INTERVIEWS

OtOdashi SOUND SYSTEM インタビュー “最高”を探すサウンドシステムの沼

Text & Interview : Hayato Onodera

 5/27(土)から28日(日)の2日間にわたり群馬サイクルスポーツセンターで開催される野外フェス「PARAMOUNT 2023」。純粋で解像度の高い音質に定評のある本フェスのサウンドシステムを手掛ける「OtOdashi SOUND SYSTEM」へ開催直前インタビューを行った。
 
OtOdashi SOUND SYSTEM(オトダシ・サウンド・システム)
2007年頃からサウンドシステムを持って活動を開始。過去に参加した数々の現場から培った経験を生かし、最適となる機材マッチングを各パーティで図る。ジャンル問わず、音楽そのものが持っている特性を生かすために、システムには広いレンジに対応できるようデジタルとアナログ回路を往来できる機材群で構成。そこで鳴る高い表現力を得た出音は、波動となり空間を揺らす。



 
昨年彼らが主宰しているパーティ、「PARAMOUNT」に訪れて驚いたことがある。音響システムの聴こえが以前と比べて別次元に良くなっていたのだ。スピーカーの前で長時間踊っていても耳が疲れず、ましてや会話まで成り立つ異空間。もちろん音圧が足りなかったわけではない。存在感のある細かな音の粒子が体に厚みをもって響いてくる。デジタルの繊細さとアナログの豊かさ、互いの良いところを失わないように配置された機材群がダンスミュージックかつ、グッドミュージックとして機能する鳴りを生み出している。
もちろん以前から彼らのシステムには見張るものはあった、が、一歩間違えば無味無臭のリスニング側に寄ってしまう印象を持っていたTW AUDiOスピーカーの特性を、こんな風にアウトプットして聴くのははじめての体験だった。
一体どのような創意工夫によってその音が発せられているのか。それが気になってしまい、実を言うと去年の5月に一度インタビューを録ってはいたものの、わがままを言って再度話を聞かせてもらった。もちろん今年の「PARAMOUNT」の話もオーガナイザーのMIMUとレジデントDJのNOCOもくわえて聞いている。本インタビューで興味を持った人は、5月におこなわれる本祭で今のOtOdashiを体感して欲しい。

INTERVIEW:OtOdashi SOUND SYSTEM

 
ーー最初に聞いておきたいことがあるんだけど、「PARAMOUNT」で使っている機材はOtOdashiの私物なの?

TAAAHHH(以下、T)
:借り物もあるよ。

HIDAI(以下、H):野点音響っていうサウンドシステムから借りたり。彼らが大きなパーティの時は一緒に使おうという提案のもとで同じスピーカー、TW AUDiOをチョイスしてくれたんだよね。その逆パターンもあって他のイベントにスピーカーを貸すこともあるし、その辺の連携は取れているかな。

ーー自分たちの機材を使いつつ足りないところは借りて。

H:そうだね。

ーーその中でOtOdashiが持っている機材は?

H
:TW AUDiOのハイボックススピーカー『T24-N』とサブウーファーの『B-18』、モニタースピーカーもいれると『C-15』。どちらかと言うとスピーカーみたいなアウトプット機材よりもインプットものを多く持ってるね。PAブース周りの機材だったり。他との差じゃないけれど、DJ周りとPA卓周りの機材マッチングをこれまでにずっと高めてきている。

ーーでも、スピーカーはわかりやすく個性がでると思うんだけど、インプット面の機材も聴いてすぐに違いがわかるものなの?

H:うん、インプット面の配線にアナログ機材を1つかませるだけで全然違うよ。オーガナイザーの目線で言えば、主催者がこだわれる1番の機材ってDJミキサーだと思っていて。システムの心臓みたいなところだと思うしさ。その選択を受けて、PAは卓ミキサーや他のコンプレッサー、プロセッサーでより良い音にしていく。

T:ケーブルの配線も重要だね。



PARAMOUNT2022 PAミキサー:Bozak CMA10-2DLC

ーーそもそも2人はどうして音響機材を買いはじめたの?

H:はじめてパーティをオーガナイズした時に大赤字を出してさ、そこから地道にやっていこうと思った矢先にちょうど良いタイミングでなくしたと思っていたお金を見つけて。それを頭金にして発電機やスピーカーを買いはじめた。

T:そこでまずYAMAHAのPAスピーカーをサウンドハウスで買って。

H:そう、サウンドハウスでいろいろと情報を得られる時代だったからこその選択。D.I.Yパーティで必要な機材をインターネットで気軽に買えるようになったのは自分たち世代からなんじゃないかな。

ーーYAMAHAを選んだ理由は何かあるの?

