ロケーションの利を活かして今年8月のageHaの屋外エリアに出現し、ダンスミュージックを渇望していたオーディエンスと共に熱狂的な一夜を演出したパーティーAura (オーラ)。本パーティーの第2弾が12月最終週の土曜、26日に行われる。
今回のAura (オーラ)は、ageHaのメインフロアARENAという広大なスペースを最大限に活かして開催。コロナ対策はもちろんのこと、音と機材にも徹底的にこだわったパーティーを行うという情報を聞きつけ、この日のARENAに出演するDJ NOBU、WATA IGARASHI、そしてオーガナイザーも務めるSOにオンラインでインタビューを行った。
ageHaの象徴・赤いオクタゴンスピーカーとステージの両サイドのL-Acoustics V-DOSC
SOへの質問
ーーレジデントDJであるラビリンスをはじめ、携わるパーティーは音に徹底してこだわっているという印象が元々ありますが、今回のAuraではいつにも増して音に徹底こだわっていると伺っています。具体的にどう言った機材を使う予定なのか聞かせてもらえますか?
■SO
今回のパーティーをより特別なものにするため、音質には徹底的にこだわりたいと考えました。まずプレイヤーはパイオニアから発売されたばかりのCDJ-3000。こちらは実は私もまだ使ったことがないのですが、音質の違いに関してはNOBUさんに確認して、是非採用したいと思い準備してもらいました。
そしてミキサーはAlpha Recodring SystemのMODEL9000。ミキサーの話題になった時にWATAさんから「Alphaが使えるならそれがベスト」というコメントがあり、調達することができました。Alphaのミキサーはここ数年The Labyrinthでも採用しており、誰に聞いても間違いない評価をもらってます。
そして肝心のスピーカーですが、通常ageHaで使われている赤い8角形のオクタゴンスピーカーではなく、L-AcousticsのV-DOSCというラインアレイのサウンドシステムを使わせてもらいます。 いわゆる、スタジオコーストのステージを使ったライブで使われている黒いスピーカーですね。私も過去に何度か聴いたことがあり、かなりパワフルで音質も非常にクリアな印象でした。またそれらを接続するケーブル類や電源も見直してベストな組み合わせを選択し、まさに音の入り口から出口まで妥協なくアップグレードしました。
ここまで揃えてARENAで音楽を聴くのは初めてなので、非常に楽しみです。
SO
ageHaのPAで今回のAuraでもL-Acoustics V-DOSCをオペーレートするWAVES小林氏
DJ NOBUとWATA IGARASHIへの質問
ーーAlpha Recodring Systemのロータリーミキサーといえば、現代における最高峰のアナログミキサーだと思いますが、方やCDJ3000は最新のデジタルプレーヤーですね。
ミキサーの違い、プレイヤーの違いで、DJの感覚にはどんな違いがありますか?
V-DOSCのような強力なサウンドシステムで聴くと、その違いはどれほど体感できるものでしょう?
CDJ3000を既にお試しであれば、その印象や操作性について。
実際にお二人が用意されている音源やDJプレイについてのこだわり(ハイレゾ音源を使っているのか?)なども聞かせてください。
■DJ NOBU
CDJ3000については、CDJ3000のローンチパーティーの配信イベントでパイオニアさんにお誘いいただき、新しい機能を教わって実際にCDJ3000を使ったプレイをしました。キーシンクが出来るようになり凄く便利になり選曲の仕方も変わりました。LOOP等の操作性はもちろんのことNXS2よりノイズレベルが下がり、解像度も上がりました。Alphaのミキサーとの組み合わせはまだ試してないですがLabyrinthで使い慣れていて音の混ざり方も素晴らしいミキサーだし、よりスムーズで気持ちの良いミックスが出来る組み合わせになりそうです。
■WATA IGARASHI
やはりパーティーで一番大事なのは音のクオリティーであると思っています。音さえ良ければ、まあまあ他のことには多少は目を瞑れます、笑。そう言った意味ではサウンドシステム、ミキサー、プレーヤーはとても重要な要素。DJみんなそうだと思いますが、プレイ内容も現場の音質によって大きく影響受けます。
Alpha Recording Systemのミキサーの音は最高にクリアーで極上なのですが、個人的にはロータリーフェーダーを上げていった時の音の混ざり方がまたそれは相当気持ち良く感じていて、出来れば毎回使いたいぐらいです。置いてあるクラブ自体が稀なのですが、自分はDJする際に旅をするようなストーリーを作りたいと思っていまして、アルファの繊細な混ざり方は曲と曲を絶妙なバランスで気持ちよく繋いでくれて、流れる様なストーリーを作るのには最強だと思っています。
CDJ-3000もこれまで2度ほど現場で使っています。画面のサイズやレイアウトなどのプレイヤー視点のありがたい改善も好印象でしたが、特に気に入ってるの新機能はキーシンクです。メロディーやコード感が強い曲をかける際に、これまではキーミックスできる曲を結構すごい時間をかけて探したりしてたのですが、キーシンクの登場によってもっと直感的に合いそうな曲を繋げていけるので、最初試した時にこれからはDJの仕方が変わるとびっくりしました。
