その昔、Louie VegaがUnderground NetworkというパーティーをNYCでやっていた時代、彼のプライオリティーのレーベルとして、Strictly Rhythmを挙げていた。そんな90年代NYの名門レーベルStrictly Rhythmを復活させたDefectedに敬意を表しつつ、またTimmyの意思を次世代に次ぐ後継者として活躍するQuentin HarrisがそのStrictly Rhythmで自身の作品をリリースするという事に大きな感動を覚える。本作は以前に、国内ライセンス盤でリリースされていたものを多少変更し、今回だけのオリジナルトラックを数曲収録。デトロイト出身の彼ならではの作品、また元々はヒップホップなどのDJもやっていたということもあり、作品トータルで Quentinの音楽的創作の奥深さや、ジャンル的な耳の広さも感じられる。もちろんの事ながら、アルバム中ではNY Houseの意思を正統に受け継いだソウルフルボーカルもの、グルーブ感のあるトラックものなどの存在感もひと際大きい。といっても古いという事ではなく、やはりトラックやシンセ使いは洗練された新しさ、センスが伝統としっかり粘着している。これからの彼の活躍はこの一枚の凝縮で、すでに予測は容易。
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