取材:GANMA at CRYSTAL SOUND
国内随一の実力派DJ/プロデューサー、DJ SWINGが、自身の活動20周年を記念して、レーベルSure Biz Recordsのローンチと同時に、自身初となるオリジナルアルバム『LIFE AFTER TWENTY』を発売した。同作の内容や制作秘話に関するスペシャルインタビューを、マルチな活躍により注目を集め、地上波のCM出演でも話題となったGANMAをナビゲーターに迎えて行った。
GANMA:まずはアルバム発売おめでとうございます! 今日は、SWING君本人と、Sure Biz Recordsの制作ディレクター/A&Rを担当されている、倉開 健人さんにお話を伺おうと思います。
DJ SWING:宜しくお願いします!
倉開:GANMAさん、お忙しい中ありがとうございます!
GANMA:僕もちょくちょくスタジオ(CRYSTAL SOUND)には顔を出させてもらっていますが、今回のアルバム、かなり長きに渡る制作期間だったのでは?
DJ SWING:そうですね。このアルバムの企画の着想自体は、2015年ぐらいで。
倉開:Nice & Smoothのレコーディングを行なったのが、2015年の年末だったので、約1年半ぐらいは掛かっていますね。
GANMA:なるほど。それはなかなかの長期間ですね(笑)
倉開:GANMAさんもよくご存知の、Sure Biz Records代表には、時間掛け過ぎだろうとガッツリ怒られました(笑)。
DJ SWING:時間掛けさせていただいた分、良いモノができたかなと思っています。
GANMA:今作において、トラックメイキング、レコーディングからマスタリングまで、ほぼすべての制作行程を、こちらのスタジオ(CRYSTAL SOUND)で行なったとのことですが、CRYSTAL SOUNDの特徴や特性があれば教えて下さい。
DJ SWING:そうですね。レコーディングからミキシング、マスタリングまで、オールインで行なえるという点と、AQEという施工を施したスタジオ設備による、究極に正確なモニター環境ですかね。もちろん機材にも拘っているのですが、その機材の性能を最大限引き出せるよう、AQEやその他チューニングなどで徹底的に追い込んでいます。トラックメイキングから最終行程であるマスタリングまで、一貫した環境で行なえるという点は、ユーザーの方にとっても、とても快適なのではないかと思います。
(※CRYSTAL SOUNDではスタジオの外部貸し出しも行っている https://www.crystal-sound.jp/)
GANMA:今回のアルバム、かなり豪華な客演アーティストが参加されていますが、どういった基準で選ばれたのでしょうか?
DJ SWING:基本的には僕のキャリアのなかでお世話になった方や、影響を与えてくれたアーティストの方々を中心にお願いさせていただきました。
GANMA:楽曲制作に関しては、客演アーティストが決まってから制作されるというスタイルになるのですか?
倉開:そこはそれぞれパターンがあって、客演アーティストありきで進めていった楽曲と、曲先行で、こういう曲ができたので、こういったアーティストにお願いしたいというパターンの、二方向で進めて行きましたね。タイミングがうまく合わなかったりで、断念した方もいたのですが、今回ご参加いただいたアーティストの皆さまに関しては、パフォーマンスも含めバッチリで、お忙しい中お力添えいただき、本当に感謝ですね!
GANMA:それでは、各収録楽曲毎に制作エピソード的なお話を伺いたいのですが、まず一曲目の「INTRO」。かなり壮大なイメージのピアノインストになっていますが、こちらの曲はどういうイメージで制作されましたか?
DJ SWING:今回のアルバムは、A-dreamというキーボーディスト/プロデューサーと一緒に作業を進めていて、こちらの曲は、制作のかなり初期段階に、彼と打ち解けるためにスタジオで2人でお酒を飲んでいたのですが、一回彼がウイスキーを一瓶空けて酩酊状態になったときがあって(笑)、そのときに彼が弾いたピアノがインプロビゼーション性が高く、かなり気に入ったので、アルバムのイントロとして収録しました。
GANMA:そうなんですね(笑)。いわゆるDJ/プロデューサーによるアルバムのイントロとしては、かなり変化球なイメージを受けました。
DJ SWING:そうですね。僕自身DJなので、クラブでフロア受けするような楽曲ももちろん好きなのですが、普通に家でリスニングする際は、より普遍的でミュージシャンシップ溢れる楽曲を好むので、冒頭でそういったイメージを与えられるように工夫をしてみました。
GANMA:なるほど。まさにそういった印象を受けました。続いて「RESSURECTION feat. Nice & Smooth」。冒頭からまさかのレジェンドNice & Smoothの客演に驚きました!こちらの共演が実現した経緯など、お伺いできますか?
