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dirty bomb

FILASTINE
dirty bomb
ブラジル〜スペイン〜インド〜ニューヨーク〜日本…反資本主義サウンドデモを続けながら世界中を旅するフィラスタイン。彼が訪れた数々の国のルーツミュージックとリディムの基盤となるヒップホップ/レゲエ/エレクトリックミュージックが渾然一体となった傑作セカンドアルバム! バルカン・ビート、ボリウッド、ヒップホップ、ダブステップなど様々な要素とシンセサイザーやカットアップ・サンプリングの織りなす新しくも深い、マージナル(辺境・境界線上の)サウンド。 今回のアルバムでは世界中で出会ったミュージシャンとのコラボレートも実現し、Rabah、Jessika Skeletalia Kenney、MalenaD'Alessio、DJCollageなどのラッパー/ヴォーカリストをFeat.し、アルバム最後の Tr.17"como fugitivos"では10代のヴォーカリストLa Perlaによるアンダルシアの洞窟での現地録音なども収録されている。 中でもオーストラリアのアボリジニ・ラッパーWire MCと日本が誇るベテランラッパーECDが参加したTr.11の"Hungly Ghosts"では変則クランク・ビートに挑戦し、アルバム中盤のクライマックスとなっています。 2007年4月某日。 フィラスティンはJR高円寺駅前で行われた路上パーティ「高円寺一揆」で、これでもかと世界中のラフでタフなストリート・ミュージックを薄汚れた路面に叩きつけていた。 その横ではECDがラップしていた。 その前日に新宿のとある秘密の場所で録音された2人のセッションが、このアルバムに収録された"Hungry Ghosts"という曲で形になっている。 ECDは、喜納昌吉の「すべての武器を楽器に」というメッセージを「すべての楽器を武器に」とラディカルに反転させた。 フィラスティンは、世界中のストリート・ミュージック—ダブステップ、 ヒップホップ、バルカン・ミュージック、ボリウッド—を火薬にして汚い爆弾をこしらえた。 あとは……火を点けるだけだ。 [二木信]