アノ『The Delta』が帰って来た。昨今の野外フェスに於いてLive Actでの来日こそあれど、最新アルバムとしては、7年の沈黙を破って渾身の1枚が2008年度 夏のフェスティバルシーズン到来の絶好のタイミングである7月16日に「日本先行発売」としてリリースされる事となった。X-DREAMの核となるMarcus C. Maichelが、Extrawelt、Midimiliz等の活躍でもでお馴染みの、Wayan RaabeとArne Schaffhausenを率いて名曲「As A Child i Could Walk On The Ceiling」を発表してから既に11年を迎えようとしている。トランス、テクノ、プログレッシヴ、ミニマル...様々なジャンルが交錯する昨今のダンスミュージックシーンに於いて、かつてより最もエッジの尖ったサウンドを追求して来た彼等に、ようやく時代が追いついて来た。90年代のPSYトランスシーンを支えた主軸レーベル[BLUE ROOM RELEASED]での衝撃的な活躍により、トランスというジャンルに固執して括られがちの彼等の活動も、ドイツ本国では様々なジャンルのダンスミュージックシーンや、アーティスト達から絶賛され、テクノ、ミニマルシーンでの盛り上がりは、今やトランスの“それ”を上回る勢いでオリジナリティ溢れるサウンドを発信し続けている。そんなジャンルを超えて評価されるMarcusが生み出すサウンドの象徴とも言える、 本アルバム『MINUSMAN』のリードトラック「Schmerzverstarker」をはじめとする、本作を前に何を評論し、ジャンルのカテゴライズをする意味があるのか?「否」!グルーヴィーな骨太なベースラインとMarcus独特の脳髄を直撃するキックに絡む、歪んでいながらも繊細で美しいメロディラインには、ジャンルという概念は通用しない。そして、そのような安直なカテゴライズは必要ないのである。08年春の『渚音楽祭』での出演アーティスト中、最もダンスフロアを盛り上げた事も記憶に新しい、X-DREAMのLiveAct同様にThe Delta も、全てのエレクトリック・ジャンルのダンスフリーク達を捉えるに違いない。また、他名義による様々なプロジェクトでの来日と数々のワールドレーベルからのコンピレーションやアナログカットのリリースラッシュが続く等、今夏のMarcusの動きとともに、The Deltaの旋風は留まる事を知らない...。
MUSIC