倉開:僕の友達というか後輩の子で、東海岸の90’sのアーティストと不思議なコネクションを持っている奴がいまして、ちょうどライブで来日していたタイミングだったので、レコーディングできないかと相談したところ、ご快諾を頂けまして。
GANMA:そうだったんですね!
倉開:裏話的なところで言うと、レコーディングのアポを取っていた前日に、ちょっとトラブル的なものがあったらしく、Greg Niceが怒ってアメリカに帰ってしまったんですね(笑)。なので、Greg NiceはNYでレコーディングをしてもらいました。
DJ SWING:そうでしたね(笑)。で、Smooth Bにはうちのスタジオに来てもらってレコーディングを行ないました。彼はとても良いマインドを持ったナイスガイで、レコーディングもとても楽しかったです。息子も一緒に来日していて、レコーディング中も息子が一緒にアイデア出しをしているのがとても新鮮で、とても仲の良い親子だったのが印象的でした。この曲に関しては、“Common Sense – Ressurection”のスクラッチでも使用されている“Nice & Smooth – No Delayin’”のSmooth Bのヴァースのフレーズ“Nice & Smooth is your ressurection”をシャウトしてもらって、ピアノネタ風のトラック部分上で僕が擦るという、好事家には堪らない仕上がりになっていると思います。
倉開:Smooth Bの息子は、映像制作の勉強をしているらしく、この曲のMVの撮影は、彼に行なってもらいました。親子でクリエイションしているのはとても素敵だなと思い、刺激を受けましたね。
GANMA:それは素敵なエピソードですね!続いて3曲目に収録されている「DAME feat. MINMI & Tarantula」。MVも拝見しましたが、良い意味でとてもポップな仕上がりになっている曲かと思います。
【DAME feat. MINMI & Tarantula MUSIC VIDEO】
DJ SWING:この曲は、アルバムの中でも一番キャッチーな曲で、広い間口で聴いてもらえるようなプロダクションを意識しました。
倉開:SWINGの音楽性上、どうしてもマニアックな方向性に寄ってしまうので、敢えてキャッチーな方向性の楽曲を一曲作りましょうという狙いがありました。
DJ SWING:客演のお二人には、本当に素晴らしいパフォーマンスをしていただいて。タラちゃん(Tarantula)は個人的にスペシャルな存在で、やはりSpontaniaのヒット曲のイメージもあってメジャーの印象が強いと思いますが、ずっとNYで活動していたのもあって、ヒップホップの歴史やカルチャーを充分に理解してる上で、一般の人にも求心力ある表現ができる希少なラッパーとしてリスペクトしてて。この曲の歌メロは、じつは音域の幅がもの凄く広く、かなり難易度の高い複雑なメロディーで、A-dreamからも「もう少し歌いやすいメロにした方が良いんじゃないですか?」と言われたりもしたんですが、僕がこのメロディーでいきたいと直感的に思って。MINMIさんはバッチリ歌いこなしていて、流石だなと思いましたね。3人でレコーディング時に「この曲はカラオケで歌えたら上級者だね」って言っていて、正にそんな楽曲に仕上がったかと思います。
GANMA:この曲を聴くと、SWING君の従来のイメージと少し違った印象を受けますね。
倉開:そう言っていただけると、僕らの狙い通りでもあるので、とても嬉しいです(笑)。ポップなアプローチな楽曲なのですが、よく聴き込むと、フューチャーベース調のリズムであったり、先に述べたようにメロディーがトリッキーだったりという仕掛けもあるので、ぜひ多くの方に耳にしていただきたい一曲ですね。
GANMA:続いて「B-BOY ANTHEM feat. CHICO CARLITO」。フリースタイルダンジョンでも活躍中のCHICO CARLITO君をフィーチャーしたストレートなヒップホップチューンに仕上がっておりますが、こちらはいかがでしょうか?
