気鋭の国内レーベルFOUNTAIN MUSICからのオリジナルリリース。待ちに待ったSANS SOLEILのセカンドアルバムSIMPLE MACHINEは、『美麗』としか言いようのないハイテックアブストラクトアルバムとして、アーティストとレーベルを見事に浮き彫りにしている。デリックメイのレーベルTRANSMATよりアルバムデビューし、Freancois KのWAVE等からもリリースしているトップクオリティーのお墨付きを得ているプロデューサーSANS SOLEILと、Recloose、Theo Parrishと共に作品を何曲も残しているヴォーカリストGENEVIEVEとの、ダークで抑制されたサウンドを紡ぎだしている本作は、Border Community的なフレームワークとしてのハウスの暖かみあるサウンドを駆使し、温厚な理性の限界線でアブストラクトなマシーンソウルを率い、ハイテックハウスとしても機能する真に独創的なグルーヴを紡ぎだし、艶めく幻想的なヴォーカルを引き立てている。
デトロイトファンからもヨーロピアンなテックファンからも支持を得るだろう本作のヴォーカルはサウダージを意識し、南アメリカの空気感とテクノをミックスした、他に類を見ないテイストを押し出し、アルバムの強さとしなやかさにスウィートネスを織り交ぜワンアンドオンリーを演出している。
またアートワークは、2008年に世界で最も権威のある写真のコンペ'PHOTOGRAPHER OF THE YEAR'のエロティック部門で金賞を獲得したRIKKI KASSOによる写真だ。官能的な音源にふさわしく、透き通る優美さによりアルバムはいっそう印象強く才気を高めている。
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