INTERVIEWS

Toddla T

2歳老けたことかな(笑) あとは、もうシェフィールドに住んでいないから、自分の周りを囲む人が変わったかな。それに……自分が旅をしたり、世界中を旅しているDJたち出会ったり。前よりもっとたくさんの音楽を聴いてきたから、前より自信がついたね。自分が力を入れているもの、好きなものに自信がついた。 ファーストのときは似たような音楽を聴いていたし、作っていたけど、今回は自信もついたし、自分がハマっているもの、好きなもののアルバムを作りたかったんだ。ファーストがクラブレコードなら、セカンドは家で聴くレコードやラジオ。それか自分が好きな音楽が詰まったレコードだな。 「スカンキー・スカンキー」のデザインをしたのは、友達のDJ PIPES。彼はゴシックデザイナーでもあるんだ。DJもすばらしいけど、俺は彼の音楽のテイストもアートも、両方リスペクトしている。だから彼にデザインを頼んだんだ。いつか彼に頼もうってずっと思っていたんだけどなかなか機会がなくて"NINJA TUNE"に入ってから、やっと頼めるキッカケができてさ。アルバムのアイデアなんかを彼に説明して「すべてを託すから好きにデザインしてくれ」ってお願いしたんだ。そしたら彼が、Tシャツもデザインしたいって言うから、いいアイデアだと思って、それもやることにしたってわけ、すべて彼のビジョンだよ。でも、今回のデザインは違うんだ。シェフィールドにドロップ・デッドっていう服のブランドがあって、そのブランドはブリング・ミー・ザ・ホライズンていうメインストリームロックバンドのメンバーの一人がやっているブランドなんだけど、シェフィールド出身だったから、そのブランドのオフィスに行ってみたんだ。そのオフィスがまた驚くほどデカくて……。シェフィールドは小さな街なのに、今までよく知らなかったなって自分でもびっくりしたくらいさ。小さい街なのに「こんなデカイことをやってるなんてスゴい!」と思って、一緒に何かやろうって話になったんだ。音楽は全然違っても、出身は同じシェフィールドだし、俺たちは音楽作りに対して同じビジョンを持っていたからね。で、そのブランドに「ウォッチ・ミー・ダンス」のTシャツをデザインしてもらうことになったんだ。 とくにこれって状況はないよ。ただ、自分が納得できる音ができるまで作業するだけ。俺はいつもコンピューターの前にいるから、特別何かインスピレーションを受けるような場所ってのはないんだ。ラップトップだから、飛行機、家、スタジオとか、もともといろんな場所で音楽を作っているしね。好きなときに作れるし、あまりこれといったものはないな。初めからアイデアをもって曲を作ろうとする時もあるけど、大抵は実際に作ってみてどうなるかを試すことが多いよ。 最初に惹かれた音楽はヒップホップだけど、サンプリングの元ネタ、オールドスクールなR&Bやソウルのルーツを感じて惹かれだした。レゲエはUKのダンスミュージック、たとえばハウス、ジャングル、ガラージ、グラインド、ダブステップ、どれを聴いても実はレゲエが根底に存在していたりする。そこから自分で掘り下げてレゲエにハマったんだ。そして次にパントマイム的なモダンダンスホールレゲエにエンターテイメント性を感じて好きになった。プロダクション的に全部好きっていう訳じゃないけど、その娯楽感ブリが好きなんだ。僕はさまざまな音楽が好きだけど、その音のルーツを追求するのが好きなんだ。 そりゃあもちろん!夜に出かけるのは大好きだから、しょっちゅう出かけるよ。クラブじゃなくても、夜中に出かけたくなったらビリヤードしにバーに行ったりもするしね。 俺はシェフィールドのクラブの方が好きなんだ。何か心地いいし、流れている音楽もシェフィールドの方が俺好みの音楽が多いしね。ロンドンはデカすぎて…だから、実家に帰ってきたときは必ず出かけるんだ。シェフィールドではカバル(Kabal)ってとこによく行くよ。 彼に最初に会ったあの瞬間は最高だったよ。スタジオに入ると、ルーツ・マヌーヴァがプロってことを再確認させられたよ。彼は俺とは違うバックグラウンドの人だし、年齢も上だけど、彼の音楽とは距離を感じないんだ。本当に才能のあるミュージシャンだと思う。そのときそのときのイギリスの時代と音楽を常に捉えている。彼はそれが本当に得意なんだ。あえてそうしようとしているんじゃなくて、あれは才能だな。自然にそれができるのが彼なのさ。俺と彼は、音楽のスタイルをシェアしている。それぞれのやり方でね。もう皆分かっていると思うけど、想像を越える才能を持った男だよ、彼は。 彼とは今でも2週間に1回くらい会っている。この間まで、ビデオを一緒につくっていたんだ。今も昔も、彼との関係は全然変わらないよ。 日本は大好き!すばらしい経験をさせてもらったよ。自分の国からあんなに離れた場所なのに、その場所の人たちが自分の音楽をあれだけ受け入れてくれてるなんて、ビックリだった。今までのDJ経験の中でも、去年の日本のショーはベストショーのひとつに入るくらいさ。ショーもよかったし、新幹線にものれたし(笑)、最高だったよ!日本人の、ひとつのものに忠実になる姿ってスゴイと思う。日本にいって、音楽も遠くへ旅をするんだなってことを実感したよ。 まずはこのアルバムのリリースだろ?DJもやってくし、プロデュースもやりたいね。ライブやパフォーマンスもやりたいし、自分のラジオ番組をもてたらな、とも思ってる。あとは、ガールズ・ミュージックっていう俺が関わってるレーベルから、近々デイヴィッド・ハートブレイクってアーティストの作品がリリースされるんだ。彼は南アフリカの出身で、世界のいろいろな場所から影響を受けてるミュージシャンだよ。個性的で、最高のフィーリングを兼ね備えたパーティーミュージック。それがこのレーベルの特徴なんだ。そんなふうに、良質で最高のヴァイブを持った作品を世の中に送り届けて行くことも俺の試練だな。DJとして、そういった作品をプレイして、レーベルの作品を世の中に広げていけたらと思う。そうやっていい音楽を作っているのに、まだ知られていない彼ら(アーティストたち)にホーム(居場所)を与えるんだ。 去年のショーは最高の経験だったよ!マジでクレイジーだった!また日本に行くのが待ちきれないよ。日本のみんなが俺を必要とするかぎり、俺はいつでも行くぜ!