DJ SWING:彼のことは僕もフリースタイルダンジョンで知ったのですが、作品をチェックしてみたところ、とても高い音楽性を感じて、ぜひ一緒にやってみたいと思い、オファーさせていただきました。彼自身、元々バンドのボーカルをやっていたということで、ロッキッシュかつヒップホップを感じられるようなサウンドプロダクションを意識しました。彼の持つストイックなイメージを反映したリリックもバッチリでしたね。
倉開:人となりもピースフルで、楽しいレコーディングでしたね。ただ、RECに関しても自分のビジョンがしっかりしているというか、非常にストイックな印象を受け、そのギャップがとても素敵だなと思いました。CHICO君も自身のファーストアルバムの制作期間中だったようで、「今流行の音楽性というより、普遍的に10年後20年後も聴けるようなものを作りたいと思っていて、その点SWINGさんにとても共感しています」と仰っていたのが印象的でした。
DJ SWING:そういったご縁もあり、彼のアルバムのマスタリングは僕が担当させていただいたのですが、ファーストアルバムにしてクラシックス間違いなしの、素晴らしい内容でした。
GANMA:いいですね!そういったリンクは、音楽をやっていて一番魅力的な事でもありますよね。続いて、5曲目に収録されている「CHERRY PIE feat. YUI MUGINO」。スムースなR&Bソングですが、こちらの楽曲はいかがでしょう?
DJ SWING:この曲は、現行のアップデイテッドなR&Bを意識しましたが、YUIちゃんとは結構前からの付き合いで、いつか一緒に楽曲制作をやりたいねと話していて、今回それが実現した形になります。彼女はバイリンガルなので、すべて英詞で海外リスナーにも刺さるようなプロダクションを意識しました。歌詞の内容に関しては、かなり振り切ったものにしたいというオーダーをさせてもらい、とても満足のいく仕上がりになっています。
GANMA:続いて、6曲目の「TIMPHO TO PHRIFORIS feat. TERRY, JOYSTICKK, t-Ace」ですが、本アルバムで一番インパクトがある楽曲かと思われますが(笑)。
DJ SWING:この曲に参加してくれた3人は、皆1981年生まれの同い歳のマイメンたちで、このメンツでどうせやるんだったら突き抜けたものを作ろうと皆で話をして、クラブのフロア受けも狙ったプロダクションになっています。僕も当時大好きだったSugar Soulさんの「今すぐ欲しい」のサビのラインを引用させていただいているのですが、倉開さんにお願いして、カバーの申請を行なってもらいました。
倉開:カバー許諾の際に権利元に問い合わせたところ、担当の女性の方にアルバムに収録される際の楽曲名を教えて下さいと言われ、口頭で伝えたときが、このアルバムの制作における最大の山場でしたね…。
GANMA:それは完全なプレイですね!(爆笑) このタイトル、言えば言う程ジワジワきますよね(笑)。
倉開:聴き取り辛かったのか、2回言わされました…。アルバム制作も中盤ぐらいに差し掛かったところで、全体的に真面目というか、ストイックな印象の曲が多かったので、1曲少しくだけたストリート寄りの楽曲が欲しいとオーダーしたところ、見事に擦られてしまいました。
DJ SWING:この曲のタイトルにもなったラインは、JOYSTICKKが考えてくれたのですが、スタジオのボーカルブースで翼(t-Ace)に試しに言わしてみたら、もの凄いインパクトがあって、僕とJOY(JOYSTICKK)は2分ぐらい腹を抱えて笑い転げていました(笑)。
GANMA:そんなエピソードが(笑)。この曲はぜひライブで観たいですね!