T:単純にセットで売っていたからかな。

H:YAMAHAっていう名前で信頼をおけるんじゃないかっていう(笑)。でもね、本当に良いスピーカーだったよ。

T:『S115』っていうやつ。

ーーそこからOtOdashiを名乗るのはまだなんだ?

T:まだだね、そこから1、2年スタジオ遊びみたいのをして。

H:そのあとはじめて野外で音を出したのが長津田の近く。高速の上に橋があるんだけど。

T:東名の上だね。

H:そこならできると思ってYAMAHAのスピーカーとタンテを持って音を出していたら、1時間くらいで通報されて警察が来て怒られて。で、相模川だったらできる!行こう!ってなって大移動してはじめたら1時間くらいでまた通報されて(笑)っていうのが最初。

T:その前に廃品集めてやってなかったっけ。

H:廃品のスピーカーを大量に集めて全部繋げて固めて、やったね。

ーーレゲエのサウンドシステムみたいな物量で?

H:でも、圧はない。ただ音量がうるさい。結局家庭用だから入る情報容量もたいしたことないじゃん。

ーーゲリラで音を出すハードルはなかったんだ?

H:ないないない。なぜなら自然のなかで遊ぶことは昔から神奈川でやってきたからさ、できる気しかしなかった。順序的には、廃品のスピーカーで試してダメじゃんってなって、スピーカーを買ったのかな。

ーーそこからOtOdashi名義で活動をはじめたの?

H:結局YAMAHAのスピーカーでも物足りないことがわかった時に、友達からJBLのサブウーファーをもらって。当時JBLのスピーカーに憧れてたんだよね。コバヤシステムという名前で活動していた、weekend というパーティをやっている小林さんからの影響を受けて。そう思っていた矢先に偶然譲ってもらえることになり、そこからOtOdashiがはじまった。最初の方は宮ヶ瀬の山奥に入ったひらけている場所でやってたね。そこにあったやぐらみたいな東屋のテーブルにタンテを並べてDJブースみたいにして。

T:その時はずっとレコードを繋げてね。

ーーすでに2人ともDJをはじめていたの?

H:やってた。一緒に動いていたメンバーはDJやライブができる面子だったから、週末になると発電機とスピーカーを車に積んで、ちょっと音出しに行こうよって。それがいつの間にかOtOdashiと呼ぶようになっていって。

ーー続けていくうちに機材がそろっていったんだ。

H:そうだね。そのあと機材環境はさらに進んで、JBLにそろえたまでが第1期だとしたら第2期はMONSTER DEVICEというシステムのTurbosoundを聴いてから。これはちょっと他と領域が違うねってなって。その時にはJBLの限界も感じていたし。

ーーそれがいつくらい?

H:2010年。Stone Templeというパーティで聴いて。

T:そのあたりから改造をはじめたんだよ、自分たちで。

H:ユニットやツイーターを入れ替えたりね。気になる箇所があったら、すぐにター君が合うパーツを見つけてきて改造して(笑)。

ーー正規品では満足できなくなったの?

H:そうだね、改造していくうちにさらに上があることに気づいた。

ーーでも改造しようにしても、分解した時にどこが良いのか悪いのか判断がつかなくない?

T:壊れた機材のなかを空けて部品の型番を調べていくと結構安かったりするんだよ。それがわかって、だったらもっと良いのをいれちゃおうっていう感覚。で、調べていって。

H:本当にすごいユニット(電気信号を音に変える部位)をスピーカーにいれたらどうなるんだろうって。で、調べてみるとユニット単品の値段はそこまで高くなかった。だから持っていたJBLのMシリーズっていうスピーカーにEighteenの強力なユニットをいれて。

ーー変わった?

H:もちろん。だけど、やっぱりね、思った通りにいかないことも多かった。ウーファー(低音域を出力するスピーカー)自体が軽いから、そのユニットを活かしきれなかったり。

T:その繰り返しをずっとやってるよね。

H:これがダメならあれはどうだろう?って実験するたびに気づきがあって。そうやっていろんなスピーカーを聴いていくうちにユニットの大きさによって得意な周波数帯を持っていることがわかってきたり。小さいユニットの方がミッドの帯域の表現力は全然あるじゃん、とか。

ーーその実験をOtOdashiのパーティで毎月やっていたということ?