プレイしているのはUSBに入れたAIFFです。バンドキャンプは楽曲購入時の音質がハイレゾな事も多々あり、その場合は基本CDJがプレイできないくらいの超ハイレゾファイルでない限り、そのままダウングレードせずに使っています。常に出来るだけ良い音質を届けることを心がけています。
Alpha Recodring System MODEL9000
12/5 HOUSE OF EMOTIONで使用した時のMODEL9000
DJ NOBUへの質問
ーーV-DOSCを使用されるとのことで、2015年に開催されたRESONANT -Sound of Berlin-でBen Klock、Marcel Dettmannと共演して以来のV-DOSCでのARENAだと思いますが、V-DOSCでプレイしての印象、パーティーの思い出などがあれば聞かせてください。
■DJ NOBU
V-DOSCに関していうと、特に印象的だったのはMotherのパーティーでminilogue来日の際のセッティングです。SebとMarcus二人でやったと記憶しているのですが、いつにも増して解像度、ローのエグみとセクシーさが共存する気持ち良すぎる出音で忘れられず、以降ageHaのARENAでプレイするときはV-DOSCを選ぶようになりRESONANTでも使わせてもらいました。
パーティーの第一プライオリティは出音なのでとても満足いくPartyになりました。
2015年RESONANTでのDJ NOBU
WATA IGARASHIへの質問
ーー初のARENA、初のV-DOSCだと思います。どんなお気持ちですか?DJとしてだけでなく、プロデューサーとして特に聞いて欲しい曲、試してみたい事などもあれば聞かせてください。
■WATA IGARASHI
初のARENA、初のV-DOSC、すごく興奮してます!
3人ですごい良い流れの一晩になると思いますので、ぜひ最初から最後までフロアで体験してもらいたいです。
WATA IGARASHI
3人への質問
ーー今年はコロナ禍でのアーティスト活動は本当に大変だったと思いますが、このAuraが都内の今年最後の締めくくりという事で、今年一年が皆さんにとってどんな一年だったのか?来年に向けての希望。パーティーに参加してくれるお客さんへのメッセージなどを聞かせてもらえますか?
■DJ NOBU
今年はぶっちゃけ人生変わってしまいました。海外ツアーも出来ず国内で過ごすしかなくなり7月まで落ち込んでいましたが、DJを再開して今まで国内に居なくて会えなかった人に会えたり、国内の友人と過ごす時間が多くなりました。
Partyも同様で去年より濃厚な国内の活動が出来てポジティブに思考を変えることができました。時間が増えたことにより作曲、 DJもアップデートが出来るので来年にベストな形で繋いでいきたいです!
Auraでは感染対策を忘れずに皆様と遊べたら嬉しいです。
■WATA IGARASHI
今年はいろいろ辛い事もありましたが、こんな状況でもいくつかの素晴らしいイベントに誘っていただき、またそこで仲間と一緒にかけがいのない時間を過ごせて、本当に救われました。現場に足を運んでくれた皆様、誘ってくれたオーガナイザーの方々、そしてリリースをサポートしてくれた沢山の人に感謝しています。そして来年がどんな状況であっても制作もDJも常にネクストレベルを目指していきたいです。
12/26は、参加者みんなでコロナマナーを守れば、ageHaのフロアは天井も高いしスペースもあるので、安全に遊べると思います。楽しみましょう!
■SO
今年はアーティストのみならず、クラブ側やイベンター、お客さんも大きな変化を強いられる一年になりました。個人的にはその中でもイベントを仕掛ける側として、7本のイベントを主催して、例年になくオーガナイズに重きを置く1年になりましたが、それも必然だったと捉えてます。今回がその集大成でもあり、締めくくりでもあるので、個人的にも思い入れがあります。ネガティブなニュースが多い時こそ、パーティーの持つ意味合いもより深く、大きなものになるのではないでしょうか。広大なフロアで、身体全体で音楽を感じることが出来る数少ない機会です。仲間と会って語らい、音楽に身を委ね、素晴らしい夜にしましょう!
インタビュー後記
コロナ禍で、改めてダンスフロアと音楽の重要性がフォーカスされている昨今、ageHaの規模で音のクオリティーにここまでこだわっているパーティーはそうそうない。
通常であれば、ageHaのARENAは2400人を収容でき、サブフロアもあり、換気も十分。今回はISLANDとWATERを含む3フロアでの開催で、都内でのライブが1年ぶりとなるKUNIYUKIをはじめとし、抜かりのないラインナップで充実したイヤーエンドパーティーになることは間違いなさそうだ。
クラベリア編集部としても、読者の皆さんに自信をもってお勧めできるパーティーだと言えるだろう。
イベント情報リンク
https://clubberia.com/ja/events/293091-Aura-YEAR-END-PARTY/