DJ SWING:3人とも、強烈なキャラクターを持ったラッパーなので、とても絵になると思いますよ。ここ最近何回かクラブでプレイしたのですが、やっぱりかなりの破壊力がありますね。
倉開:僕はアルバムの中で、この曲が一番好きです(笑)。なにより、許諾を出して下さった原曲のアーティスト様たちに感謝ですね。怒られるんじゃないかと、ビクビクしていました…。
DJ SWING:間違いないですね。
GANMA:続いて、7曲目の「INTERLUDE」。とても穏やかなインストナンバーですが、どのようなイメージで制作されましたか?
DJ SWING:これはアルバムの中でも、最後の方に作った曲なのですが、前の曲のインパクトが強烈なので、お口直し的な意図も有り(笑)、ドリーミーで清涼感を感じられるものになったかなと思っています。
GANMA:8曲目の「PAIN feat. Jinmenusagi」。後半戦の皮切りに相応しいナンバーですが、ジメサギ君との共演のきっかけなどお聞かせ下さい。
DJ SWING:ジメサギ君は元々僕が個人的にファンで、是非一緒にやってみたいと常々思っていたので、今回オファーさせていただきました。彼の魅力は、何かのインタビューでも読んだことがあったのですが、ヒップホップの枠に捕われたくないという意図があるようで、その唯一無二の世界観を巧く生かせるよう、ドラマチックなサウンドプロダクションを心掛けました。スタジオでもリリックの内容を一緒に考えたのですが、そういったセッション的なものも、とても楽しんでやれましたね。今回のアルバムのTOWER RECORDSの特典用に、この曲のリミックスを制作したのですが、原曲とまったく違ったアプローチになっており、ジメサギ君本人もかなり気に入ってくれたようなので、そちらもぜひチェックしてほしいですね。
GANMA:続いて「NEVER STOP/Discothequenics feat. N’Dea Davenport」。みんな大好きな90年代を代表するUKソウルナンバーですが、まさかのご本人によるセルフカバーに痺れました!Discothequenicsという名義になっていますが、こちらのユニットの詳細もお聞かせ下さい。
DJ SWING:Discothequenics(ディスコテクニクス)というのは、長野を拠点にいろんなアーティストに楽曲提供を行なっているDJ KENZIというDJがいて、もう10年来の付き合いなります。彼は膨大なアナログの収集や音楽知識を持っていて、僕自身もヒップホップだけでなく、ソウルやファンク、ディスコやディープハウスも大好きで、彼とはその辺りの音楽の趣味が共鳴しており、ずっと一緒にやりたいねと話していたのですが、今回やっと実現しました。2人の共通のバックボーンである、ソウルやディスコの持つ黒いグルーヴを軸としたユニットを結成しました。エンディアは、日本でも精力的に活動をしていて、共通の知り合いを介して紹介してもらいました。「NEVER STOP」は昔からのフェイバリットだったので、彼女と共演できたことは本当に感激でしたね。随所に登場するサックス演奏はA-dreamのミュージシャン仲間である庸平くんにスタジオに来てもらいレコーディングしました。A-dreamの演奏も含め、とても満足のいく仕上がりになっています。エンディア本人もとても気に入ってくれて、彼女とはまた機会があったら、是非セッションしたいですね。
GANMA:「SURE SHOT feat. SAL the soul」。クラシカルなヒップホップチューンですが、SAL the soulさんとは、以前に大阪で一緒に活動されていたのですよね?
DJ SWING:サルくん(SAL the soul)は、大阪を拠点に活動している「浪速のCOMMON」の異名を持つ、リリカルなラッパーです。今作にも参加していただいたMINMIさんとも同じクルーで活動していた時期もあります。それに僕が大阪で活動していたときは、彼のバックDJを勤めていたこともあり、今作には絶対に参加してほしいと考えていたので、実現できて嬉しいですね。僕が大阪時代にオーガナイズしていたパーティーのこともリリックに落とし込んでいたりするので、当時遊びに来てくれていた方たちにも、ぜひ聴いてほしいです。
GANMA:そういった背景があったんですね!どおりで2人の息が合っているというか、すごく良いグルーヴを感じる曲に仕上がっていると思います。続いて、11曲目の「LOVE ME AGAIN feat. SAYUKI」ですが、SAYUKIさんとの共演のきっかけや、制作エピソードなどお聞かせ下さい。
DJ SWING:SAYUKIさんは、元々A-dreamが楽曲提供や共作をしていたアーティストで、最近では山田孝之さんのお姉さんということで、よくテレビにも出演されていたりするので、ご存知の方も多いかと思います。僕自身、彼女の独特の透明感を持つ歌声に惚れ込んでいて、日本語のR&Bを歌ってほしいと常々考えていたので、今回オファーさせていただきました。歌詞も彼女の実体験に基づく内容とのことで、凄く情景の浮かぶような世界観がある楽曲に仕上がっています。倉開さんも、この曲かなりグッときたと言ってましたよね?
