INTERVIEWS

TWIGY

デビューというか、ラップを始めて20年目ぐらいになりますね。 マイクロフォン・ペイジャー以前もソロでやっていたりとあるので……。
そうですね、15歳から始めて。 そうですね。僕もともとダンスやりたくて。「ブレイキン」ていうブレイクダンスの映画を小6ぐらいのときに観て。それではまっちゃって。それで中1のときにはアディダスをヒモなしで履いてるような状態でした。ブレイクをやりたくて、リノリウムとかをマンションの広場に敷いて友だちと2人で踊ったりしてたんだけど。やっぱりあんまり踊りは向いてなかったのかな?って感じで(苦笑)。大技みたいなのがあんまできなくて。 そうです。やっぱりそういうのがやりたかったですけど、ラップもおもしろいなって。やってる人がいなかったし、日本語でやっている人ももちろんいなかったから、これはやらない手はないなと。
どうすかね?みんなそのへんは試行錯誤してたんじゃないですかね?どうやったらカッコよく、おチャラけに聴こえず、ダジャレでもなく、ラップに聴こえるかって。すごくそのへんはこだわって。僕もそうだけどみんなやってたんじゃないですかね? もうすごい先走ってましたね。それで誰にも通じてなかったりとか。今もそんな感じなのかもしれないですけど。 ん~、ドラムがでかくて。なんだろう……?ヒップホップを感じたのはラップだったんですけど、ドラムとラップとベースが終わらない、息継ぎもなしでどうやってやってるんだろうなって思いましたね。スクラッチの音もどうやってやってるのかわかんなかったし。 今は多分、サウスみたいなのがはやってるし、そこでまた聴く人たちもいろんな分かれ方をするんじゃないかな?と思うんだけど。オレは全般的に、全部の「ヒップホップ」といわれているものが好きだし、自分は全部それを呑みこんだものをやっていると思ってるから。いろんな形があっていいと思うし。ただ姿勢みたいな、アティチュードみたいなのが、いろいろ問題になってくる部分ではあると思うんだけどね。
よくも悪くも人数が増えたから……。でも人数が増えるっていうのは理想としてたことだから、それは間違いなくて。ただみんなどこを見てやり始めているかっていうのがすごく気になるところで。あとやっぱり俺たちは日本人だから、黒人の人たちの真似をしているのもたくさんいると思うんだけど、そういうことじゃない、っていうのが世界に出ると自分に帰ってくるっていうのをわかると思うし。それを踏まえた上で、ラップで何を発言しているのか、どういう姿勢なのか、どこから来ているのかっていうのを、そのときに説明できる人間が1番長くやっていけると思うし。ラップだけじゃないにしろ、多分そういうことだと思います。
多分同じだと思いますね、その葛藤のような。パッと聴きは黒人の真似してんのかな?って。さっきから「黒人、黒人」って言っててアレですけど。彼らは俺たちを見て「自分たちの文化をやってるんだ」っていう意識が強いから。もともと日本人の根本にはなかった部分だと思うから、日本人にもほかの人種にもそうだと思う。でもそれを超えているのがヒップホップで。今は英語と混ぜたりとか、いろんなやり方があって、いろんな人たちに伝わるし。いろんなやり方があっていいと思うんだけど、その根本には自分のルーツみたいなのが伴ってないと、心には響かないと思うし。オレはそういう部分で、多分1番日本人ぽいラッパーだとは思っています(笑)。
うん、練習?練習はもうとにかく口を動かすこと(笑)。なんだろ、コレ言っちゃうと結構ネタバラし的な練習の仕方になるんだけど、「空は青い」っていう言葉があるでしょ?その「空は青い」っていうのは、つながってるから言える言葉であって、それを全部逆にしてみたりとか。「青い、空は」とか。そのつながりを、自分の頭の中で完成されてるつながりを、全部ブッ壊すことから始めることですね。そうすれば言葉をどういう風に使うかがわかってくると思うし。その置き方や、これはどこにかかってくるでしょう?みたいな感じのクイズじゃないですけど。高校の現国じゃないけど、国語を勉強しているような(笑)。探って操ってますね。 Prefuse73 feat.TWIGY、COMA-CHI、Keyco「park」。