T:そうそう。

ーーそこからどういった経緯でPARAMOUNTをはじめるの?

H : 流れを話すと2011、12年辺りって毎週あっちこっちで乱雑に野外パーティをやっていて。俺自身はどハマりして楽しんでいたからいいけど、毎回頑張って付き合って来ちゃう周りの友達がちょっと精神的に落ちたりもしていた時期で。OtOdashiのパーティ自体は毎月続けるテンションではいたんだけど、そんな状況に無理がきている感じがしたから1年に1回集中して何かを作り上げたいなって思いはじめたんだよね。そこで千葉の奥地でやっていたnashaというパーティに行ったあたりをきっかけにNOCOさんへ相談したら、みむちんに聞いてみなって言われて。その時みむちんは日食を見にオーストラリアへ行っていたからすぐには直接話せなかったんだけど。

MIMU(以下、M):自分は2009年にオーガナイズしたパーティを最後にしばらく主催はいいやというモードになっていたんだけど、時間が経って再開したいと思いはじめた時期だったんだよね。それがちょうど2011年あたり。で、ヒダイくんもやりたいと。その辺が合致したんだよね。

NOCO(以下N):タイミングが合ったよね。

H:確かみむちんが年末の忘年会くらいに帰ってきて、久々に再会したんだよ。その時に伝えようと思って会ったら、みむちんから「やろうよ」みたいなことを先に言われて(笑)。それで決定、みたいな。

N:決まるまで早かった。

ーーそこからなんだね。

M:TW AUDiOを購入するのと大体いっしょの時期だったかな。

H:細かいことを言えばまだ買いたいと興味を持っていた段階。で、1番最初のPARAMOUNTはTWの『B30』と『T24』っていうスピーカーを代理店からフルで借りてやったんだよね。

T:最少単位でね。

ーー当初は今みたいな大きいパーティになることを想像していなかった?

M:最初は。でも、1回目からお客さんを200人くらい入れようっていう話はもともとしていて、そこから大きくステップアップしていきたいイメージはあった。

ーー今後はもっと大きなパーティにしていくプランがあるの?

M:以前は着々と規模を大きくしていこうと思ってたんだけど、ここ3、4年で考え方が変わってきたんだよね。「PARAMOUNT」に長年遊びに来てくれているお客さんから話を聞いた時に、大きくなっていく方向性がちょっと嫌だよっていう声が結構あってさ。最初の方はその意見は意見として頭の片隅に置きながら、どんどん拡大していく方向ばかりに目を向けていたんだけど、やっていくうちに本当にこのままでいいのかなっていう。

H:大きくしていくのが第一じゃないっていうか。人を集めたいっていう意識は最初の方は間違いなく強かったけれど、途中からそういう声もあったりして、集客以前の大切なことに改めて気づいたというか。



ーーもう少し音響機材のことを聞きたいんだけど、現時点で2人が1番良いと思っているスピーカーはTW AUDiO?

T:オールマイティなだけで、1番っていうのは難しいかも。

H:その1番を探している途中なのかもしれない。

T:TWの良いところは個性がないというか、合わせる機材で音質が全然変わってしまう変幻自在なところ。

ーー他のスピーカーは違うんだ?

T:FUNCTION ONEはFUNCTION ONEの音が出る。MARTINもMARTINの音が出る。

M:TWはキャラクターがないんだよね。本当にピュアオーディオっていうか。

T:良くも悪くも。だから中身で変えられる。

ーーアレンジしがいがあるんだ。

T:そうだね。

ーー当然だけど、DJのかける音源がフロアに届くまでいろんな機材を通過していくわけだよね。インターフェース、ミキサーがあって、ケーブルを通って、PA卓、エフェクターやプロセッサーを通ってやっとスピーカーにたどり着く。その相性で音質が変わっていくということ?

H:自分たちがいまだに実験をしているのはそういうところ。スピーカーの出音だけじゃなくてDJミキサーとPAミキサーのマッチングだったり。他にもケーブルの相性とか。

T:TWの個性は無味無臭だから、その相性がでやすい。

ーー例えば、そこにCDJ100といった古い機材を挟んだらどうなるの?最新の音源データをしっかり噛み砕いて出すことができなかったりする?