倉開:そうなんですよ。マスタリングの際にアルバムを通して聴いていたところ、この曲にかなり感じ入ってしまい、スタジオで涙ぐんでました。SAYUKIさんのボーカルって、テクニックや歌唱力を前面に出すというより、フィーリングやニュアンスを大切にされている印象があるのですが、意図的なのかは別として、サラッとした歌声の中に、心にスッと入り込んでくるような不思議な魅力があるんですよね。あの感じって出そうと思って出せるものではないと思います。とても魅力的なヴォーカリストですね。
DJ SWING:それ凄く分ります。彼女の歌声は、ぜひ、より多くの方に耳にしてほしいですね。
GANMA:続きまして12曲目の「ON MY WAY feat. TOMA」。現行トラップチューンにも通じる新しさを感じますが、フィーチャリングされているTOMAとは、どのようなアーティストですか?
DJ SWING:TOMAとは、とある案件の現場で知り合ったのですが、彼自身LAのアーティストで、たまたま日本に来ているタイミングだったので、今作への客演をオファーしました。彼はとてもテクニカルなラップをするのですが、パフォーマンス以外でも、非常にアイデアマンでパワフルなアーティストですね。「ON MY WAY」という楽曲名にもある通り、僕も20年活動してきましたが、まだ道の途中、これからまだまだやっていくぞ!という意気込みを込めた楽曲になっています。この楽曲の制作を切っ掛けに、僕とA-dreamとTOMAの3人で制作チームを結成したのですが、今時点ではお伝えできませんが、今後いくつかのプロジェクトを発表できると思うので、楽しみにしていて下さい。
倉開:彼は人となりがバカ明るいというか、オープンマインドで良い奴だよね。一緒にお酒飲んだときも、日本食や日本酒にもガンガントライするバイブスに、個人的にとても好感を持っています(笑)。
GANMA:なるほど。僕も会ってみたいですね(笑)。続いて「STEP INTO A WORLD/CRYSTAL SOUL」。かなりダンサブルなインストナンバーで、ブギーやガラージの要素も感じられる楽曲ですが、こちらのCRYSTAL SOULという名義について教えて下さい。
DJ SWING:僕が大阪時代に大変お世話になった、僕のDJの師匠的な存在のHIYOCOさんという方がいて、大阪のディスコ時代から活躍されている浪速のゴッドシスター的な存在の大ベテランDJで。元々最初に一緒にやろうという切っ掛けになったのが、僕が19歳ぐらいのときに、当時好きだった80’sのモダンソウル的なものをたくさん入れたミックステープをHIYOCOさんに渡したところ、「アンタ若いのに、なんでこんな曲知ってんの?私もこの辺好きやねん」と言っていただき、現場をご一緒させていただくようになりました。HIYOCOさんと一緒にやるのなら、やっぱりお互いの共通点である、80’sライクな楽曲にしようということで、こういったアプローチになりましたね。制作時には、わざわざ大阪からうちのスタジオに来て下さって、HIYOCOさんと僕、A-dreamの3人で結成したのがCRYSTAL SOULというユニットです。
倉開:ある意味、このアルバムの中でも一番フロアライクな曲かもね。
DJ SWING:そうですね。周りのDJ仲間たちも、この曲に一番反応してくれますね。いつか7inchアナログを切りたいと思っています。
GANMA:では最後に14曲目の「MONEY CAN'T BUY feat. SHINGO★西成」。大トリ的にSHINGO★西成御大の登場ですね!SHINGOさんの魅力が存分に発揮された楽曲に仕上がっていますが、こちらの曲はいかがでしょう?
