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Holy 8bit Night

V.A.
Holy 8bit Night
2006年末、そのシーンを追ったドキュメンタリー映画『8-bit』がニューヨーク近代美術館 (MoMA)で上映され、チケットが即Sold Out。同時期には世界的なチップチューンの祭典『Blip Festival 2006』が開催されるなど、昨今急激な盛り上がりを見せている音楽ジャンル "Chiptune"。ファミコン、MSX、ゲームボーイなど、80年代に発売されたチープなパソコンやゲーム機をあえて使用する楽曲制作の手法は、ハイファイな音楽シーンへのカウンターカルチャーとして、現在世界的なムーブメントとなりつつある。05年にはBeckが『Hell Yes』でチップチューンを採用し、07年には"Lo-bit"な映像で構成された映画『We Are the Strange』に世界のチップチューン・アーティストが楽曲を提供、Sundance Film Festivalの公式作品に選出され、『Newyork Times』誌によって絶賛されるなど、急激に世界の注目を集めているが、ルーツは80年代のゲーム音楽シーンに遡る。当時はYMO、Kraftwerk が活躍したテクノポップ時代の躍動を背景に、任天堂ファミリーコンピューター、アタリ400/800、コモドール64などの内蔵音源サウンドが「ピコピコ」という形容で親しまれた。90年代に入り、ビデオゲームは劇的な進歩を遂げ、そのチープなサウンドは一旦忘れ去られることになる。しかしその後、独特の味わいを持つ8bitの質感にあえてこだわる人々がヨーロッパを中心に新たなネットワーク・コミュニティを築き始め、ゲーム音楽の枠を超えてさらなる可能性を追求する現在のチップチューン・シーンを形成するに至る。VORCはこの動きをいち早く日本に紹介するべく設立された情報サイトである。80年代ゲーム音楽シーンの遺伝子を受け継ぎ、中核を担ってきたhallyによって、日本と海外のシーンを橋渡しする唯一無二の場として6年にわたって活動を続けてきた彼らが、世界屈指の情報網を活かし、自らのレーベル「VORC Records」を、いよいよ本格始動する。