らならいい作品を提供してくれると思う。ほかにもたくさんかっこいいトラックが発表されているけど、個人的にはいつも80年代後半から90年代にかけての古いダンスミュージックを発見するのが好きなんだ。自分にとっては最高の音だね。とくにこの時代のフレンチディープハウスのプロデューサーは最高だよ。あとはSoundcloud.comで古いミックスを探すことにも凝っているよ。最近DJ Deepの94年のミックスを見つけたんだけど、とてもすばらしいね。