DJ SWING:SHINGOさんも大阪時代から大変お世話になっていて、初めてライブを拝見した際に衝撃を受けまして、メッセージが心の中にストレートに入ってきて、この方は本物だなと思った印象が強烈に残っています。
GANMA:それわかります!皆言うけど、本当に最初に観たときに結構な衝撃を受けますよね。
DJ SWING:そうなんですよ。ライブを観てあそこまでの衝撃を受けることって、なかなかないっていうぐらいの体験でしたね。知り合ってからも、とても良くしていただきまして、心からリスペクトしているアーティストなので、今作には絶対に参加してほしいと考えていたので、実現して感無量ですね。楽曲に関しては、SHINGOさんのストレートなメッセージ性をしっかりと生かせるようなアプローチを意識しました。人間って誰しも歳を重ねるとコンシャスになっていくと思うんですよね。人それぞれがいろんな事を抱えて生きていくなかで、音楽によってパワーを与えてくれるような楽曲になったかなと思っています。曲名にもありますが、お金では買えない、人が生きて行くなかで本当に大切なものは何かに気付かせてくれる楽曲だと思います。
倉開:SHINGOさんはとてもお忙しいなか、何回も大阪から東京のスタジオまで来て下さって、モノを創る上で、お互い顔を付き合わせて考えることが大切という姿勢に、僕も非常に感銘を受けました。
DJ SWING:本当ですね。感謝とリスペクトに尽きます。
GANMA:素晴らしいエピソードを聞けて、僕も背筋が延びる心持ちです!ざっとではありますが、収録楽曲毎にお話を伺ってきました。最後に、DJ活動20周年を迎えられましたが、今後の活動の予定や、抱負などをお聞かせ下さい。
DJ SWING:今回、いろんな方々のお力添えにより、僕の夢のひとつであったオリジナルアルバムの発売を実現することができましたが、今後はDJ活動はもちろんのこと、制作にも力を入れて、プロデューサーDJのような立ち位置を目指して行きたいと思っています。
倉開:今作は彼の20年の活動の集大成というか、名刺代わりになるようなバリエーションに富んだいろいろなタイプの楽曲が詰まった作品になっていると思いますので、ぜひお仕事のご用命もお待ちしております(笑)!プロデュースワークに関しては今後、良いお知らせもできると思いますので、楽しみにしていて下さい。
GANMA:長々とお疲れ様でした!次回作には、ぜひ僕も客演で呼んで下さい(笑)!
倉開:すみません!お断りします(笑)!
DJ SWING:ごめんなさい(笑)!
[リリース情報]
アーティスト:DJ SWING
タイトル:LIFE AFTER TWENTY
形式:アルバム本編CD+DJ SWINGによるアルバム収録楽曲のミックスCD 2枚組み
価格:¥3,000(税抜)
発売日:2017年 7月12日
[トラックリスト]
DISC-1
1. INTRO
2. RESSURECTION feat. Nice & Smooth
3. DAME feat. MINMI, Tarantula
4. B-BOY ANTHEM feat. CHICO CARLITO
5. CHERRY PIE feat. YUI MUGINO
6. TIMPHO TO PHRIFORIS feat. TERRY, JOYSTICKK, t-Ace
7. INTERLUDE
8. PAIN feat. Jinmenusagi
9. NEVER STOP / Discothequenics feat. N’Dea Davenport
10. SURE SHOT feat. SAL the soul
11. LOVE ME AGAIN feat. SAYUKI
12. ON MY WAY feat. TOMA
13. STEP INTO A WORLD / CRYSTAL SOUL
14. MONEY CAN'T BUY feat. SHINGO★西成
DISC-2
THE MIXTAPE - Old Skool Flava Wit Da New Skool Sound - Mixed by DJ SWING
※アルバム収録曲の、DJ SWINGによるノンストップDJ MIX
■DJ SWINGオフィシャルサイト
http://www.dj-swing.net/
■CRYSTAL SOUNDオフィシャルサイト
http://www.crystal-sound.jp/
■Sure Biz inc. オフィシャルサイト
http://www.surebiz.jp/
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