Children Of The Fire

良質なるリイシュー。ジャズ・トランペッター、ハンニバルが、ベトナム戦争の終結とともに、74年に自身のレーベル〈Sunrise〉からリリースした注目盤。フル・オーケストラをフィーチャーして、スピリチャルでディープな展開を見せる。特に、関係の深かったギル・エヴァンスの影響も伺えるストリングスのアレンジメントに光るものがあって、いわゆるスピリチャル・ジャズものの中でも傑出した一枚で、ジャズ・オーケストラの本当の格好良さが味わえる。演奏そのものの豪快さと全体に漂う繊細な空気感との対比も何とも言えない味を出している。文／原雅明