H:むしろ古い機材をいれた方が良い音になるかもしれない。実験していないからわからないけれど。90年代のUKレイヴ全盛期はアナログ機材が多かったから、絶対に音が良いんだよね。想像するだけでも。今はケーブルの片付けや取り回しが楽なデジタル転送のPAが音楽業界のスタンダードになっちゃってるけど、果たしてそれが良い音なのか。

T:企業案件の仕事だったらありだけどダンスミュージックではないなと思った。どの場所にいても同じように聴こえるようデジタル設定するのは。実際にデジタルでやりまくってた頃、音質はキレイだけど踊れないと言われたことがあるし。

H:そこでデジタルじゃねぇなって気づいて。やっぱりアナログ機材を良いところに噛ませなきゃダメだなって。全体的にデジタルが軸なんだけど、アナログをどこに挟むと良さが際立つのか、それをさらにわかりやすくするためにはどうすればいいのか、そういうことを考えている段階だと思う。

ーーそれらの機材を動かすための電流も音に関係してくるの?

T:うん、もちろん。

H:よりキレイな、豊富なところから供給したほうが絶対に良い。

ーー具体的に言うと、どういうところから供給するとキレイな電流になる?

H:ポイントだけ言うと、発電機の大きさやケーブルの太さ、使う電源ボックスのパーツ、あとはアンプが大量の電気をどう小分けして振り分けているのか、それをパソコンとかの雑電にどう絡ませないようにするとか、いろいろ細かいことがあるんだけど、そこらへんの実験をずっとしている。

T:わかりやすいことを言えばケーブルを折っちゃいけないとか。折れてるとノイズが「ピッ」てのったりするんだよね。

ーーやっぱりわかる?

T:わかるわかる。聴いてやってるからね。

H:だから、そこら辺を全部潰していかないと原因がわからないんだよね。全部適当だとさ、どこが悪いのかわからないじゃん。全部潰していって、今日は多分このせいだっていうのがわかる。

ーー昔見たテレビ番組で、オーディオマニアの人が電信柱から直で電流を取っていたのを覚えているんだけど、それはキレイな音を出すためには理にかなってるんだ?

T:うん。やっぱ途中でいろんな電流を拾っちゃうから。

H:集合住宅の一室なんてさ、電信柱から数部屋に振り分けられた電気だし、向こうで電子レンジや乾燥機を使っていれば、多かれ少なかれ影響を受ける。電柱から直で繋げることができれば、キレイな電力をもらえるし変電所の近くだったらなお良い。本当にそういう話だよね。



ーー2019年の「PARAMOUNT」では、昼間は野外、夜は室内の2箇所で音を鳴らしていたよね。外と箱ではPAするのにどういった違いがあるの?

H;例えば野外でも何の障害物なくひらけている場所だったら、極端な話、何もすることがないと思うんだよね。

T:クラブは部屋で野球をやらされる感じ。ホームランが打てるような場所だったら大変ではない。

H:良いスピーカーと良い音源があれば良い音は出るけれど、部屋に持ってきた時点で反響が発生する。室内でPAするのは部屋中に起きている反響をどう処理するかという感覚だと思うんだよね。大きな差としては。でも、日本の野外パーティはキャンプ場でやることが多いから、部屋まではいかないけれど山特有の反響に悩まされることは多い。

ーーそれは実際に音を出してみないとわからないところ?

H:ある程度は事前に対処するんだけど、それでもやっぱり遠い山から跳ね返ってくる反響が原因で、当初考えていたようにうまくいかないことはある。その時の天気、気温、気圧でも音が変わってくるし。大体夜明けから朝日がさしてくる時間帯に音が崩れてくる。夜モードだったのが、あれ、みたいな。

ーー近くに湖や川があったりとかでも。

H:そうだね、湿度でも大きく変わる。

ーークラブも同じだと思うんだけど、人の入り方で全然変わるかな。

T:全然違う。人が入っていればなんとかなる。服で音を吸ってくれるから。

ーーPARAMOUNT2019の室内ではどういう工夫をしたの?

H
:あの時はいけちゅーさん(nice sound)が中心になって空間作りをしたんだけど、いろいろ大変だったよね。もともと音を鳴らすために設計された場所じゃないから、下見で鳴らした時には窓が音圧でガタガタ震えてしまい騒音がひどかった。このままじゃ確実に苦情がくるなって。なのでスピーカーの置き方も騒音対策のひとつとしてカーディオイドという方法をとって。ステージ上に届く低音を細くする方法なんだけど。他にはシステムを置くうんぬんの前に、窓の隙間に大量のジェンガを埋めたり。

ーージェンガって本物のジェンガ?

