INTERVIEWS

Mad Mats

- 幸運にも僕はヒップホップやR&B、ハウス、ディスコ、テクノ、エディット、レアグルーブのDJオファーがあるおかげで「音楽疲れ」は全く感じないのかもしれないね。-  
- まず始めに自己紹介をお願いします。来日はこれが初めてでしょうか?

 
初めまして、スウェーデンから来たMad Matsです。日本には僕が以前やっていた〈Raw Fusion〉というレーベルのツアーで何度か来ているから、たぶん今回で4回目の来日になるかな?
 
- DJやレーベルオーナーとしてのキャリアが長いですが、あなたにとってキャリアの始まりはどのような形だったのでしょうか?

もともと80年代の初め頃にオールドスクールのヒップホップやエレクトロ、ファンクやブレイクスにハマっていた、ようするにB-boyってヤツだよね。キャリアはその後に始まったんだ、自分の頭をフロアで回すのを止めるようになってからね(笑)。それに、当時からハードコアなレコード掘りで、何年もレコードを掘りまくっているうちに、UKのレアグルーブシーンやハウスミュージックにも夢中になった。90年代半ばに始めた"Raw Fusion"っていうストックホルムのクラブを経営していたんだけどそれが成功したのも良かったね。2002年には同じ名前のレーベルを立ち上げて、それが特に日本の人たちにウケたんだよ。悪名高いレーベルとしてね。。。
そして2011年に〈Local Talk〉を僕の相棒でもあるTooliとハウスミュージックのレーベルとしてスタートさせたんだ。今はDJとして世界中のクラブやフェスに出ながら、〈Local Talk〉やエディットを中心に集めたレーベル〈Basic Fingers〉、そしてテクノレーベル〈Telephonplan〉を運営しているよ。
 
- 以前からたくさんのプロジェクトを行っていますが、その中でも〈Local Talk〉がより新しいプロジェクトのようですね。どうしてこのレーベルを始めようと思ったのでしょうか?今までのレーベルとの大きな違いはありますか?
 
そうだね。音楽的にいろいろな広がりがないレーベルをやりたかったっていうのが率直な理由かな。ハウスミュージックに特化した1つのスタイルを追求してみようと思ったのさ。
 
- 現在進行中の主なプロジェクトはなんでしょうか?秘密でなければ教えていただけますか?
   
〈Local Talk〉としてはこれからも継続してアツいリリースが待っている。Kyodaiを筆頭に、Lay-Far、HADE、Son Of SoundそしてHNNYと続くよ。そして特に注目して欲しいのが次のCrackazatのリリース。これは本当にヤバいよ!音楽的でとてもディープだね。しかもCrakazatはアルバムの制作を終えたところなんだ。彼のプロダクションは本当に素晴らしいよ。11月か12月にはリリースされると思うから楽しみに待っていてほしいね。あとはKyodaiの新しいEPももうすぐリリースされる。これもなかなか強烈な仕上がりだ。
 
- スウェーデンの音楽シーンについてお話を聞きたいです。様々なジャンルのミュージシャンやDJなどがスウェーデンから続々と出て来ていますが、その理由とは一体なんなのでしょうか?
 
スウェーデンの天気は酷い!そして冬はとっても長い!=みんな家に籠って制作する。クリエイティブな物が生まれる。ってのは間違いないね(笑)
 
- これだけの長いキャリアでも常に第一線を走り続けられて来ましたね。何か秘訣のようなものはあったのでしょうか?
 
自分が好きな音楽に対して100%の情熱を持つことさ。その反面、DJとして常に良い形で変化し、オープンマインドであり続けることも重要だ。もし僕が毎晩テクノばかりプレイするDJだったら、たぶん活動することに疲れていたと思う。幸運にも僕はヒップホップやR&B、ハウス、ディスコ、テクノ、エディット、レアグルーブのDJオファーがあるおかげで「音楽疲れ」は全く感じないのかもしれないね。
 
- DJ、プロデューサー、アーティストとして活動している人が世界中に多くいますが、DJとして活躍しているあなた自身はどちらをオススメしますか?
 
これは個人的な意見だから参考にしなくてもいいと思うけど、ただのアーティストとして活動する方が良いと思う。DJは個人のスタイルと共に常に自分で表現しなきゃいけないし、他の誰かと違ってDJだけで特に目立つってことは殆どないからね。それにアーティストであればテクニックや選曲にそこまで集中しすぎる必要もないし、自分の曲を選べばいい。僕にとっては誰かのつまらない曲の完璧なミックスよりもミックスされていない素晴らしい曲を聞く方が好きだからね。
 
- あなたは既に世界中たくさんの場所を訪れていますが、特にスペシャルに感じたところはありますか?そしてお気に入りの場所やクラブがあれば教えてください。
 
もちろん日本でプレイするのも大好きだけど、今オススメするのはスペインのマジョルカ島(イビザと並んでスペインのリゾート地としても有名な島)にある"Garito Cafe"ってところだね!http://www.garitocafe.com/
僕の親友でもあるNacho Velascoが運営している、小さいけどアンダーグラウンドで親しみやすくて特に音楽に拘ったクラブさ。もちろんサウンドシステムも抜群で、素晴らしい暖かい音が特徴だよ。
 
- 日本の音楽シーンに対してどんなイメージを持っていますか?そしてもし若いアーティストやDJにアドバイスがあればお願いします。
 
日本の音楽シーンは常に世界中から尊敬されている。これは間違いない。特に日本のクラブミュージックはよりジャジーでディープな要素を取り入れてから良くなっていったと思う。時々日本の音楽は純粋に「感じる」というよりも「考える」というちょっと理論的な方向に進みがちかもしれない。それでも君たちのひらめきは常に素晴らしいし、日本からたくさんの作品が常に生まれ続けているよね。
 
- 日本に着いたらDJ以外でやりたいと思っていることはありますか?
 
日本についたらまず美味しいご飯をたくさん食べたいね。それから東京の街をもっとよく見たいと思っている。それから以前日本で出会ったたくさんの人にも再会したい。ここ最近は単純に行ったり来たりばかりで満足な機会が無かったからなおさらね!
 
- 最後に日本の皆さんにメッセージをお願いします!
 
Let’s get deep, let’s get jazzy, let’s get raw! 一晩中踊り続けられるように、君の持ってる中でベストなダンスシューズを絶対忘れるなよ!