けっこう日本には足を運んでて、今回でたしか5回目くらいかな? 今回は名古屋と東京の2か所でプレイをしたんだけど、現在はワールドツアーの真最中ですごく忙しいので、残念ながら滞在期間は短いんだ。でも、やっぱり来た甲斐はあったと思うよ。昨日(Yellow)は特に良かったし、名古屋でプレイできたこともうれしかったよ。名古屋のパーティーは東京ほどは人が入らなかったけど、今まで名古屋でやったことがなかったからね。名古屋では、古い映画館をクラブに改装した中型のクラブでプレイしたんだけど、サウンドシステムもよくて満足だったね。名古屋のほうが、東京よりもクラウドの好みが多種多様だから、僕のウォームアップをしてくれたDJはポップスをプレイしていたんだよ!ポップスと言っても、カーディガンズとかカッコイイものだったけどね。それに対して東京では、しっかりと1つのサウンド、ハウスならハウス、テクノならテクノを求める人が多いんだと思う。これは東京のほうが、人が多いし、クラブも多いから、どこに行けば何が聴けるかってことを把握している人が多いって証拠じゃないかな。
Yellowは今回が初めてだったんだけど、期待どおりのクラブだったよ!ほどよい大きさだからクラウドとの距離も近く、コミュニケーションを取りながらプレイできたし、けっこう洗練された人が多かったから、かけたトラックを知っている人が多かったのも楽しかったね。
いや、僕はあんまり違いはないと思うよ。「日本は変わっている」とか「日本人は違う」って声も聞くけど、少なくともハウスミュージックシーン、エレクトロニックミュージックシーンでは、あまり違いはないと思う。ちょっとした文化的な違いとかは、あるかもしれないけど、基本的にはみんな一緒だって思うんだよね。最近は特にそう思うようになったよ。
昨日は僕にとってクラシックなセットではなかったんだ。とにかく最近のモノばかりを入れようと思ってプレイしたよ。特に聴いて欲しかったのは僕のレーベル「Pooled Music」から新しくリリースされたレコードとか、友達のMagik Johnsonのレコードなど、まだクラブで試したことのなかった音を入れて、クラウドの反応を観てみたかったんだ。メインフロア向きの音を中心にセットの半ばくらいにはちょっとタフな感じの音を入れ、後半にはちょっとエレクトロも入れてみたよ。
最近はハードなモノもプレイしているんだよ。自分に取ってちょっと違った音とかを試したいと思ってね。昔からよくかけてるラテンハウスとかディスコハウスばかりプレイしていてはクラウドも自分もつまらないからね。僕のセットに対するYellowのクラウドの反応はすごくよかったね! 当然クラウドの反応を観ながらプレイしてるんだけど、その流れでいろいろと試しても、しっかりついてくるんだ。
もちろん! Yellowのシステムはすごくよくて、僕は大きすぎるんじゃないの?ってくらいのサウンドシステムを装備したクラブでプレイするのが特に好きなんだけど、Yellowのサウンドシステムはまさにそんな感じなんでよかったと思うし、すごくプロフェッショナルな仕事をするスタッフに感謝しているよ。僕がよくプレイしているロンドンの「Neighborhood」と同等のスタンダードの高さを備えたクラブだと言えるね。
日本以外だとシンガポールの「Zouk」だけだね。でも、今中国でダンスミュージックシーンが成長しつつあるし、僕の「Pooled Music」レーベルも中国での配給権を得たので、たぶん来年は中国ツアー+台湾に行くと思うよ。
僕の最大の目的というか、願いは単なる「DJ」として知られることなんだ。自分自身1つのジャンルに囚われたくないし、「そのジャンルのDJ」として知られることも望んでいないんだ。僕はとにかく自分がイイと思った音楽をセットに入れたり、レーベルからリリースしたりして、多様なジャンル、スタイルを自分の音に取り入れたいと常に思っているんだ。最近ではエレクトロが好きでよくかけるよ。特にエレクトロ+90 年代ハウスの組み合わせがお気に入りって感じかな。
新しいアルバムから、もう少しで2つ目のシングルカットがリリースされるよ。あと、5月と7月にミックスCDをリリースする予定。5月のは日本に来る直前に制作が終わったんだけど、英NRKレーベルから出すんだ。今僕がプレイしているスタイルの新しい音をたくさん用いたミックスで、クラブっぽい仕上がりだね。エレクトロで始まり、タフなアメリカのウェストコーストハウスに変わり、Carl Craigの昔のトラックや、Bjorkのリミックス、Mobyの昔の曲なんかも入っている。新旧を織り交ぜた感じで、納得のデキになったと思うよ。
日本には毎年来てるし、毎回楽しいんで、とにかく来日を楽しみにしてるんだ。僕は今までに東京、大阪、京都、札幌などでプレイしたけど、できればもっともっといろんなところでプレイしたいね! だって、せっかく来たからにはその国のあらゆる面や場所を見たいってのは自然でしょ?
「読者のみなさま! Ian Pooleyは(ウェブを見るのに)遅くまで起きていてくれてありがとうと言いたいです!」
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