H:本物のジェンガ(笑)。廃品で大量に余ってたから隙間に置きまくった。どんなに良い音を鳴らしても振動がひどいと建物の音になってしまうんだよね。それを物理的に抑えるために蛍光灯をはずしたり、エアコンのダクトが震えないよう粘土で埋めたり。

T:上から鳴る振動って空間の支配力がすごいんだよ。そのまま鳴らしてしまうと、建物自体が太鼓みたいになって反響がより外に響いてしまう。あの時のフロアは賛否両論あるけれど、ほんとよくあそこまで形にしたよね。



ーー今の会場としている群馬サイクルスポーツセンターはどういった経緯で見つけたの?

H:当時、会場となりそうな場所を群馬県内でいろいろ探していたんけど、しっくりくるのがなくて。次の日には帰らなきゃいけない時に、たまたまはいった温泉宿に群馬サイクルスポーツセンターのパンフレットが置いてあったからそれをみむちんに伝えて。数日後、みむちんが行ったら誰もいなかったんだけど、会場を見て「あそこいけるよ」みたいな。でも、パンフレットが宿に置いてあったから気づけたけれど、普通に探していたら見つけられなかったと思う。キャンプ場やスキー場ばかりチェックしていたから。

M:でも、最初はパーティをやることに会場側は歓迎していなかったと思うよ。以前、他がイベントをやった時に騒音の苦情がたくさんきて散々だったらしいから、本音を言えばやらせたくなかったんじゃないかな。でも、回数を重ねていくうちに段々と信頼してくれて。

ーー今はオールナイトで音を出せるんだ?

M;2019年の1回目でちゃんとやったからこそ「夜通しやってもいいよ」という許可が降りたわけで。

H:その上で、あの場所で、あの物量なら大丈夫だと言ってくれてる。

M:今はあそこで働く職員の人たちが駐車場の誘導をやってくれたり、自ら出店してお祭り感覚で楽しんでくれてるんだよね。去年パーティが終わったあとに、職員の人が多分俺らがやっているのを真似して同じように握手をしてきてくれて。そういう関係になれたのが嬉しいよね。



ーー「PARAMOUNT2020」ではDJミキサーをUREIに変えたよね。あれはなんでなの?

H:毎年夏に開催している「sakazuki」っていうパーテイでUREIを使っているんだけど、そこでDJをやらせてもらう度に良さを知っていって。で、テクノにも全然合っちゃった。

ーー自分は先入観でハウスには合うけれど、テクノには合わないと勝手に思い込んでしまっていて。使っているのはデジタル向けに作られたものではないんだよね?

H:新たに改造はしてる。根本は一緒だけどSAL(Suprise Audio Lab)にお願いしてOtOdashi用に作ってもらった。

ーー改造はどの部分を?

T:アンプカードや内部配線をオリジナルに変えて、ボックスのパネルも銅板に取りかえたり。

ーー銅板で変わるんだ?

H:素材で変わるからね。

T:電気だから。

H:プラスチックだと色を変えただけでも音が変わると言われてる。結局、色によって波動も変化するから。そういうのを話すとオカルトと言われたりするけれど、音響って突き詰めると物理でしかない。

T:オカルトを潰していくと物理。

H:不思議なことが全然ないんだよね。そこに気付けたことでさらに面白くなってきたというか。オカルトみたいなことを言う人は周りにたくさんいるけれど、全然そんなことないじゃんって。

ーー面白いね。超良いまとめの言葉をもらいました。

H:音は物理です(笑)。出音には必ず理由があるから。

T:そこには現実に起こっていることしかないんだよね。

ーー最後に今年の「PARAMOUNT」の音響面に関して現時点で話せることはある?

H:すでに大方のことは決まっているんだけど、直前で変える可能性もある。

ーーじゃあ、パーティが終わったあとここに追記する形でもいい?


T:賛成。まずは現場で聴いて欲しいね。先入観なく。

■「PARAMOUNT 2023 open air party」


2023.05.27(土)〜28(日)
群馬サイクルスポーツセンター

【LINE UP】
Ciel
Manfredas
Planetary Assault Systems [LIVE]
Primal Code
Rhadoo
Sunju Hargun
The Lady Machine
Hidai
Mimu
NOCO
TAAAHHH

【SOUND】
OtOdashi SOUND SYSTEM

【SPACE】
Bivouac
CK13
HAJIME
HEAVEN HUG DESIGN
KzO
RYOTA
wacky
[5]one
華道家 萩原亮大
まいけルミ子(Michae”LUMI”Co.)

オフィシャルサイト
https://paramount-jp.net