- ジャンルもあまり縛らずに、ハウスとかテクノ以外で、なんかちょっと新しい感じみたいな。DEXのセットでもプレイできるような曲をリリースしたいです。とりあえず、それが基本。 -
- まずは、MAARさんにお聞きしたいのですが、<SUB TRAX>とはどういうコンセプトの元、スタートさせたのでしょう?しばらく<ROC TRAX>は眠ってましたよね?
MAAR:
そうですね、しばらく眠ってましたね、スイマセン(笑)。まぁ、プロジェクトとしては動いてはいるんですけどね。〈ROC TRAX〉をどうするかというのは常に考えていて、クルー以外の音源を出したいなと思っていたのですが、じゃあそれを<ROC TRAX>で出すのか?と悩んだ時に、やっぱり<ROC TRAX>は<ROC TRAX>なので、それはそれで大事にしつつ、それとは別にクルー以外の若手をリリースするというコンセプトで新たに立ち上げたのが<SUB TRAX>ですね。ようやくここに至りましたね。
- 日本人の若手を中心にリリースするレーベルということでしょうか?
MAAR:
若手中心で、日本人以外のアーティストとも、どんどんコラボでやっていこうと思ってますよ。今、韓国のキング・マックというアーティストと一緒に曲を作っているんですけど、そういったアーティストの作品も出していきたいです。あと、ジャンルもあまり縛らずに、ハウスとかテクノ以外で、なんかちょっと新しい感じみたいな。DEXのセットでもプレイできるような曲をリリースしたいです。とりあえず、それが基本。DEXのプレイリストに入るようなもの。フロアチューンにしたいってのもありますし。
- その第1弾として、KOSUKE ADAMを選びましたよね。大抜擢かと思いますが、彼を選んだ理由や、きっかけなどがあったら教えて下さい。
MAAR:
たまたまです(笑)。いや、確か最初は4年くらい前に、ナイキの広告でランニングチームを作っていたんですが、その時に運動もできて、おもしろい若いやつを入れたいなと探してて、紹介してもらったのがKOSUKEです。それをきっかけに遊ぶようにもなって。当時は音楽的な接点じゃなかったんですけど。それからKOSUKEにミックスやってもらったTOPMANの企画盤で、一緒に曲を作ろうかという話になって、しゃべりも達者だからスピーチものにしようか、なんて言ってたら、突然ラップをしたいって。それで、試しに別トラックでラフを録ったら、それが意外にイケてたんですよ。そういった流れから、1からトラックを作ろうって感じになって。
- 今回のリリースはラッパーとしてのプロジェクト、FRANKO名義ですが、ラップもするのですか?
KOSUKE:
いや、別にラップが得意とかじゃないんですけど。そのTOPMAN企画のミックスCDの時に、何かオリジナルトラックを入れようと思って、当時はまだ曲も作ってなかったし、でもせっかくMAARさんと一緒にできるというのもあったので、ちょっと新しいジャンルに挑戦してもいいかなと。そこで思いついたのがラップでした。
もともと、アメリカに10年住んでたので英語は得意な方だし、それを活かせたらと思ったんですよね。歌よりラップの方がハマったっていうか。
- アメリカ在住時にインスパイアされた音楽はラップ、ヒップホップだったのでしょうか?
KOSUKE:
いや、僕はロックですね。ただ当時、普通にヒップホップは耳にしていたので、そのライムとかフローは自然に入り込んできてましたね。ヒップホップ、ハウス、ロック、とにかくいろいろなジャンルで自由に盛り上がって、そういうところに遊びに行ってました。
MAAR:
何がおもしろいかって、KOSUKEはいろいろな音楽を聴いてるのがすごいんですよ。今の海外のラッパーと一緒で、ロックも聴けば、ヒップホップも聴くし、エレクトロニカやドラムンまで、本当に幅が広くて。偏ってない分、良いのかも知れませんね。これにラップを乗っけたいって持ってくるトラックとかも結構おもしろくて、ディープハウスとかにもラップ乗っけちゃうみたいな。それが今っぽいとか思いますよね。
KOSUKE:
新しいチャレンジですよ。今、MAARさんと一緒に新しくいろんなものを作れてますし、いい経験になってます。
- なるほど、今っぽい、ありそうでないようなアイデアですね。MAARさんから一目置かれる若手DJ KOSUKE ADAMでなく、ラッパーFRANKOとしてのイメージが前面なのですね。
KOSUKE:
今まで、KOSUKE ADAMで作り上げてきたDJイメージで見てもらうよりは、新しい存在で見てもらえた方がおもしろいかなと。完全に名前も変えて、1からスタートしたいと思いました。
- レコーディングして、数週間後にMAARさんのスタジオで完成したものを爆音でプレイされた時は、刺激がすご過ぎて、鳥肌が立つくらい。こんなものができたんだ!みたいな。感動しました。 -
- トラックの完成度も高いと感じましたが、自分名義の曲と言う意味で完成した時どう思いましたか?
KOSUKE:
まず、何より自分の曲というのは、本格的に作った事がなかったので、できた時は本当に嬉しかったというのが第一です。レコーディングして、数週間後にMAARさんのスタジオで完成したものを爆音でプレイされた時は、刺激がすご過ぎて、鳥肌が立つくらい。こんなものができたんだ!みたいな。感動しました。
- プロデュースはMAARさんなんですよね。どんなイメージでトラックは制作されたのでしょう?
