INTERVIEWS

SHUYA OKINO (KYOTO JAZZ MASSIVE)

そうなんです。実は古くは「MONDO GROSSO」に始まり、「COSMIC VILLAGE」、「KYOTO JAZZ MASSIVE」と、いろいろなユニットにかかわってきたんですが、「沖野修也」名義のアルバムは出したことなかったんですよ。 実はアルバムのコンセプトが、なんと、「沖野修也作曲家宣言」ということで、僕が10曲のメロディーを作り、それを10人のボーカリストに歌ってもらい、さらに10人のトラックメイカーがアレンジするっていうものなんです。しかもね、それを、メールのやり取りだけでやったんで、実は誰にも会ってないんです。話題性は満載なんですけど、言うとみんな引くっていう(笑)。 会ってないです。本当に誰にも会ってないんです。そんなことでいいのかと(笑)。ご批判もあるとは思いますけど、あえて。メールでも、ちゃんと心の通ったコミュニケーションができるはずだ、という仮説の元にね。僕、チャレンジャーなんですよね。なので、誰もやってないことを、と思いまして。ユニット内でデータのやり取りをメール交換で、とかいうのはやったことあるんですけど、10人のゲストと10人のトラックメーカーでってのは初めてですね。会ったこともないし、むこうが僕のことを知らないっていうケースもあったんじゃないですかね。 ありがとうございます。僕にしてはかなりポップに仕上がった感じなんですけど。まあ、ソロなんで、これぐらいハデなのもいいかなぁ、と思って。 そうですね、鼻歌ですね(苦笑)。まぁ、インタビューでは、かっこつけて「ハミング」とか言ってますが、実質鼻歌です(笑)。頭の中にメロディーが浮かぶんですよ。それを口ずさまないと、結局、自分でも覚えられない。だから、携帯のメモ機能に録音したり、自宅の留守番電話に吹き込んだり……。楽器弾ける人はびっくりしてましたよ。曲中の転調って作曲でも高度なテクニックで、それを何も考えずにやってるんで、逆にアレンジするのが大変だって言われました。 いや、実はね、一切注文つけなかったんですよ。ボーカリストに送ったデモには、さすがに僕の鼻歌じゃマズイだろう(笑)、むこうもビックリするだろうと思って、ピアノでメロディーを入れたんですけど、そのメロディーを聴いて触発された言葉と歌い方で、まずボーカリストにレコーディングしてもらって、それをトラックメーカーに転送してもらったんですよ。で、トラックメーカーはバックを全部取り替えて、要は「歌を聴いて自分のイメージで作ってください」と。もう、そこはすべてお任せっていう。だから、僕、思ったんですけど、家を一歩も出ずに作れたかもな、って。次はホントに、山かどっかにこもって作ろうかなって、山だとインターネットつながらないんですけど(笑)。 そうですね。15年になりますかね。ここまで続けてこられた理由はポリシーだと思いますね。クラブって、けっこう移り変わりが激しいじゃないですか。新しくできてはなくなったり。でも、僕が目指すのはそういうんじゃなくて、世の中の流行とは関係なく、自分たちが好きな音楽をずっとサポートしていきたい、っていう強いポリシーがあるんです。だから、今もさびれることなくやっていけてるんだと思います。結構ねぇ、逆にここ2、3年ぐらいのほうがクラブジャズ、クロスオーバーってグッっと盛り上がってきたんで、僕ら的には追い風かな、って感じもしてるんです。 そうですね、ここ10年から15年で、クラブシーンがすごい成熟してきて、「マーケット」っていうと、ちょっとビジネスチックですが、大きくなったと思うんです。でも、逆にジャンルが細分化されて、それぞれのパイが小さくなってるような気もしてます。だから、逆の言い方をすれば、これからいろんなジャンルがさらに発展していくことを願ってます。元々、クラブシーンには、ヒップホップもレゲエもハウスもテクノもジャズも、何もかもいっしょくた、っていう「ごった煮」的な魅力があったんで、これだけ大きくなるとそれぞれが分かれてしまうことは仕方ないんですけど、逆に違うジャンルが交流していくと、おもしろいことが生まれるんじゃないかな、って思ってます。そういう意味では転換期のような気もしますね。 そうですね。DJなのに作曲家宣言をしてしまったので、次は楽器でも始めてみようかなと。来年か、再来年かはわかりませんが。沖野修也の「ミュージシャン宣言」なんていうのもいいかなって。 そうですね。人を楽しませたいっていうのもありますし、自分も楽しみたいっていうのもあります。もし、人に聞かせない、とかだったらDJじゃなかったと思うんですよ。やっぱりDJって自分の好きな曲を「コレ聴いてよ」みたいな、自分の趣味とか嗜好を他人と共有する喜びってあると思うんで。これからも僕はパーティーであったり、「The Room」っていう空間であったり、僕の作品を通じてオーディエンスと一緒に楽しんでいきたいな、って思っています。 ありがとうございました。


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