MAAR:
そうですね。アレンジ的には、流行りのEDMっぽいんですけど、単純にイカせたくなかったので、それっぽいけどビートは新しいみたいなことやってて。ちょっと捻くれてる感じ。ジャンル的にはトラップか、ダブステップか。でもBPMも途中で変えたりもしてるんですよね。
KOSUKE:
それが、またおもしろかったんですよ。ちゃんとしたトランディションがあるトラップっていうのが、その時なくて。もともと、僕のミックスのBPMが128くらいだったというのもあるのですが、そこにうまくハメ込むように作られてて。曲自体がおもしろい展開になってますね。使う側も4つ打ちのセットで、いきなりトラップにいきたいと思った時でもうまく違和感なくハマってくれるトラックなんですよ。
- この辺りの音はジャンル的には何て言ったらいいのでしょうかね?
MAAR:
説明が難しいですが、そこも狙いなんですよね。何て言ったらいいかわからないのが1番おもしろいっていうか。そういうのが作りたいと思ってるし。一括りじゃない方がいいですよね。ダンスミュージックです!終わり!みたいな。
- 今回は、リミックスも若手日本人アーティストが関わってるようですが、その辺りはどういう人選だったのでしょう?
MAAR:
近場のおもしろいやつ!勝手に僕が選びました。
まず、Fragment。最初はTAARに紹介してもらったんですよね。TAARのアルバムの曲のリミックスもやってるアーティストで、お薦めされて聴いたら超カッコ良過ぎて。それで今回頼む事になったんです。あと、WATAPACHI。彼らは一緒に遊ぶ機会もあって、実は真剣にトラップとかダブステップを作ってるのを知って、やってみない?という流れになったんです。日本での知名度はないんですけど、海外ではツアーとかもやってるんですよね。それと後は、大阪のDilly Dallyですかね。彼らは、やたらとトラック送ってきて、どうですか?どうですか?って超聞かれてて、最初難しいよって言ってやったんですけど、それでもめげずに連絡してくるんですよ。でもそのトラックがだんだんカッコ良くなってきて、じゃリミックス頼むよっていう感じです。そしてそのできたリミックスが超カッコ良くて!ちなみにDARUMAくんは、そのDilly Dallyのリミックスがお気に入りです。
KOSUKE:
僕が大阪で持ってるレギュラーイベントでもDilly Dallyは毎回出てるので知ってたんですが、他は知らなかったんですよね。でもリミキサーたちの全体的なバランスは良かったと思います。
- リミキサー陣も大抜擢な感じですね。
MAAR:
そうですね。そういった人たちと一緒にやりたいし、チャンスをあげたいです。それによって、自分ももっと挑戦しなきゃと、思ってりもしますし。カッコ良い!これどうやったんだろ?とか。そう思うと新しい機材とかも絶対掘るようになるんですよ。そういった人たちが良い影響を与えてくれますね。
- 僕は、このFRANKOでグラミー狙います!せっかく、世界アカウントで配信してるんで。世界の人に聴いてもらいだいですね。 -
- 大役のリリースを無事終えましたが、今後のアーティスト活動などを教えて下さい。
KOSUKE:
DJでは、音楽的にも幅広く、自分を表現できればいいと思ってます。ジャンルを固定したくないし。アメリカにいた時に感じたいろんな音楽で自由に盛り上がる、その一体感みたいなものを作りたいですね。僕もDJプレイ中、1人でクールにプレイするのではなく、踊ったりしてますし、そういうフロアのお客さんとDJの一体感を意識したいです。あとは、いろんなジャンルの音楽をお客さんに知ってもらえるようなプレイをしたいと思ってます。
制作としては、続けて新しいものをどんどん作っていきたいです。先日もMAARさんと新しい曲を2曲録音したので、それも出していければいいなと思います。
それと、もちろんFRANKOとしてステージにも立ちたいですね。ライブができるように頑張っていきたいです。
とりあえず、大きな一歩を踏み出したと思ってますので、今後は自分がどう続けていくか次第ですし、前向きにやっていきたいですね。いつかは自分でプロデュースもして、世界に配信していけたらと思います。今年「FUJI ROCK」に行ってきたのですが、やはりそこのステージを目標にしたいと感じましたね。
- 新しいイベントなどの計画があると聞きましたが。
KOSUKE:
イベントは6月くらいに始めたのがあるのですが、一切ネットに情報を出さず、シークレット的なかたちでやってます。仲間だけを東京に呼び出して出演させるみたいな。ただネットで見て、「あ、こんなパーティーあるんだ」で完結してしまうような時代になってるような感じで。何かそういうのが、つまんないなと思っているので、逆に情報を出さない方向で。
- MAARさんにお聞きしますが、<SUB TRAX>の第1弾としてリリースしたFRANKOですが、今後はどうなっていくでしょう。
MAAR:
僕は、このFRANKOでグラミー狙います!せっかく、世界アカウントで配信してるんで。世界の人に聴いてもらいだいですね。そのお陰か、バルセロナからとかちょくちょく連絡きますよ。
とりあえず、FRANKOもそうなんですが、<SUB TRAX>としては才能あるアーティストやビートメーカーが本当に増えてきてるので、今後もサポートができればいいなと思ってます。
- 今後も楽しみですね。
では、レーベルの代表として最後に一言、締めて下さい。
MAAR:
引き続き、<ROC TRAX>、<SUB TRAX>、<ARCUS>、DEXを注目してて下さい。宜しくお願いします!
- Release Information -
アーティスト:
FRANKO
タイトル:
PURPLE SLACKS
レーベル:
SUB TRAX
発売日:
7月11日
●トラックリスト
1. PURPLE SLACKS (Fragment Remix)
2. PURPLE SLACKS (WATAPACHI Remix)
3. PURPLE SLACKS (Dilly Dally Remix)
4. PURPLE SLACKS (Original)
■iTunes
https://itunes.apple.com/jp/album/purple-slacks-ep/id661608244